- 退職金の適切な使い道が知りたい
- どこに相談していいかわからない
- 将来の資産運用について学びたい
退職金をどう使うのが適切か、頭を抱える人は多い。
賞与をはるかに上回る金額を一度に受け取りながら、使い方や運用方法の経験はないため、戸惑ってしまうだろう。
また、退職金に老後の大切な生活資金という側面もある。給与収入がなくなる中、漠然と生活費として切り崩すだけではいつか底をつきてしまう。
老後の生活費に不安を持たずゆとりある生活を送るためには、どうすればいいのだろうか。
本記事では、退職金を賢く使うためのポイントを解説する。重要なのは「退職金を着実に増やし資産寿命を伸ばす」という視点を持つことだ。
そのための具体的な戦略についても紹介する。退職金の活用方法を学びたい方は、本記事を参考に今後の検討材料にしていただきたい。
✔️退職金ナビ おすすめ!
アドバイザーナビ社が運営する自分に合った退職金の相談相手を無料で探せるマッチングサービス。日経新聞、東洋経済など有名メディアに度々取り上げられている。
退職金の基本知識
まずは、退職金の概要と税金について説明する。
退職金の支給基準
退職金の支払いは、法令で定められていない。
労働基準法には、退職金制度を必須とする記載はない。退職金を支給するか、支給の基準、金額については各会社ごとで決定することになっている。支給する場合は、就業規則に次の事項を定めるよう義務付けられている。
- 適用される労働者の範囲
- 退職手当の決定
- 計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
退職金の計算方法
退職金の一般的な計算方法は次のとおりである。
退職金=算定基礎額×一定の支給率+特別加算または減算額
算定基礎額については次のような算出方式がある。
- 基本給連動方式
- 退職時の基本給と勤続年数に応じて算出する
- 定額方式
- 基本給は関係なく勤続年数に応じた支給額とする
- 別テーブル方式
- 在職時の役職や等級などに応じて算出する
- ポイント制方式
- 在職時の人事考課や資格をポイント化し、そのポイントに乗じて決定する
税金・手続きについて
退職金にも所得税と住民税がかかる。しかし退職金は、功労に対する支給という性格があることから税の負担が軽くなるよう配慮されている。
例えば、退職所得は勤続年数に応じた退職所得控除が適用され、2分の1課税の優遇措置も受けられる。課税対象となるのは退職所得控除を差し引いた残りの半分だ。
退職者本人が行う手続きとしては、「退職所得の受給に関する申告書」を会社へ提出する。退職金を受け取る前に提出すれば、あらかじめ退職金の所得税と復興特別所得税が源泉徴収されたうえで退職金が支給される。
提出しない場合は受け取り後に特別請求されるため、確定申告が必要となる。
退職金を賢く使うためのポイント
退職金をただ生活費として切り崩すだけではなく、資産形成の1つとしても活用したい。そのためのポイントを解説する。
消費ではなく投資を意識
退職後は手持ちの資産を充てて生活していく。退職金は、老後の生活を支える大切な資金だ。年々目減りさせるものではなく、老後資金として増やしていく方法を取ることが望ましい。
近年、退職金の減少、平均寿命の伸び、年金受給額の減少など老後を取り巻く問題は多く、老後資金の確保が深刻化している。
金融審議会の市場ワーキング・グループによる「老後資金2,000万円問題」の報告も話題となった。
消費で退職金を切り崩すのではなく、投資により資産として育てていくべきだ。
そのため、預貯金以外の方法で資産を形成することも考えていきたい。
緊急費用の確保
投資の必要性はあるが、退職金すべてを投資するのは危険だ。
投資商品は金利や為替、株価の影響を受ける。運用益によって資産が増えることもあれば、元本割れのリスクがある。資産が目減りすれば老後の資金が減り本末転倒になることも知っておきたい。
老後は病気のリスクも高まってくる。また、住居のリフォームが突然必要になることもあるだろう。
退職金は「当面の生活費」「将来必要になる資金」「万一のときの緊急費用」「特に使い道がない余剰資金」の4つに分けるとよい。投資は余剰資金で手堅く運用するべきだ。
資産運用への取り組み
退職以降は大きな収入が見込めないため、リスクを取りすぎない運用が重要だ。
退職金の運用目的は「老後資産の寿命を伸ばしゆとりある生活をすること」である。その目的に沿った適切な運用を行うために、次の方針を確認しておこう。
- 分散投資
- ある資産の損失を他の資産で補えるよう、複数の運用商品を組み合わせる
- 長期運用
- 一時的な相場の上下に惑わされず、時間をかけて運用していく
- 定期見直し
- 自分にとって必要な運用成果やリスク許容度を都度確認し、商品のバランスを整える
退職金を活用した例
ここでは、実際の退職金の活用例を紹介する。自身の資産状況やライフスタイルに応じて参考にしてほしい。
住宅ローンの一括返済
退職金で残りの住宅ローンを一括返済してしまえば、以降の月々の負担が軽くなる。利息を払わずに済めば支出全体を減らすことも可能だ。
退職によって収入が減ると、今後も支払うべきものがある場合には将来への不安も大きくなる。退職金でローン残債を解消することでそういった心理的負担も減らせるだろう。
ただし、完済することで団体信用保険の保障はなくなるので注意が必要だ。
自己投資・教育費
自分の成長のために時間や労力をかけるのも良いだろう。
自己投資は若いうちに行うというイメージが強いかもしれないが、50代・60代であっても知見を広め思考を豊かにし続けられるものである。むしろ退職後こそ、十分な時間をかけて学び直しができるとも言える。
自己投資をするのであれば、将来的に趣味になる、健康が増進する、資格を活かせるといったリターンがあるものから選ぶと良いだろう。
起業資金としての活用
退職金で長年の夢だった会社を興すという選択もある。起業家と聞くと若い人のイメージがあるが、起業家のうち50代は27.9%、60代は17.5%と多い。シニア起業家として活躍している人は多くいるのだ。
ゼロから始める他に、会社を買う、すなわち後継者不在の優良企業のM&Aで譲り受けるという方法もある。
起業にあたっては入念な資金計画が必要だ。準備をするにあたってIFAといった金融のプロに相談すると良いだろう。
IFA(独立ファイナンシャルアドバイザー)に相談するメリット
IFAとは、特定の金融機関に属さない資産形成のプロだ。退職金活用を相談する際のコツや利用戦略について説明する。
個別のニーズに応じた提案
IFAは金融機関から独立の立場を取っていることから、特定の販売方針や商品を推進する必要がない。そのため公平な立場で顧客の立場に寄り添いニーズに応じた資産形成ができる。
退職金は、それまでには手にする機会がなかった大きな資金だ。そのため、どう使うのが適切か迷う人も多いだろう。
金額の大きさだけではなく、使い方次第で今後の老後資金も大きく変わってくることから、慎重に検討したいものだ。
そのため、相談にじっくりと時間をかけ、幅広いアドバイスが受けられるIFAを利用することも、選択肢として良いだろう。
資産運用のプロフェッショナル
IFAは元金融機関の出身者が多く、その知見と経験を活かして資産形成の提案を行っている。
顧客の資産全体をプランニングしていることから、株式や債券だけでなく、不動産や保険、相続等、対応範囲も広い。
また担当者の変更や転勤がないため、人生の節目で都度相談が可能だ。資産運用を継続的にサポートしてもらえるはずだ。
無料相談が可能
IFAへの相談は基本的に費用がかからない。一部コンサルティング料を設けている場合はあるが、多くの相談やセミナーは無料で実施している。
現在のお金の悩みから将来的な資産形成まで幅広く相談することができる。漠然としたお金に関する不安を持っている場合でも、IFAは分析し、具体化するスキルを持っている。
退職金活用はプロの分析が成功のカギ
本記事では退職金の基本知識、賢く使うためのポイント、具体例などを紹介した。
退職金の使い道にはさまざまな事例がある。いずれ老後の大切な資産を増やす視点で検討することが重要だ。
特定の使い方に偏るのではなく、老後の生活設計やライフイベントに応じてバランスよく組み合わせなければならない。また、定期的に見直しをし資産のメンテナンスをすることも必要だ。
このように大切な老後資金である退職金については、IFAに相談することで適切な使い道や資産運用についてアドバイスが受けられる。
プロによる客観的な分析で、自分に合った投資や資産運用の方法が見つかるだろう。
「退職金ナビ」を利用すれば、自分に合ったIFAを全国から見つけられる。重点的に相談したい内容から探すことも可能だ。
退職金についてIFAに相談し適切な使い道を検討してはいかがだろうか。
\あなたにあった退職金アドバイザーを検索/