- 公認会計士の退職金に関する情報が知りたい
- 退職金の計算方法、税金を理解したい
- 退職金に関する専門家のアドバイスが欲しい
公認会計士は社会的なニーズが高い高度専門職だ。弁護士や税理士と並び、合格が難しいとされる最難関資格のひとつで、その報酬は一般企業に勤務するビジネスパーソンよりも高額であることはよく知られている。
一方、公認会計士の退職金事情に関しては、一般の人には知られていないことも多い。どのような仕組みや制度があるのだろうか。
本稿では公認会計士の退職金について、退職金の基本知識や計算方法、退職金にかかる税金や運用方法について解説する。
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公認会計士の退職金
退職金の目的と役割
一般的に、退職金は企業が定めた退職金制度に基づいて支給される。退職金の支給には法的な義務はない。したがって、それぞれの企業が退職金の支給について判断することになる。
退職金を支給する目的は、さまざまだ。多くの場合、長年の勤務に対する報償、退職後の生活保障などを目的として支給される。
退職金額は多い場合で数千万円程度が支給され、労働者側にとってもメリットが大きい。
近年は退職一時金を支給するかわりに、確定拠出年金制度を活用する企業も増えている。確定拠出年金は自分が主体となって年金運用する制度だ。
同様に長期運用での資産形成を支援する「NISA」や「iDeCo」への関心も高まっている。
これらの制度を利用して、自助努力で退職金代わりになる資産を準備する若年層も多い。退職金の社会的な役割は徐々に変化しつつあると言えるだろう。
公認会計士の退職金制度
公認会計士は監査法人や会計士事務所、あるいは一般企業に雇用されているかによって、適用される退職金制度が異なる。
いずれの場合においても、勤め先の退職金規定に沿って退職金が支給されることは同じだ。退職一時金や確定拠出年金、確定給付型年金、共済制度など、勤め先の退職金制度に沿って支給される。退職金の計算方法は企業によって異なる場合がほとんどだ。
勤め先が公認会計士が監査法人や会計事務所に勤務している場合、事業主が公認会計士企業年金基金に加入していると、退職時に基金から一時金や年金が支払われる。
支給を受けるには3年以上加入する必要があるが、3年目以降に退職した場合は、加入者期間などに応じた給付を受けることができる。公認会計士企業年金基金では全額を事業主が負担し、加入者の負担がないのが特徴だ。
退職金の受給条件と支払い時期
退職金は勤め先の就業規則に退職金規定がなければ、退職金を受け取ることができない。したがって、規定があるかどうかが支給されるかどうかのポイントになる。退職金を受け取りたい人は入社前に必ず確認しておこう。
その上で、自分が退職金の支給対象になるかを確認する。特に勤続年数によって支給の有無が決まる場合もあるので、入社して3年以内の退職の場合などは注意が必要だ。
他にも職種や最終学歴、自己都合や会社都合などの退職事由、懲罰の有無も退職金額に影響する場合がある。しかし、いずれも企業によって異なる。
退職金の支払いに関して明確な支払い時期など法律上の義務はなく、一般的に退職してから1~2ヵ月後が多い。
退職金の計算方法
基本的な退職金計算の仕組み
退職金の計算方法は「基本給連動型」「定額方式」「別テーブル方式」「ポイント制方式」などがある。どの方法が採用されるかは企業によって異なる。
退職金の計算方法で一般的なのが基本給連動型で、退職時の基本給に勤続年数に応じた係数や退職事由に関する係数を掛けて計算される。定額方式は勤務年数に応じて、あらかじめ決めてある退職金額を支給する方法だ。
別テーブル方式は基本給に関係なく、勤続年数や退職理由、役職などに応じた係数を決めて退職金を算出する。ポイント制方式は勤続年数、役職、退職理由などに応じてポイント換算し、ポイントに応じた退職金を支払う方法である。
公認会計士の場合の特別な計算方法
会計士が退職すると、一般的に「退職金」が支払われ、退職以降は定められた年齢に達すると「企業年金(確定給付企業年金)」と「公認会計士企業年金」などが支払われる。
会計士の退職金は、一般企業の会社員の退職金と比べて特別な計算式を用いるわけではない。一般的には基本給連動型で計算される場合が多い。
一方、監査法人で勤務した場合の特異な点をあげるとすると、一定期間、同じ役職にいると給付率がその期間以降は大幅に下げられる点だ。長年勤務したからといって退職金が大幅にアップすることはなく、ほとんど支給されない場合もある。
一般企業に勤めている公認会計士にこのような傾向はなく、他の社員と同様の規定で退職金が支給される。公認会計士の場合、監査法人と上場企業に勤めた場合を比較すると退職金の支給額に大きな差があると言えよう。
退職金の上限や減額要因
公認会計士の退職金に限らず、退職金の上限に関して法律で定められていない。したがって、各企業は自社で定めた退職金規定にしたがって、個々のケースに応じた退職金額を算出する。
ただし、退職金規定に懲戒解雇等による減額、あるいは不支給に関する事項が記載されていれば、退職金が満額支給されない、あるいは不支給の可能性がある。
退職金を減額、あるいは不支給する場合も必ず退職金規定に記載する必要があるため、これらの事項も合わせて確認しておくとよいだろう。
退職金の税金は?運用はどうする?
退職金の確定申告と節税対策
企業に勤めている公認会計士であれば、勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出しておけば、原則として確定申告をする必要はない。
副業による収入や不動産の売買で一時的な所得がある場合、その他の控除がある場合は、退職所得の金額も記載して確定申告をおこなう必要がある。
退職金を受け取るときは、一時金受け取りか年金受け取りを選択できる。一般的に退職金控除の大きい、一時金受け取りの方が節税効果が高いとされている。
ただし、年金受け取りを選択した場合でも、退職金額や年金の受け取り方によっては、税金面で有利な場合がある。どちらが有利になるかは、具体的に算出してみる必要があるだろう。
退職金の適切な運用方法
多くの人にとって退職金は老後の生活資金となる。将来の生活費になる可能性も高いので、安全で減らさない運用を目指すのが望ましい。
確定拠出年金やiDeCo、NISAなどで積立投資を行なってきた人で、家計に余裕がある場合は、老後も積立投資を継続するのもよいだろう。
特にNISAに関しては、2024年から幅広い年齢層の人が使いやすい制度に変更される。今後再び改正される可能性もあるが、税メリットが受けられる運用方法として検討しておきたい制度のひとつだ。
老後は運用を継続しながら、お金が必要なときに解約すると資産の減少を鈍化させる効果が期待できる。積立を途中でストップしたとしても今まで投資した分を全て解約しない限り、運用は継続することができる。
労働条件変更時の退職金対策
定年が来る前に労働条件が変わった場合、退職金が増えることもあれば、想定していた金額よりも減ることもある。大きく増えることに関しては問題ないが、減ってしまうと将来の生活設計に影響がでる場合がある。
退職金が想定よりも減る可能性が高い場合は、退職金対策を自分で行っておく必要があるだろう。
自分でできる対策としては、iDeCo、NISAなどが代表的だ。いずれも将来の資産設計を目的として、長期運用を後押しする制度である。
定年が近い人の場合、運用期間が定まっているiDeCoより、来年から運用期間が無期限となるNISAのほうが使い勝手がよく、流動性も高い。
iDeCoもNISAもリスク性商品を購入して運用する制度なので、運用が心配な人は退職金対策も含めて、お金の専門家に相談してみるのもよいだろう。
退職金相談は「お金の専門家」へ
退職金は人生でもらえるお金のなかで、最も大きなお金のひとつである。間違った使い方をして、簡単に減らしてしまうことがないように、使い道について慎重に検討することをおすすめする。
退職金の活用方法について、お金の専門家であるIFAに相談するのも、ひとつの方法だ。運用に関することだけでなく、相続や税金の知識も豊富なので、気軽に相談してみるとよいだろう。
IFA(Independent Financial Advisor)とは
IFAとは、Independent Financial Advisor の略で、特定の金融機関に属さない「独立系ファイナンシャルアドバイザー」のことである。
証券会社や銀行、保険会社の出身者が多く、現場で多くの経験を積んでいるため、数多くの事例やノウハウを蓄えている。そのため、安心して相談できるのがメリットのひとつだ。
IFAに相談するメリット
どの金融機関にも属さないIFAは中立的な立場で、お金の相談を受けることができる。さまざまな金融機関の商品を提案できるので、顧客の要望に応えやすいのが特徴だ。
IFAは幅広い金融知識を保有しているが、多くの場合、自分の得意とする専門分野がある。たとえば、証券出身のIFAなら株式や投資信託の運用相談、生保出身のIFAなら生命保険の分析などが挙げられるだろう。
IFAに相談するときは、出身金融機関や得意とする分野などをあらかじめ聞いておくのもおすすめだ。
IFAによる退職金対策の具体例
節税は税金を減らすことは可能だが、資産自体を増やすことはできない。そのため、退職金運用を節税と一緒に検討すると、より退職金を効果的に使えるようになる。
証券会社や銀行、保険会社出身であるIFAは資産形成に有効な金融商品の知識も深く、資産額や運用方針などを考慮した上で、さまざまな商品を提案できる。気軽に相談してみるとよいだろう。
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本記事では、公認会計士の退職金に関する概要、計算方法、税金、運用方法を紹介した。
この記事を通じて、読者の退職金に関する知識が充実し、退職金対策がうまくいくことを切に願う。
退職金の税金や適切な運用方法、労働条件変更時の対策は、IFAに相談が可能だ。幅広い分野でのサポートや適切なアドバイスが受けられる。
「退職金ナビ」を利用すれば全国のIFAにアクセスできるので、信頼できるIFAが見つかったら相談を申し込むとよいだろう。
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