- 退職金と財形貯蓄制度の違いが知りたい
- 財形貯蓄制度のメリット・デメリットが分からない
- 退職金と財形貯蓄制度をうまく活用したい
「財形貯蓄制度」「退職金制度」という名前を聞いたことはあっても、実際にどのような貯蓄方法か想像できないという方も多いかもしれない。
結論から述べるのであれば、財形貯蓄制度は「貯蓄したいと思っているけれども、つい支出をしてしまう」という方にはおすすめの制度である。
続いて、退職金制度は数年間かけて資産形成を会社に委ねたい方に向いている制度である。
今回は、財形貯蓄制度と退職金制度に関する基礎知識に加え、そのメリットやデメリットについて詳しく説明していきたいと思う。いずれかの資産形成を検討している方は、ぜひ参考にしてみてほしい。
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財形貯蓄制度とは何か
まずは、財形貯蓄制度の概要、具体的なメリット・デメリットについて解説しよう。
財形貯蓄制度の概要
財形貯蓄とは、サラリーマンが利用可能な貯蓄制度の1つであり、毎月の給与から一定額が自動で天引きされ、積み立てられていくシステムである。
勤労者財産形成促進法に基づき勧められる正式名称は「勤労者財産形成貯蓄制度」だ。その目的は、サラリーマンが財産を形成することである。
財形貯蓄を利用する条件として、勤務先が金融機関や保険会社と提携していることが挙げられる。そのため、金融機関や保険期間に提携していない会社のサラリーマン、フリーランス、社長や役員は財形貯蓄を利用できない。
勤務先が提携している金融機関・保険会社を利用して、勤労者が自由に金融商品を選ぶことができると思われがちだが、勤務先が取り決めた商品に従う必要がある。
そのため、財形貯蓄の商品は勤務先ごとに異なる場合がある。財形貯蓄は以下の3種類に分類され、その目的に応じて積立金と運用商品が異なる。
一般財形貯蓄
一般財形貯蓄は、結婚式や車の購入、引っ越しや旅行の支払いに利用できる用途自由型の貯蓄だ。
一年間分の貯金を積み立てた後、いつでもお金を引き出すことができる。
しかし、一般財形貯蓄は約20%の課税が適用されるため、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄に比べて利子が少ない特徴がある。なお、後述の2つの貯蓄方式と併用することも可能だ。
財形住宅貯蓄や財形年金貯蓄の利子は550万円まで非課税になるため、よりお得となる場合がある。
財形住宅貯蓄
財形住宅貯蓄は、勤労者が住宅の建設、購入、リフォームを目的に貯蓄する制度だ。
財形在宅制度は、新築や中古住宅、そして戸建てやマンション等、住宅の種類を問わず対象になる。
基本的には5年以上の積み立てが必要とされるが、条件を満たす住宅については、5年未満でも払い出しが可能である。また、貯蓄額が550万円を上限に非課税になり、その他の2種類の財形貯蓄と併用することが可能だ。
ただし、同時に利用する場合は財形貯蓄とその他の財形貯蓄を合わせた額が550万円を超えてはいけない点に注意が必要だ。
住宅の取得以外でも払い出し(解約)ができるが、この場合、過去5年分の利子が課税対象となり、追加徴収が必要となることがある点も注意すべき要素だ。
財形年金貯蓄
財形年金貯蓄とは、将来の老後の資金作りを目的として運用可能な積立貯蓄を指す。
受け取り時期は、満60歳以降から5年以上20年以内と定められている。2018年現在、年金の受給開始が65歳以上ということから、生活費補填のために利用することも一般的となりつつある。
また、2種類の財形貯蓄と併用することが可能であり、550万円までの合計金額に関しては利子が非課税とされている。
財形貯蓄制度のメリット
次に、財形貯蓄制度によってもたらされる主なメリットについて解説しよう。
意思が弱くても貯金ができる
財形貯蓄を行う上で重要なポイントは、毎月の給料から一定額を天引きされ、自動的に貯蓄されることだ。
貯金が必要になった場合は、会社を通して引き出すため、衝動的にお金を使ってしまう可能性が低く、浪費せずに済む。
そのため、お金の管理が苦手な方でもストレスを感じることなく実践できるというメリットがある。
550万円までは利息が非課税
普通預金の場合、利子所得は課税対象となる。課税率は約20%に及ぶため、手元におけるお金が少なくなってしまうのは避けられない。
しかし、「財形住宅貯蓄」と「財形年金貯蓄」を利用する場合は550万円までは非課税となる。
しかし、2つの貯蓄方法を併用する場合には、合算金額が550万円を超えると課税対象となってしまう点は注意が必要だ。
財形持家転貸融資制度が受けられる
「財形持家転貸融資」は、長期に渡って低金利を享受できる住宅ローンであり、財形貯蓄のうち3つのプランのいずれかに加入している場合に受けることができる。
この融資には、もともと貯蓄された金額の10倍以内、最高4000万円までの金銭的補助が含まれており、住宅の建設や購入、およびリフォームに必要な費用の90%までをカバーすることができる。
財形持家転貸融資制度を活用するには、財形貯蓄を1年以上継続し、残高が50万円以上あるという2つの条件を満たす必要がある。
財形貯蓄制度のデメリット
続いて、財形貯蓄制度の主なデメリットについて詳しく解説しよう。
引き出し・解約手続きが面倒くさい
お金を引き出す場合は、原則として会社を通した払い出し手続きが必要となる。ま
た、手続きには数日かかるため、急な出費に対処するためには計画を立てる必要があるという手間がある。
引き出しが容易でない=きちんとした場所に資金が置かれている証拠とも言えるが、引き出し・解約の際に時間と手間がかかり面倒であることは事実である。
解約時に課税されることも
「財形住宅貯蓄」または「財形年金貯蓄」は、特定の使用目的が定められている。
その他の用途による解約または払い出しを行う場合は、直近の5年分の課税を受ける可能性があるため、特に留意が必要である。
しかし、「一般財形貯蓄」は利息に課税されるため、何らかの追加課税を受けることはない。
金融商品によっては元本割れする可能性も
「財形貯蓄」の中で保険タイプの金融商品を選択する際には、元本割れの可能性がある点に注意しなければならない。
また、一部の金融機関では「貯蓄を運用し、配当金が得られる」といった説明を行っているが、配当金の額は経済状況に影響を受けるため、期待値を持ち過ぎないように注意が必要だ。
退職金と財形貯蓄制度の違い
続いて、退職金制度の概要について触れていきたいと思う。財形貯蓄制度、退職金制度共に優れた貯蓄制度であることには変わらないが、財形貯蓄制度は労働者自身が負担するものであるのに対し、退職金制度は会社側が掛け金を負担するという明確な違いがある。
退職金制度の概要、メリット、デメリットも知っておくことで、どのような貯蓄方法を取捨選択するべきかを正しく判断できるようになるだろう。まずは、退職金制度の概要から解説したいと思う。
退職金の概要
退職金とは、勤続していた企業から退職者に贈られる手当である。なお、退職金制度は法律で義務化されておらず任意制度であるため、退職金制度を導入していない企業も存在する。
退職金の支払額は企業によって異なり、勤続年数、基本給や役職等に応じて計算される。
支払条件についても企業により様々で、定年退職の場合や自己都合退職、さらには解雇された場合でも支給されることがある。
財形貯蓄制度と退職金の条件の違い
財形貯蓄制度は、自動的に給料から毎月積み立てを行う制度であるのに対し、退職金制度は一般的に企業が拠出する仕組みだ。
財形貯蓄は、最初の一年間貯蓄を行えば好きなタイミングで自由に引き出すことができる。
一方、退職金は企業が定めた就業期間を経過した従業員が退職した際に初めて拠出される慰労金である。そのため、原則としていつでも好きなタイミングで引き出せるものではないのだ。
それぞれの目的と活用方法
前述したように、退職金はそもそも退職しないと支給されないため、それぞれの目的と活用方法は大きく異なる。
財形貯蓄制度は、従業員の結婚や引っ越し、車の購入等のライフステージの変化を迎えた際もお金を準備できるようにすることを目的としている。
そのため、活用方法としては将来的なライフプランを見据えて貯蓄したい金額を定め、毎月コツコツ積み立てていくことをおすすめする。
一方、退職金は長年会社に勤めてくれた従業員が安定した生活を将来送れるようにするために企業から手渡される慰労金の一つだ。
活用方法としては、退職金を受け取った後はすぐに使うのではなく、資金形成に回すことをおすすめする。資金形成の際は、お金のプロフェッショナルへ相談することが最善だ。
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財形貯蓄制度を活用する際の注意点
続いて、財形貯蓄制度を活用する際に注意しておくべき3つのポイントと活用方法を解説しよう。
適切な運用方法を選ぶ
現在、財形貯蓄は低金利状態が続いているため、金利に依存した利回りは期待できない。
利益を求めない方にとっては問題ないが、1〜10%以上の高い利回りを望むのであれば、違う金融商品を検討することをおすすめする。
もちろん、利回りが高い金融商品ほどリスクと向き合う必要があるため、運用の際には事前にリスク管理に十分な注意を払おう。
税制上の注意点
財形貯蓄における最大のメリットは、550万円までの利息が非課税であるという点だ。
しかし、前段落で提示した通り、限度額いっぱいの550万円を1年間預けても、わずか550円の利息しか得られず、20%の課税後では110円しか手元に残らない。
おおよそ缶コーヒー1本分が非課税とは言え、あまり大きなメリットにはならない。
また、現在超低金利が続く中では、非課税という特典が有利とは言えない場合もあるため注意しておこう。
退職後の財形貯蓄制度の取り扱い
転職先に財形貯蓄の規定が設けられている場合は、退職から2年以内に適切な手続きを行うことで移換の申請が可能である。
また、財形住宅貯蓄で貯蓄している場合は、利子に課税されず非課税という措置を引き継ぐことができる。
財形貯蓄制度や退職金の相談はどこにすれば良いか
以上、財形貯蓄制度と退職金制度の違いについてお分かりいただけただろうか。
本記事で触れたように、それぞれ独自のメリット、デメリットが存在するが、どのような貯蓄制度が向いているかは、最終的に個人の資産状況や性格等にも左右される。
自分自身で判断するのも一つの手だが、金融の専門家に相談することが資産形成の勝ちパターンを知るために最も有効な方法だ。
なぜなら、老後に向けた資産形成は数十年間に渡って長期的に行う取り組みであり、今後の社会情勢等によって金融市場も大きく変動する可能性があるため、専門家の知識と経験によるサポートがなければどうしても不安要素が残るからだ。
その上で、本記事でおすすめしたい金融のプロはIFA(フィナンシャルアドバイザー)だ。
IFAは、個人一人ひとりに合ったパーソナライズな提案をしてくれる心強い金融のプロだ。続いて、IFAの役割とメリットについて解説していこう。
IFAの役割とメリット
IFAは、「独立系ファイナンシャル・アドバイザー」と呼ばれる金融商品仲介業者である。IFAは、顧客の相談や商品提案を行い、その後顧客の注文を金融機関(金融商品取引業者)に代理で伝える役割がある。
実際の有価証券の売買や顧客の口座管理は、金融機関が担当することになる。いわば、顧客と金融機関の中間に立ってお金の運用サポートをしてくれる存在といえる。
証券会社等に所属しないIFAは、長期的な視野をもって、顧客の資産運用をサポートしてくれる。このような専門家を味方につけることは、将来の安心したライフプランを組み立てる上で非常に重要だ。
IFAは、顧客と信頼関係を築き、安心して資産運用をサポートしてくれるパートナーと言えるのだ。
IFAによる退職金・財形貯蓄制度の最適活用プランの作成
IFAは、内閣総理大臣に登録された専門家である。
IFAは証券会社やメガバンク等の特定の企業に所属していないため、中立的な視点に立ったアドバイスをくれる存在だ。IFAは金融商品を中心としたお金のプロである。
具体的には、財形貯蓄制度、退職金制度で貯蓄した資産をさらに大きくするための金融商品の提案を始めとして、購入後の資産運用等、その他相談受付等、長期に渡って相談者の資産運用をサポートしてくれる心強い存在だ。
IFAを利用する際の注意点
IFAは、提案商品の販売・運用実績に応じて、商品を提供している会社から手数料をもらう仕組みが敷かれている。そのため、顧客から相談を受けるだけでは相談料がかからない。
ただし、一部のアドバイザーは、2回目以降の相談は有料となる場合があるため注意しておこう。
いずれにしても、お金にまつわるあらゆる悩み相談できるIFAはあなたにとって非常に心強い存在となるだろう。
ここで重要になるアクションが、あなたと相性の良いIFAをいかに見つけるか?という点である。
IFAとは、メガバンクや証券会社等で金融に関する知識と経験を長年培った人材が集まった金融のプロフェッショナルであることは間違いないが、相談者の年齢、性格、価値観等によって、相性の良し悪しが生まれるのは決して不思議ではない。
そのため、相談者にとっていかにミスマッチが少ないかたちでIFAとマッチングできるかが重要である。
そこでおすすめしたいサービスが、「退職金ナビ」だ。
「退職金ナビ」は、相談者とIFAをマッチングさせるサービスである。相談者は自身の資産状況、年齢、性格等の情報を入れるだけで最短60秒でIFAとマッチングできる。
マッチング後は、そのまま相談申込も可能であるため、あなたと相性の良いIFAといち早くお金に関する相談日をセッティングできるのだ。
なお、相談料は原則かからず、金融商品の取り扱いが開始する段階で初めて手数料が発生する。まずは気軽にサービスを利用できる点も退職金ナビのメリットの一つだ。
まとめ
この記事では、財形貯蓄制度と退職金の違い、それぞれのメリット・デメリット、活用方法などを解説した。
理解を深めることができただろうか。しかし理解したとしても、1人で実際に制度を活用していくのは難しいはずだ。
資産形成は数十年に渡って行う取り組みであるからこそ、不明点や不安なことが出てきた際はすぐに相談できる環境をつくることをおすすめしたい。
なぜなら、前述したように今後の社会情勢等によってお金の価値が大きく変わる可能性もあり、それらを個人で解釈・判断するのは非常にハイリスクだからだ。
金融のプロは、相談者が後悔のない資産運用を実現するために今後の金融市場の変動、トレンドをいち早くキャッチアップし、サポートしてくれるだろう。
金融のプロの中でも、幅広い金融商品を取り扱うと同時に、ノルマ等に左右されずフラットな目線で相談者へのサポートが可能なIFAをぜひ頼ってほしい。IFAが持つ確かな経験と知識が、あなたの資産運用を限りなくベストな状態へと近づけてくれるだろう。
後悔のない資産運用にむけて伴走してくれるIFAと出会うために、まずは「退職金ナビ」を活用してみてほしい。
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