- 401kの仕組みと特徴を知りたい
- 活用方法と注意点を知りたい
- 専門家に相談すべきタイミングを知りたい
確定拠出年金(401k)とは、企業や従業員(あるいは個人)が掛金を毎月拠出し、加入者が自ら年金資産の運用を行う制度だ。
将来受け取れる退職金や年金額は運用結果によって変動するため、掛金をうまく増やして老後の生活に役立てられるかは、自身の運用手腕にかかっている。
本稿では、確定拠出年金(401k)を活用した退職金プランや、確定拠出年金制度のメリット、デメリットを解説する。
✔️退職金ナビ おすすめ!
アドバイザーナビ社が運営する自分に合った退職金の相談相手を無料で探せるマッチングサービス。日経新聞、東洋経済など有名メディアに度々取り上げられている。
確定拠出年金(401k)とは何か
退職金プランの一種
401kとは、確定拠出年金のことで「企業型DC」や「個人型DC」とも呼ばれている。
もともとは米国の確定拠出個人年金制度のことで、401kという呼び名は1978年に改正された「内国歳入法」の401条k項が由来だ。日本の確定拠出年金は、この米国の401kをモデルとしており、「日本版401k」と呼ばれることもある。
日本の確定拠出年金は、2001年10月に制定された。国民年金や厚生年金といった公的年金とは別に、一時金や年金形式で給付が受けられる私的年金制度で、退職金プランのひとつとして導入している企業もある。
確定拠出年金には、企業が拠出する企業型確定拠出年金(企業型DC)と、個人が拠出する個人型確定拠出年金(個人型DC、iDeCo)があり、加入者自身が掛金を運用し、その運用結果をもとに将来の給付額が決まるのが特徴だ。
税制上のメリット
確定拠出年金は掛金拠出時、運用時、受け取り時に、事業主および加入者双方に税制優遇がある。
掛金拠出時においては、事業主掛金は損金算入ができ、加入者掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象となる。また、掛金全額が所得控除の対象となる。
運用中に生じた利益は非課税となり、受け取り時も退職金控除や公的年金等控除の対象となる。
企業の役割と従業員の選択肢
企業が退職金プランとして確定拠出年金制度を導入した場合、事業主は制度設計を行い、掛金を負担する。一方、従業員である加入者は運用のみを行うことになる。
企業が負担した掛金に従業員が掛金を上乗せすることも可能だ。これを「マッチング拠出」といい、従業員が活用するには企業側がマッチング拠出制度を導入する必要がある。
ただし、マッチング拠出中の企業型DC加入者は個人型に加入することができない。企業型DCの加入者は加入限度額、事業主負担を計算して、どの拠出方法が有利なのか事前に計算するとよいだろう。
個人型は本来、事業者、加入者に関係なく、個人が加入できる私的年金制度である。したがって、加入の自由度が高い制度ではあるが、前述のように企業型DCやDB(確定給付企業年金)に加入していると、拠出額に制限を受ける場合がある。
自分で年金を作る選択肢は意外と多いので、各制度を活用して利用できるものがあれば検討してみるのがおすすめだ。
確定拠出年金(401k)を活用する退職金プラン
確定拠出年金で運用したお金は退職後の生活費にもなる大切な資金だ。運用を成功させるには、いくつかのポイントがある。
運用商品を選択するポイント
確定拠出年金では、加入者自身が運用する金融商品を選ぶことになる。
企業型DCの場合は、事業主が契約する運営管理機関が提示するラインナップのなかから、個人型DCの場合は、加入者が口座開設した金融機関が提供するラインナップから選択する。
企業型DCの場合、選択の自由はあるものの、限られたラインナップの中でしか商品を選ぶことができないが、個人型DCの場合は、サービス内容や商品ラインナップを比較しながら運営管理機関も選ぶことができる。
個人型の場合は選択肢が多い分、どこで口座開設をするか、どの商品を購入するか、簡単に決められない場合もあるだろう。長期にわたって自分で運用するのだから、使い勝手がよく、サポートがしっかりしている金融機関を選ぶと安心だ。
リスクとリターンのバランス
金融の世界でいう「リスク」とは、価格のブレのことを指す。つまり、「リスクが大きい」とは、価格の変動幅が大きいことと同義である。
これを踏まえると、目標リターンが高ければ必然的に高いリスクを伴う運用になり、目標リターンが低ければリスクも低くなる。
一般論だが、先進国の債券を中心とした資産配分はリスクが低く、株式などと比較すると値上がり幅は小さい。
一方、株式、新興国の債券などを組み入れるとリターンは高くなるが、同様にリスクが高くなる傾向がある。
リスクとリターンを理解すれば、どの商品を選び、どのように組み合わせるかが自ずと絞られてくる。最初からバランスよく配分されている投資信託もあるので、投資初心者は分散型のファンドを選ぶのもよいだろう。
退職後の受け取り方
確定拠出年金の受け取り方には、次の3つがある。
- 年金
- 一時金
- 年金と一時金の組み合わせ
上記の受け取り方は運営管理機関によって異なるので、確認しておこう。
確定拠出年金は退職所得控除や公的年金等控除の対象となるため、税の優遇措置が受けられる。一時金の場合は退職所得控除、年金で受け取る場合は公的年金等控除の対象となる。
一般的に税のメリットが大きいのは退職所得控除だ。ただし、受け取り方法や金額によっては年金受け取りの方が有利な場合もある。個々のケースで異なるため、事前に計算しておき有利な方を選ぶとよいだろう。
退職時はお金が動きやすい時期でもある。退職金をはじめとして、満期を迎えた個人年金保険など、想定していなかったお金を受け取る可能性もあるので、税金の計算には特に注意しておこう。
退職時に受け取るお金のスケジュールをFPなどに相談しながら、税メリットが十分に受け取れるよう、受け取り時期を調整するのも一案である。
✔️退職金ナビ おすすめ!
アドバイザーナビ社が運営する自分に合った退職金の相談相手を無料で探せるマッチングサービス。日経新聞、東洋経済など有名メディアに度々取り上げられている。
確定拠出年金(401k)を活用する退職金の注意点は?
手数料や運用コスト
企業型DCの場合、口座管理手数料など、ほとんどの手数料は事業主が負担することになる。一方、個人型DCでは企業型DCで企業が負担した費用は個人が支払うことになる。
個人型DCで必要となる手数料は下記のとおりだ。
- 加入・移換時手数料:2,829円
- 加入者手数料:105円(納付の都度)
- 還付手数料:1,048円(還付がされない場合は不要)
- 口座管理手数料
- 給付手数料
- 還付手数料
- 移管手数料
- 上記手数料は運営管理機関(金融機関)によって異なる。
- 信託報酬
- ファンドによって異なる。
早期解約のペナルティ
確定拠出年金は老後の資産形成を目的とした制度である。したがって、60歳までは中途解約ができないのが原則だ。
ただし、やむをえない事情があり、法律に定めた条件にあてはまる場合、60歳未満であっても脱退一時金を受け取れるケースがある。脱退要件は比較的厳しく、拠出の状況に応じて3~7つほどの条件を全て満たす必要があるため、ハードルが高い。
特に個人型DCに加入する場合は、将来にわたって拠出金が捻出できるか、計画しておく必要があるだろう。
適切な資産配分がポイント
確定拠出年金は途中で解約することができない分、毎月の給料などから、いくら拠出するかが、とても重要である。
基本的には長く拠出することを考え、無理のない範囲で拠出額を決めるのがよい。老後のための資産形成なので、できるだけ長く運用を続けたほうが複利効果も得やすく、運用が成功しやすいからだ。
もし、途中で拠出が難しくなった場合は所定の手続きを経て、拠出をストップすることができる。運用の指図は引き続き可能で、再開もできる。
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)との相談の重要性
IFAとは、Independent Financial Advisor の略で、特定の金融機関に属さない「独立系ファイナンシャルアドバイザー」のことである。
証券会社や銀行、保険会社の出身者がほとんどで、さまざまなお金の問題に対応できるのが特徴だ。
専門家の意見が必要な理由
どの金融機関にも属さないIFAは中立的な立場で、お金の相談を受けることができる。さまざまな金融機関の商品を提案できるので、顧客の要望に応えやすいのも特徴だ。
IFAは幅広い金融知識を保有しているが、多くの場合、自分の得意とする専門分野がある。証券出身のIFAなら株式や投資信託、生保出身のIFAなら生命保険など、得意分野に関しては特に深い知識を有している。
IFAに相談するときは出身金融機関や得意とする分野などを、あらかじめ聞いておくのもおすすめだ。
IFAが提供するサービス
IFAは幅広い金融知識を保有しているため、さまざまなお金の問題をワンストップで解決できる。特に退職金など大きなお金が動くときは、経験豊富なIFAに相談して、さまざまな面から退職金の使い道を検討してみるとよいだろう。
多様な金融商品を提案できるIFAなら、顧客にとって適切な商品を提案することができる。特に確定拠出年金で運用するファンドを選ぶときはIFAに相談するのがおすすめだ。
加入者のリスク許容度に応じ、リスクとリターンのバランスを考慮したプランを考えてくれるだろう。実用的なアドバイスを受けられるので、自分に合った運用方法も見つけやすくなる。
注意したいのは、税に関する相談だ。一般的な相談は受けられるが、具体的な税の指南は禁止されている。自分に合った具体的な節税方法を相談したいときは税理士に相談するとよいだろう。
相談のタイミングと方法
IFAへの相談は、お金の相談をしたいと思ったタイミングで連絡するとよい。お金に関する悩みごとは、おおむね相談可能だ。
IFAはIFA専門の会社に所属するか、開業して単独で相談業務をおこなっている場合がある。IFA専門の会社だと、所属しているIFAが多い分、自分に合ったIFAを見つけやすい。
IFAへの相談は敷居が高いように感じるかもしれないが、米国では個人がIFAにアドバイスを求めることは、決して珍しいことではない。いつでもお金の悩みが相談できるアドバイザーがいると、安心して運用にも取り組めるだろう。
確定拠出年金(401k)の相談はIFAへ!
本記事では、確定拠出年金を活用した退職金、活用方法、注意点、IFAに相談するメリットについて解説した。
退職金の活用方法や注意点についてアドバイスが必要なら、確定拠出年金の運用戦略、リスク管理の知識を持つIFAへの相談をおすすめする。
確定拠出年金に関する適切なアドバイスが受けられ、リタイアメントに向けた資金計画が立てられるだろう。
「退職金ナビ」では、自分の相談相手に相応しいIFAを全国から見つけることができる。
今すぐ申し込みをして、IFAとともに退職金活用をうまく進めてほしい。
\あなたにあった退職金アドバイザーを検索/