退職金の正確な計算方法について〜公務員看護師を例にポイントを解説〜

皆さんは、退職金の計算方法について、詳しく知っているだろうか。

退職金の計算には、いくつか重要なポイントがある。

本記事では、公務員看護師を例に挙げ、退職金の計算方法を徹底解説していく。また、退職金の運用に関する相談先についても説明している為、退職を控える看護師の方はぜひ参考にしてほしい。

退職金に関する法律と制度

退職金の正確な計算方法を知る前に、まず、退職金に関する法律と制度について解説していこう。

「計算方法は知っているけど退職金の概要は分からない・・・」という状態よりも、計算方法・概要の両方を知っておいたほうが退職金に関する不安要素は少なくできるだろう。

具体的な内容は、以下の通りである。

退職金関連の法律

国家公務員には、「国家公務員退職手当法」という法律が適用される。

この法律は、国家公務員が退職した際に支払われる退職金手当の基準を定めることを目的とした法律である。

この法律によって、国家公務員は国が定めた共通の基準で計算された退職手当を受け取ることができる。

退職金手当を計算する際の具体的な基準として挙げられるのは、勤続年数・在籍中の功績・役職等である。一般企業は退職金が義務化されていないが、公務員は退職金が義務化されているのだ。

退職金の支給時期と手続き

複数の企業や管理機関では、退職金を受け取る方法について選択肢が存在する。退職金の支給時期は、給付形態によっても異なる。

退職金を一括で受け取る場合、一括型という方法を選ぶことになる。現在、多くの企業がこの方式を採用している。支払いの時期は勤め先に応じて変わるが、退職後2ヶ月以内に、個人の口座に振り込むことが一般的だ。

一括型は税金優遇制度があるため、金額をすぐに受け取ることで、課税額を低く抑えられる場合がある。分割型で受け取る場合に比べ、課税額を抑えられる可能性が高いことがメリットとなる。

退職金の課税制度

退職金を受け取る場合には、源泉徴収による課税が行われるため、一般的に確定申告は必要ない。

源泉徴収や特別徴収により、所得税や復興特別所得税、住民税が源泉から差し引かれる。

また、退職金は長年勤めた従業員に対して慰労の意を込めて支払われる報酬的給与であることから、勤続年数に比例して決まる「退職所得控除額」によって、税負担が軽くなるように制定されている。

しかし、全ての退職金が非課税になるというわけではない。

なお退職金の課税内容は、退職金の受け取り方によって異なる。まず退職金を全て一括で受け取る「一時金」の場合は、税制の計算上「退職所得」として取り扱われる。

退職所得は「（退職金収入-退職所得控除）×1/2」という計算方法で算出され、他の所得とは分けて税金が計算される。

退職所得控除の算出は勤続年数が基になるため、勤続年数の長さに比例して控除額も大きくなる。

一方、退職金を確定給付型年金（DB）、確定拠出型年金（DC）、厚生年金基金等の年金形式で受け取る場合は、「雑所得（公的年金等）」に分類される。

分割制には、定期的に収入を得られる安心感があること、資産運用の結果次第では一時金で受け取る場合よりも総額が増える可能性があるというメリットがある。

しかし、一時金で受け取る場合よりも税金が多くなる場合、国民健康保険料が増える可能性がある等、思わぬ負担を生む場合もある。

公務員看護師における退職金の相場と計算方法

次に、公務員である看護師が受け取ることができる退職金の相場と計算方法について詳しく解説しよう。

看護師の退職金の相場

一般的に看護師が受け取れる退職金の相場は、勤続年数が3年であれば約30万円、5年であれば30～50万円、10年であれば250〜300万円ほどである。

退職金はこれまで従業員が積み重ねてきた勤務実績に対する報酬として、「退職慰労金」とも呼ばれている。場合によっては、病院への貢献度に応じて金額が調整される場合もある。

なお、全ての看護師が公務員に該当するわけではなく、公務員の看護師と民間の看護師では違いがある。その一番大きな違いとして挙げられるのは、職場である。

まず、公務員看護師の勤め先は、国や地方自治体、公益法人が運営する病院が当てはまる。一方、民間の看護師の勤め先は、医療法人が運営する民間病院や診療所等だ。

運営主体の財源は、公務員看護師が診療報酬と税金であるのに対し、民間看護師は診療報酬と補助金でまかなわれている。

なお公務員看護師は退職金手当が義務化されているが、民間看護師は退職金手当が義務化されていないため、どのような病院に勤めるかによって雇用条件は大きく異なる。

公務員看護師の退職金の相場

公立病院に勤める看護師は地方公務員に該当するため、各地方公共団体の条例に従って定められており、国家公務員退職手当法に基づいて退職金が支給される。

定年退職時の退職金においては、都道府県立病院での支給額は約1,400万円程であり、政令指定都市の公立病院ではさらに高額な場合もある。

退職金の正確な計算方法

国立病院機構看護師の場合

国立病院機構に所属する看護師の退職金は、以下の方法に基づいて計算される。

退職手当額＝月給×退職理由別・勤続年数支給率

退職理由によって異なる支給率が設定されており、退職者の自己都合、定年による退職、業務による傷害に起因する退職などによって少しずつ差異が生じる。

また、勤続年数によっても支給率が異なる。例えば、月給25万円を得て3年で自己都合により退職した場合、支給率は1.5066となり、計算式に基づいて、25×1.5066＝37万円と算出される。

地方公務員看護師の場合

地方公務員看護師の退職金の計算方法は以下のようになる。

退職金＝基本額＋調整額

退職金＝基本額＋調整額基本額とは、月給×退職理由別・勤続年数支給率である。調整額とは、職務内容や勤続年数によって変動する。

参考までに、下記では調整額をまとめている。

勤続年数	退職理由
	自己都合	定年・勧奨	整理退職
1年	0.6	1	1.5
5年	3	5	7.5
10年	6	10	15
15年	12.4	19.375	23.25

退職金計算の注意点

退職金計算において注意すべき点も存在する。具体的には下記の通りである。

退職年数と支給額の関係

退職金の額は、個人の勤続年数や貢献度によって決定される。

一般的に、勤続年数や拠出年数が長いほど退職時に受け取れる金額は多くなる。

病院の規模によって導入している退職金制度も異なるため、退職金の計算方法・増加率が異なることに注意する必要がある。

税金や社会保険料の影響

税金と社会保険料は、退職金を受け取る場合も影響する要素だ。

退職金制度の種類によっては、追加の税金や社会保障費を負担しなければならない場合がある。これらの税金や負担金は、その年に受け取った所得の額、配偶者の有無、加入している退職金制度の種類によって異なる。

退職金を正確に計算するためには、退職金の支給額を計算する際に課税義務の有無や拠出金について認識しておくことが重要だ。

退職時期の選択肢

退職時期を決める場合、タイミングが非常に重要だ。

退職時期が退職金を受け取れるか否かの境界線である場合等に関しては、退職したい気持ちを一度抑えて、退職金をもらえる条件を満たす行動の方が賢明かもしれない。

勤め先によっても退職金をもらえる条件等は異なるため一概には言えないが、先々後悔するかもしれないことを考えた上で、慎重に退職時期を検討することをおすすめする。

看護師の退職金運用はどこに相談すればいいか

国家公務員である看護師は退職金が義務化されているため、安定した老後生活を実現させる上で貴重な収入源を手に入れることができる。

退職金の計算方法も明確に定められているため基本概要は分かりやすいが、退職金運用までは自分で上手くできるか不安という方も少なくはないだろう。

「何も分からないまま投資に回したら大損してしまった・・・」と泣き寝入りする方も少なくはない。

そこでおすすめしたいのが、金融のプロの力を借りることだ。

本記事では、相談者目線に立った適切なアドバイスを提供してくれる独立系ファイナンシャルアドバイザー「IFA」の力を借りることをおすすめしたい。

IFA（独立系ファイナンシャルアドバイザー）とは

IFA（独立系ファイナンシャル・アドバイザー）とは、お金にまつわる専門的な資格を持つ専門職である。

お金の運用に関して正しい判断ができるようにサポートし、顧客が抱えるリスクや税制まで考慮してくれる存在だ。

個々の財務状況やニーズを考慮した上で、資産運用をサポートしてくれる。また、退職後のライフプランを実現するために最も適した金融商品に関するアドバイスも提供してくれる。

IFAが提供できることは

IFAに相談することで、様々なサービスを受けることができる。

IFAは、投資や年金等に関するアドバイスまで提供してくれる存在だ。

また、退職金に対する最も効果的な税金対策についても指導してくれる。さらに、株式、債券、投資信託等といった様々な金融商品に対する理解を深める為のサポートも担っている。

IFAへ相談することで、将来理想とする生活を実現させるために必要な資金のシミュレーション、相性の良い金融商品、運用スケジュール、資産運用のノウハウ提供、プロから見た資産状況の判断等を提供してくれる。

退職金運用はもちろんのこと、IFAはあらゆる視点から判断の上、相談者にとってベストなマネープランの提供が可能である。

IFAに相談することで得られるサポート

IFAは、退職金に関する貴重な知識源を得るためのサポートをしてくれる。

顧客が安定した将来を実現するために、豊富な情報とアドバイスを提供してくれるだろう。さらに、直面する可能性のあるリスクの特定と管理、利用可能な様々な選択肢をフラットな目線からアドバイスしてくれる。

退職金の計算は複雑であり、様々な要因に左右される。

退職年数と支給額の関係、税金や社会保障の負担等を十分に理解することが重要である。

それらの要素を知ることで、退職金を正確に計算し、退職後の計画を立てる際に十分な情報に基づいた決定ができるようになるだろう。

IFAの探し方

IFAを探す際におすすめしたいサービスは、「退職金ナビ」である。

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なおIFAへの相談は無料であり、実際にIFAから提案された金融商品を購入するまではお金もかからない。あなたに合ったIFAをいち早く見つけ、退職金に関する悩み相談からスタートできる点が退職金ナビのメリットである。

まとめ

公務員看護師における退職金の基本概要、計算方法、資産運用について様々なポイントから解説した。

国家公務員退職金手当によって公務員看護師への退職金支給は約束されているため、看護師を引退した後も安定した老後の生活を送る資金源には心配する必要がない。

その上で、より豊かな生活を送る未来を目指すのであれば、資金運用はマストである。

しかし、資産運用はゼロから始めるにはハードルが高い。「何も知らずに資産運用を始めたけど何百万円も損してしまった・・・」という声を挙げる方も少なくはない。

そのような事態を避けるためにも、数ある金融業者の中でも最も中立的な目線で顧客マターのアドバイスを提供してくれるIFAの力を借りると良いだろう。

あなたにマッチしたIFAを知るために、まずは「退職金ナビ」を活用してみてほしい。

あなたの資産状況、年齢、相談したいこと等を入力すれば最短60秒であなたと相性の良いIFAの候補を知ることができる。

無料相談も受け付けているため、まずは気軽に相談するところから始めてみてはいかがだろうか。