【監査法人の退職金】退職金の真実とその対策

監査法人を退職する場合、その勤続年数に応じて退職金が支払われる。

監査法人で働いている多くの公認会計士は高い給与体系を有しているため、退職金も恐らくその高額さに連動するものと考えがちだ。

しかし、監査法人には公認会計士だけでなく、学位取得者やコンサルタント経験者等の多様な職員が勤務しており、給料や退職金の支払い額には差異が開く。

本記事では、公認会計士を始めとする監査法人の従業員が受け取る退職金について詳しく解説する。

監査法人の退職金の仕組みを理解しよう

まずは、監査法人の退職金の仕組みについて一つひとつ理解していこう。具体的には下記の通りだ。

退職金制度の一般的な仕組み

退職金制度とは、従業員が退職する際、これまで長年貢献した職務に基づいて支払われる慰労金である。

現代では、雇用元である会社から支払われるが、支払い元となる機関は退職金制度の設計によって異なる場合がある。

退職金制度には、「社内準備型」、「企業年金型」、「退職金共済型」の3つの主要なタイプが存在する。

これらのタイプは、独自のメリットやデメリットを持っているため、自分の勤め先が導入している退職金制度はどれに該当するのかを把握しておくことが大切である。

監査法人の退職金の特徴

監査法人の従業員が退職する場合は、退職金を受け取ることができる。

監査法人に勤めている公認会計士やその他のスタッフの中でも、公認会計士の方が平均的に高い給与を得るため、それに伴って高額な退職金が払われる。

さらに、監査法人は金融商品取引法監査、会社法監査、学校法人監査等の法定監査を提供する一方、任意の監査サービスや非監査業務も提供しているため、従業員の背景や経歴によっては支払われる退職金の額が異なるという特徴がある。

一般企業と監査法人の退職金の違い

就職先が一般企業か監査法人かによって、退職金の制度や金額に大きな違いが存在する。

監査法人がもらえる退職金の特徴として挙げられるのは、昇進できない従業員はもらえる退職金が低下するという点だ。

昇格できないと退職金が下がるので同じ職位に10年から15年勤め続けると、退職金として積み立てる原資がほとんどなくなってしまうという実態がある。

公認会計士の退職金制度に関しては、社員の仕事に対するモチベーションを維持するための期待や、そもそもの退職金に対する考え方等が影響を及ぼしている。

にもかかわらず、監査法人に勤務する公認会計士の退職金は、一般企業と比較して金額面ではやや安いと指摘されている。

ただし、上場企業に勤務する公認会計士の場合は、会計士だけでなく、他の社員と同様に高額の退職金をもらえる可能性がある。

一般的には、企業勤務者の方が退職金が充実していると言えるが、一般企業でも志向する業種によって差異があるため、就職時には退職金制度を確認することが大切だ。

監査法人の退職金の計算方法を知る

次に、監査法人がもらえる退職金の計算方法について具体的に説明していこう。

基本的な算出方法

監査法人がもらえる退職金は、一般的に月額給与の60〜70％に働いた年数を乗じて算出する。

例えば、スタッフとして3年、シニアスタッフとして2年の経験を有する場合、（30万円×70％×3年）+（40万円×70％×2年）＝ 63万円＋56万円、合計119万円が退職金として支給される。

在籍数や役職での違い

前述したとおり、監査法人に勤める公認会計士の場合、長年同じ職位に留まり続けると、一定期間が経過した後はその職位での退職金が減少する場合がある。

例えば、公認会計士がシニアスタッフの役職に昇進できないまま25年間勤務したと仮定しよう。15年以上同じ職位にいた場合、15年を超えた期間の退職金の給付率は0％になってしまうという制度も存在する。

退職金の計算式は、30万円×3年×70％+ 40万円×15年×70％+ 40万円×10年×0％である。そのため、キャリアアップを通じた昇進ができない場合、退職金に大きく影響が生じる可能性がある。

しかし、一般企業でいう役員と同じ立場であるパートナーになれば話は変わる。

経営者側に立った後に一度退職金を受け取れば、退職後に再度退職金を得られるため、総額が増加することがある。

数年後に監査法人を退職する場合は、退職金が減額する可能性を気にする必要はないが、長期に渡って同じ職位に留まると、同期と比べて大きな差が生じる恐れがあるため注意してほしい。

• 参考：会計業界topics「公認会計士の退職金はどれくらい？安いって本当？」

公認会計士企業年金基金とは

公認会計士企業年金基金は、公認会計士が退職した後の生活補填を目的とした年金制度である。多くの公認会計士の就職先である監査法人が加入している制度となっている。

公認会計士企業年金基金は、日本公認会計士協会を母体に設立された制度であり、公認会計士事務所や監査法人等の加入事業所事業主と加入者が共に運営している。

この基金の特徴の1つとして挙げられるのが、加入後3年未満の場合は給付がないという点だ。

しかし、一度やめても再度加入すれば、退職時の勘定残高を引き継ぐことが可能だ。また、加入期間が3年以上10年未満の場合は脱退一時金を受け取ることができる。

加入期間が10年以上であり、かつ退職時の年齢が60歳未満の場合は、脱退一時金を受け取るか、60歳または65歳からの老齢給付金として受け取るか選択出来る。

公認会計士企業年金基金のもう一つの特筆すべき点は、掛金負担である。

一般企業の場合は社員にも企業年金の掛金を負担している場合もあるが、公認会計士企業年金基金では全額、事業所に負担してもらえる。

監査法人の退職金相場を知る

下記では、監査法人がもらえる退職金相場についてより具体的に解説していこう。

監査法人の退職金相場について

監査法人の退職金の算出方法は、一般的には月給の60〜70％をベースにしている。

一例としては、自己都合の場合の平均支給率が6割程度、会社都合の場合で7割程度とされる。この計算方法は、働いた年数をかけ合わせた金額となる。

例えば、30万円の月収で7割の支給率で働いた期間が3年の場合、また40万円の月収で7割の支給率で働いた期間が4年の場合、30万円×3年×70％+ 40万円4年×70％で175万円という金額が算出される。

このように、退職金の算定方法は一般企業とほぼ同じである。

業界の傾向

今後の動向を考えると、監査法人の数が大幅に減少する可能性は低いと思われる。

その理由として、監査法人が請け負う業務や性質が挙げられる。まず、監査法人の主要業務である会計監査は上場企業等において義務付けられているため、常に高い需要をキープしている。

会計監査は公認会計士の専門分野であるため、監査法人や公認会計士しか携わることができない。

監査が必要なくなるというような大きな変化がなければ、監査法人の減少は考えにくいであろう。

ただし、供給と需要が不均衡になることを避けるため、同業者の増加も適度に抑制される可能性がある。そのため、退職金も含めた給与条件に関して悪い方向へ変化する可能性は極めて低いことが想定できる。

専門性が高い人材が他業界、同業他社へ奪われることを防ぎたいからである。

一般企業よりも高いのか？

結論として、監査法人と一般企業の退職金はほぼ同一である。

退職金の計算方法も同一であり、待遇・福利厚生等の観点からいってもどちらも優劣をつけがたいのが現状だ。

また、監査法人に勤めている公認会計士の場合は同じポジションに長年留まり続けると退職金が低下するという注意点もある。

そのため、監査法人は一般的よりも置かれている職種・ポジションによってもらえる退職金の金額差が生まれやすいという特徴が存在すると言える。

監査法人の退職金相談はどこにするべきか

監査法人に勤めている公認会計士などはお金のプロフェッショナルではあるが、意外と資産運用について詳しくない方も多い。

退職金は金額が大きく適切に活用する必要がある。なぜなら一般的に退職後にまとまったお金が入ってくることは少ないからだ。

大切な退職金はお金の専門家に相談するのが良い。しかし、世の中にはたくさんの専門家がいるので誰に相談をしてよいかわからない方も多いだろう。ズバリおすすめは独立系ファイナンシャルアドバイザーであるIFAに相談をすることだ。

この章ではIFAについて詳しく説明をするので参考にしてほしい。

IFAに退職金運用を相談することで、安心・安定した老後生活を送ることが可能となる。

IFAとは何か

IFAは「Independent Financial Advisor」の略語であり、一般的には独立系ファイナンシャルアドバイザーとして知られている。別名、金融商品仲介業や金融商品仲介業者とも呼ばれている。

IFAは証券会社等といった特定の金融機関に属することなく、投資アドバイスや金融商品の説明等を始めとした、顧客の資産運用をサポートする独立した職業である。

IFAが退職金運用についてどのようにサポートできるか

IFAは、退職金運用に向けて顧客一人ひとりの資産状況や将来的なライフプランを丁寧にヒアリングし、金融商材の提案・運用までワンストップでサポートしてくれる。

金融商材の提案に関しては、「商材ありきの提案をしてくるのではないか」と懸念する人もいるかもしれないが、IFAが置かれている立ち位置においてそのような懸念は生まれない。監査法人勤務の人にも、最適な提案を行うことが可能である。

IFAは、特定の証券会社に在籍していないフリーの身であるため、ノルマ等の制約を持っていない。そのため、顧客のことを第一に考えた提案を行う存在なのだ。

IFAに相談するメリット

IFAは、異なる企業と業務委託契約を交わすことができる。

そのため、前述したように特定の証券会社が販売する商品に囚われることなく、複数の企業の商品を組み合わせることで顧客に最適な金融商品を提案してくれるのだ。

顧客の希望を考慮して、専門知識を持つIFAが最適なバランスを見極めて提案できる点はIFAならではの魅力と言えるだろう。

ご自身に合ったIFAを見つけるには「退職金ナビ」の利用がおすすめだ。退職金ナビには全国の優秀なIFAがたくさん登録しているからだ。

インターネットで簡単に検索のできる「退職金ナビ」をぜひ活用してほしい。

まとめ

この記事では、監査法人の退職金の仕組み、計算方法、退職金の相場について解説している。

監査法人の退職金の仕組みや計算方法を理解することで、より良い決定ができるようになる。監査法人の退職金の仕組みや計算方法を理解することで、より良い決定ができるようになるだろう。

しかし、すべてを自分1人で理解するのはむずかしいはずだ。IFAに相談することで、退職金運用に関する専門的なアドバイスや適切な対策が得られる。IFAに依頼することで、退職金に関する悩みを解消できる可能性が高まるだろう。

IFAによるアドバイスは極めて客観的であり、顧客目線で適切かつ継続的な資産管理を実現できるというメリットが存在する。

しかし、正しいIFAを選ぶことは決して簡単ではないため、自分自身と相性が合う優秀なIFAを見つけることが重要だ。

そのため、IFAを選ぶ際は対応商品の幅広さや実績等を確認することが大切である。

しかし、世の中にはたくさんのIFAがいる。ご自身に合ったIFAを見つけるのは意外と難しい。

「退職金ナビ」を活用するのがよいだろう。「退職金ナビ」には全国の優秀なIFAが多く登録している。ご自身に合ったIFAを見つけることができるだろう。

「退職金ナビ」を利用して安心してIFAに相談し、適切な老後対策を立てていただければ幸いだ

「退職金ナビ」では、信頼できるIFAを紹介しており、安心して相談ができるので、問い合わせしてみてはいかがだろうか。