- 公務員の退職金制度の仕組みを知りたい
- 退職金額の計算方法がわからない
- 退職金受給時の注意点について知りたい
「公務員の退職金はいくらだろう…」このような疑問をお持ちではないだろうか。
公務員の退職金は、法律により定められている。
また、「地方公務員」と「国家公務員」の退職金の違いについて、気になる人もいるのではないだろうか。
そこで本記事では、公務員の「退職金の仕組み」や「計算方法」、「受給時の注意点」などを徹底解説する。
この記事で退職金について理解を深め、活用方法について考えるきっかけとしてもらいたい。
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公務員の退職金の仕組み
公務員が一定期間勤務することで得られる「退職金」。
本章では、一般企業とは異なる「公務員の退職金の仕組み」について、わかりやすく解説していく。
退職金制度の3つの目的
公務員の退職金制度には、以下の3つの目的がある。
- 賃金後払い
- 勤続報償(報償:貢献や努力に報いること)
- 生活保障
退職金が公務員へ支払われるのは、上記の中でも「勤続報償」としての要素がもっとも強いためだとされている。
勤続年数による差異
公務員は、勤続年数の長さに応じて退職金が増える傾向にある。
一般企業とは異なり、公務員は職務内容の評価を数値化して給与へ反映することが難しい。
そのため、年功序列で給与が上がるケースが多く、それに伴い退職金も増加するのだ。
以下のグラフは、地方公務員の退職金平均額を示している。
同じ定年退職者でも、勤続年数が長い方が退職金が多いことがわかる。
具体的には、地方公務員の一般職員の定年退職者の場合、勤続年数が11年〜25年未満より、勤続年数が25年以上の方が退職金が約983万円多い。
地方公務員の平均退職手当額
地方公務員と国家公務員の違い
地方公務員と国家公務員の退職金平均額において、大きな差は生じていない傾向にある。
地方公務員の一般職員で、全地方公共団体の60代定年退職者を対象とした「平均退職金額は約2,123万円」だ。
その一方で、内閣官房内閣人事局の調査によると、国家公務員の定年退職手当平均支給額は「常勤職員が約2,106万円」、「行政職は約2,122万円」となっている。
【国家公務員の退職手当平均支給額】
退職金の計算方法
公務員の退職金は「基本給」「勤続年数」「退職理由」などをもとにして計算される。
次の項目では、公務員の退職金の計算方法について詳しく解説していくので、ぜひご覧いただきたい。
H3 基本給と勤続年数を用いた計算
公務員の退職金の計算式は、次のとおりだ。
以下の表は、公務員の「退職理由別・勤続期間別支給割合」を示している。
公務員の退職理由別・勤続期間別支給割合
また「調整額」は、公務員として勤務していた時の貢献度に応じて退職金の計算時に加算されるものだ。
以下の表は「調整額」月額の一例を示している。
調整額区分表の中から、勤務していた区分のうち、金額が多いものから60月分の調整月額を合計した額が、退職金の計算時に加算される「調整額」となるのだ。
退職金に影響を与える要素
「退職理由」は、公務員の退職金額に影響を与える要素となる。
内閣官房内閣人事局の調査によると、国家公務員の「定年退職者」へ支給される退職金のボリュームゾーンは、2,000万円〜2,500万円未満だ。
具体的には、国家公務員の定年退職者のうち、常勤職員の約55%、行政職の約76%は退職金が2,000万円〜2,500万円未満となっている。
それに比べ、国家公務員が「自己都合で退職」する場合、退職金のボリュームゾーンは500万円未満だ。
自己都合での退職者のうち、常勤職員の約84%、行政職の約77%は退職金が500万円未満である。
常勤職員|国家公務員の退職手当支給額
行政職|国家公務員の退職手当支給額
退職年金との関係
公務員の退職年金は、一般企業の「企業年金」に値する。
2015年9月末までは公務員独自の年金上乗せ制度として「職域加算」があったが、法改定により、
2015年10月1日から職域加算が廃止され「退職年金」が給付されることになったのだ。
なお、退職等年金給付は以下の3種類となっている。
退職等年金給付の種類 | 支給理由 |
---|---|
退職年金 | 公務員の退職 |
公務障害年金 | 公務上の障害 |
公務遺族年金 | 公務上の死亡 |
退職年金を受給するには、次の3つの条件を全て満たす必要がある。
- 公務員として1年以上引き続く勤務期間がある
- 退職している
- 65歳以上
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公務員の退職金受給時の注意点
公務員の退職金は、受け取り方によって税金の種類が異なり、どのような運用方法を選択するかで退職後の生活に大きく影響する。
そのため、公務員が退職金を受給する時は、次の3つに注意しよう。
- 税金
- 一時金と年金の選択
- 運用方法
公務員の退職金受給時の注意点について、詳しく解説していく。
税金の取り扱い
公務員の退職金には、一般企業の退職金と同様に「税金」がかかる。
ただし、退職金を受け取る前に、勤務先へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出しておけば源泉徴収されるため、自身で確定申告をする必要はない。
「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなければ、退職金に20.42%の税金がかかるため、注意しよう。
- 出典:国税庁「退職金と税」
一時金と年金の選択
公務員の退職金の受け取り方法は、一時金として一括か、年金として分割か選べる。
一時金の場合、所得区分は「退職所得」となり、他の所得と分離して課税される。
退職金を一時金として一括で受け取る場合、退職所得の計算は次のとおりだ。
退職金にかかる税金を少なくするために、掛ける1/2として所得を半分にするのだ。
しかし、その一方で退職金を年金として受給することを選択すると、所得区分は「雑所得」となる。
また、老齢厚生年金等と同じ取り扱いとされるため、退職金を年金として受給する場合は総合課税となるのだ。
そのため、公務員の退職金は、年金よりも一時金として受け取った方が、手取りが多くなる傾向にある。
相続や離婚時の対応
退職金を受け取る予定の公務員に万が一のことがあった場合、相続税がかかるケースがある。
具体的には、死亡後3年以内に退職金を受け取る予定があった場合は、退職金は相続財産とみなされるため、相続税の対象となるのだ。
また、離婚する場合、退職金は財産分与の対象とされる。
このように、ライフスタイルの変化に応じて退職金への対応が異なってくるため、自分や家族だけで判断せず一度専門家に相談してみよう。
公務員の退職金相談はどこにするべきか
ここまで、公務員の退職金制度や計算方法、受給時の注意点について解説してきた。
しかし、ここまでお読みいただいた方の中には、「実際に受け取った退職金をどう活用しようか…」と悩んでいる方もいるのではないだろうか。
退職金への疑問を抱えたまま使用方法を決断してしまうと、後悔する可能性がある。
なぜなら、退職金の運用先によっては、すぐに換金することが難しかったり、物価高の影響で価値が下がったりする可能性があるからだ。
退職金に関する悩みは、専門家に相談することで解消されることが期待できる。
専門家の中でも、退職金の相談をするのにおすすめなのは、企業から独立した存在であるIFAだ。
IFAは、企業の営業方針やノルマなどの影響を受けないため、中立的な目線から退職金運用のアドバイスができる。
次の項目では、退職金運用の専門家であるIFAが担う役割について解説していく。
IFAの役割①:退職金運用の最適な方法をアドバイスする
「独立系ファイナンシャルアドバイザー」であるIFAは、特定の金融機関に所属していない。
そのため、金融機関のノルマに基づいた営業や、会社都合の転勤もないので、年月の経過と共に変わゆく相談者の悩みに長期に渡って寄り添い、アドバイスをすることが可能だ。
IFAに相談すると、退職金の最適な運用方法についてアドバイスが受けられる。
以下の図は、運用方法ごとに異なるリスクとリターンの傾向を示したものだ。
公務員の退職金とは別に、日常生活や将来に備えた預貯金があり、子育てや住宅ローンがひと段落している方であれば、リターンを狙って「ミドルリスク ミドルリターン」や「ハイリスク ハイリターン」の退職金運用を検討してもいいだろう。
しかし、公務員を退職した後、資産のメインは退職金だけという方は、リスク許容度を低くしてリスクとリターンのバランスを取ることをおすすめする。
なぜなら、リスクとリターンは比例しているため、ハイリターンの退職金運用はリスクも高くなる傾向にあるからだ。
ハイリスクハイリターンの運用で利益が出ているときはよいのだが、保有している運用先の価格が下落した場合、資産が減少する恐れがある。
退職金をどのように活用するかは、あなたの退職金以外の預貯金額や、ライフスタイル、将来の目標などによって異なるため、専門家であるIFAに相談しよう。
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)は、退職金の専門家の視点から、あなたのニーズやライフスタイルに沿った運用方法をオーダーメイドで提案してくれる。
IFAの役割②:退職金受給後の生活設計を支援
公益財団法人生命保険文化センターが2022年に行った「生活保障に関する調査」によると、退職後の夫婦が最低限の生活を営むには「毎月約23万円」が必要だとされている。
また、趣味や旅行などを楽しむゆとりある老後を過ごすには「毎月約38万円」かかるそうだ。
公務員として得た退職金をどのように活かしたら、あなたが希望する老後の生活を送ることができるのか、保有している金融資産のリスクとリターンのバランスも踏まえて、退職金の運用方法を検討する必要がある。
退職金運用に関して、ライフスタイルや資産状況に応じてリスクとリターンのバランスが取れているのか把握するには、金融や経済の専門知識が不可欠だ。
IFAに相談することで、退職後の生活設計が立てやすくなる。
なぜなら、退職金を受給した後の生活設計について、金融や経済の知識を備えた退職金の専門家としての視点から、客観的なアドバイスを受けられるからだ。
IFAによるアドバイスの重要性
金融庁の金融審議会によると、退職前後は退職した後の長い人生を考慮して、「金融資産の目減り防止」や「計画的な資産の取り崩し」に向けて行動する時期だとされている。
なお、生活を取り巻く経済や社会の動向は日々変化しており、退職者にかかわる法律や税制が改定されることもあるため、退職金について正しい選択を行うには、最新情報を踏まえたうえで検討する必要がある
IFAは退職金の専門家としてさまざまな情報を備えているため、公務員の退職金運用について相談者の要望に沿った最適なアドバイスを提供できる。
「退職金ナビ」では、お住まいの都道府県と年齢を選択するだけで、60秒ほどであなたに合ったIFAを検索できる。
公務員の退職金運用についての疑問や悩みを「IFAに無料で相談できる」ため、ぜひ利用してみてはいかがだろうか。
まとめ
公務員の退職金は、一般企業と異なり法律により定められている。
勤続年数が長いほど退職金額が増える傾向にあり、自己都合より定年退職の方が退職金が多く支給されやすい。
また、日本人の平均寿命の延びに伴い、退職後の生活が長くなることが予想される。
そのため、退職金は受け取った後こそ、適切に管理し自分のライフスタイルに合った運用を行うことが大切だ。
退職金を適切に管理できないと、退職後に長く続くであろう老後生活を乗り切ることが困難になる可能性があるため注意が必要だ。
しかし、一人で退職金を管理するには、金融や経済などの専門知識が不可欠である。
また、変わりゆく税制や制度についても理解しておく必要があるため「一人で退職金を管理するのは難しい」と感じる方が多い。
退職金運用に関する疑問や悩みを解消するのに、特におすすめなのはIFAだ。
IFAは金融や経済の専門知識を備えた「退職金の専門家」であるため、公務員の退職金運用に関する疑問について、相談者のニーズに応じた的確なアドバイスを提供できる。
そのため、IFAに相談すると、退職金受給後の生活設計が立てやすくなるのだ。
マッチングサイトである「退職金ナビ」では、あなたに合ったIFAを探して気軽に相談できるサービスを提供している。
希望条件を入力するだけで、簡単に適切なIFAを探し出してくれるので、一度試してみてほしい。
公務員の退職金を老後の生活に活かせるように、退職金の専門家であるIFAに悩みや疑問を相談してみてはいかがだろうか。
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