- 退職金の運用法を迷っている
- 退職金の上手な活用方法を知りたい
- 退職金運用の注意点について知りたい
退職金は今後のセカンドライフを豊かに送るための大切な資産だ。リタイア後の人生は長く、貯蓄を切り崩すだけではいずれ底が尽きてしまう。
世間では運用に関する情報が溢れているが、退職金のような大きな額を一度に手にする機会は少なく、どんな運用方法がいいのか迷う人も多い。
本記事では退職金の適切な運用方法について解説する。預金や定期預金、株式や投資信託、不動産投資などの運用方法の特徴やリスク、選定のコツも紹介している。
銀行や証券会社への相談の前に知っておきたい退職金の運用について基礎的な部分も盛り込んだ。
退職金の運用を検討している方は、商品を選ぶ前にぜひ参考にしてほしい。
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退職金運用の基本知識
まずは、退職金の支給要件や税金について確認しておこう。
退職金とは何か?
退職金とは、勤務した年数や功績に応じて支払われる報酬だ。特に、定年時に支給される退職金は、今後のライフプランに関わるものとなる。
厚生労働省の調査によると、退職金制度がある企業の割合は80.5%で多くの企業が退職金制度を導入している。
退職金制度は大きく「退職一時金制度」と「退職年金制度」の2つある。
- 退職一時金制度
- 退職金を一括で支払う制度。退職金というと一般的にこちらを指すことが多い。
- 退職年金制度
- 退職金を分割し、定期的に支給する制度。生活を継続的に支えることができる。
退職金の支給条件や計算方法
退職金制度は、法律では定められておらず、企業ごとに設けられている。なお、支給基準は一般的に就業規則で定められているため、支給金額は企業によって決め方や計算方法が異なる。
主な計算方法は次の通りだ。
定額制 | 勤続年数によって金額を決定する。 |
基本給連動制 | 退職時の基本給に応じて決定する。 |
別テーブル制 | 基本給とは異なる在籍時の役職や等級などによって決める。 |
ポイント制 | 会社への貢献度や年数をポイント化してそれに応じて決定する。 |
税金や手続きに関する注意点
退職金も所得税の対象となる。ただし退職一時金は、給与所得ではなく「退職所得」となり、他の所得とは分離し異なる計算方法で税率が決定する。
なお、退職金受給までに、勤務先へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出すれば、所得税額と復興特別所得税額が源泉徴収される。
また、退職金を分割して定期的に支払われる退職年金は、「雑所得」として他の所得との合計で税率が決定する。
運用方法の選択肢
退職金の運用方法について「預金・定期預金」「株式・投資信託」「不動産投資」の3つを紹介する。
預金・定期預金
退職金は預金口座に振り込まれることが多いため、そのまま預金する人も多いだろう。
預金なら、普通預金よりも金利の高い定期預金を検討したい。退職金を対象とした金利上乗せ定期預金を用意している銀行もあるため、預入期間や条件を比較検討しながら選択してほしい。
預金は、銀行破綻時でも預金保険制度により1,000万まで保障される。元本割れのリスクがほぼなく安心できる運用方法といえるだろう。
株式・投資信託
投資運用の主流といえるのが株式投資だ。企業の株式を安く買って高く売った価格差が利益になる。定期的に支払われる配当や、株主優待も魅力の1つだろう。
ただし、値動きが激しく投資商品の中ではリスクが高い。
投資信託は、集めた資金を投資の専門家が複数の銘柄へ分散投資をするもので、リスクはやや抑えられる。また、運用実績に応じて分配金が支払われる商品もある。一方、プロが管理することから、保有中は信託報酬という手数料が発生する。
不動産投資
退職金のようなまとまった資金があれば不動産を購入し、家賃収入を得ることもできる。
入居者がいる限り安定的に収入が発生することから、定年後の資産形成として有効な手段の1つだ。
家賃は株式ほど値動きが毎月変動しないため、収入の見込みも立てやすい。不動産はインフレの影響を受けづらいとも言われている。
すぐに大きく儲けるものではないが、長期的に運用するには適した投資方法だ。
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リスクとリターンを理解する
運用商品には必ずリスクとリターンが存在する。それぞれの特徴をみていこう。
運用リスクとは何か?
資産運用におけるリスクとは、投資先の地域や為替、社会情勢によって価格が変動する不確実性のことを指す。投資は元本保証がなく、資産が目減りする可能性がある。主なリスクは次のようなものがある。
価格変動リスク | 売却時の価格が確定していないこと |
為替変動リスク | 外貨建て商品の場合、為替レートの影響で損益が不確定なこと |
金利変動リスク | 金利変動によって資産価値が変わること |
信用リスク | 発行体の経営状況等により、元本や利息が支払われるか確実ではないこと |
カントリーリスク | 投資国の経済や政治によって市場が変動すること |
各運用方法のリスクとリターン
代表的な投資種類について紹介する。
国債・社債
破綻などが起こらない限り償還時には元本が返ってくるため、安定した収益が見込める。ただし、投資利回りは小さい。
株式投資
価格が比較的短期間で変動するため、適切なタイミングで売却すれば大きな利益を得ることができる。配当金も収益となる。一方、株価が急落し損失を被る可能性もある。
不動産投資
日本不動産研究所の調査によると、表面利回りは都心のワンルームマンションだと3.9%程度、地方のファミリータイプ物件であれば4.5〜5.5%となっている。ただし、空室や家賃滞納の問題や天災のリスクで収入が滞ることもある。
リスク許容度の把握と運用方法の選択
資産運用のリスクとリターンは相関関係にあり、一概にリスクが高い金融商品を避けるべきとは言えない。
重要なのは、どの程度のリスクなら受け入れられるかという「リスク許容度」を把握することだ。リスク許容度は、資産状況や運用期間、投資への考え方などさまざまな要素から判断する。
自分自身のリスク許容度や、それに伴なう適切な投資商品を把握するのは難しい。その場合は金融のプロであるIFAに相談するという方法もある。
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)によるサポート
IFAとは、独立系ファイナンシャルアドバイザーのことだ。どのようなものなのか確認しておこう。
IFAの役割とメリット
IFAはファイナンシャルプランナーや証券外務員など金融の資格を保有している資産運用のエキスパートである。顧客の個別相談に応じ、運用プランや投資方法のアドバイスを行っている。
銀行や証券会社などに所属せず独立の立場を取っている。そのため、特定の金融商品の販売促進や営業ノルマにとらわれることなく、顧客に重きを置いた提案が可能だ。
適切な運用方法の選定
リスク許容度も、IFAに相談することで正しい診断ができる。専門家の分析によって適切な診断ができ、自己判断に比べ、客観的な許容度の設定ができるだろう。
そのうえで、幅広い商品の中からひとりひとりに合った運用プランを策定できる。そのまま商品の購入も可能で、運用相談からその解決まで一貫して取り組むことができる。
IFAと連携することで得られる安心感
IFAは転勤や異動がない。長期にわたって同じ担当者がつくことで、信頼関係が築ける。
リフォームや教育資金、開業計画など、今後のライフステージごとに悩みを相談し、ともに対策ができるのは心強い。
また、IFAは外部の専門家との連携も行っており、案件に応じて弁護士や税理士などの紹介もできる。
退職という転機を運用の第一歩に
この記事では退職金の運用方法とその選び方を解説した。預金、株式や投資信託、不動産投資など各運用方法の特徴やリスクを理解し、自分に適した方法を選んでほしい。
特に、リスク許容度の把握は重要だ。記事で紹介した運用方法やリスク管理に関する知識を活用し、正しく判断したい。
また、安心して退職金運用ができる可能性を高めるために、IFAを活用する方法も紹介した。相談すれば、専門的な知識をもとにした適切な運用方法の提案が期待できる。
退職は人生の大きな転機だ。ここで一度自身のライフプランについてIFAと共に考える時間を設けてみてはいかがだろうか。
「退職金ナビ」では、信頼性の高いIFAを全国から検索し相談をすることができる。
運用方法の選定やリスク管理のサポートを受け、安心して適切な退職金運用を行うのもいいだろう。
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