- 理学療法士の退職金に関する情報を得たい
- 退職金の活用方法を知りたい
- 退職金の受け取り方について知りたい
退職金は、長年勤めた従業員に対して会社から慰労の意を込めて支払われるボーナスの一環だ。
退職後も安定した生活を送る上で退職金は非常に重要な役割を果たすことは間違いない。
本記事では、理学療法士が受け取る退職金に関する詳細について詳しく解説していく。退職が近づく理学療法士の方は、ぜひ参考にしてもらいたい。
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退職金の基本知識
そもそも退職金とはどういう制度なのだろうか。
概要について説明する。
退職金の計算方法と要素
退職金の計算方法は、以下の通りである。
1つ目の計算パターンは、最もシンプルで分かりやすい計算方法である。
仮に基本給が25万円で勤続年数が5年の場合は、受け取れる退職金は125万円となる。
固定金というのは、病院側があらかじめ定めている固定の金額である。
年収のように変動するものではないため、このパターンで退職金を計算する病院に勤めている場合は勤続年数の長さに比例して退職金が大きくなる。
仮に固定金額が15万円で勤続年数が3年の場合は、受け取れる退職金は45万円となる。
一般的に、退職金の計算方法として最も多く導入されているものがパターン③だ。
給付率は病院によって定められているため、退職金を計算する際はチェックしておくと良い。一般的には自己都合の退職で60%、会社都合の退職で70%と給付率が異なっている。
企業ごとの退職金制度の違い
退職金とは、従業員が企業から退職する際に支払われる金銭または物品の報酬を指す。
退職金は定年退職を迎えた従業員に支払われるものであると考えられているが、自己都合による退職、解雇、または死亡による退職などの場合にも支払われる場合がある。
法的に義務付けられているものではないため、企業によっては支給しない場合もある。従って、退職金が必ず支払われるとは限らないことを了承しておく必要がある。
また、退職金制度がある企業でも、退職金の支払条件は就業規則によって大きく異なる。
従って、条件を満たしていない場合は退職金が支払われないことがあるため、注意が必要だ。
労働条件による退職金額の変動
退職金の支給額を減額するために、企業側が一方的に就業規則を改定することは労働条件の不利益変更にあたる。
労働契約法第9条においても、就業規則の変更によって労働条件を不利益に変更することは禁止されている。
一方、同法第10条では、変更後の就業規則の受け入れについて労働者に周知させること、変更後の就業規則の内容や労働条件の変更の必要性、労働組合等との交渉の状況、不利益の程度等を考慮すること、変更後の内容が合理的である場合は合意が求められることが規定されている。
つまり、変更後の就業規則が内容として合理的である場合は、企業側が一方的に労働条件を変更することが許容される。
退職金の受け取り方と税金対策
ここまでの説明で、退職金の制度概要について理解できたと思う。
前項目で解説した退職金の計算方法は病院によって規定が異なるため、勤め先の病院はどの計算方法を取り入れているかを必ず確認しよう。
次に、実際に退職金を受け取る上で必要となる退職金の受け取り方と税金対策の方法について解説したいと思う。退職金の受け取り方はパターン別にメリットが異なるため、どのメリットを重視して退職金を受け取るかの判断が非常に重要だからだ。
また、退職金はまとまった金額であることが多いため、いかに有益な税金対策を図るかによって、将来的な資金形成にも影響が出る。下記より専門用語がいくつか続くが、必ずポイントとして押さえておいてほしい。
一時金と年金の選択
退職金には、企業型確定拠出年金を含めた二つの受け取り方法がある。
「一時金」は一度に全額を受け取る方法であり、「年金」は複数回に分割して受け取る方法だ。両方の受け取り方法には、受け取り方の違いだけでなく税金の扱いも異なってくる。
一時金の場合は退職所得として所得税・住民税がかかるが、年金の場合は雑所得として所得税・住民税がかかる。
一時金として、年金として受け取る方法のいずれかを選択する際、双方のメリット・デメリットを十分に比較検討する必要がある。
まず、一時金として退職金を手にする大きなメリットは、税負担を抑えられる点だ。通常の場合、所得には税金が課せられるが、退職金を一時金として受け取った場合は「退職所得」とみなされ、税制上で優遇される。退職所得控除額は勤続年数の長さに比例して大きくなるため、勤続年数が長ければ長いほど、税制において非常に大きなメリットを享受できる。
一方、デメリットとして挙げられるのは退職年金よりも手取り額が少なくなる点だ。
退職年金の場合は、金融機関が退職金を受け取るまでの期間を使って資金運用を行うため、一般的には受取額が増える。
続いて、退職年金について解説しよう。メリットは前述したように、金融機関による資産運用によって受け取り額がアップする点だ。受け取り期間を長期にすればするほど、受け取り額を大きくすることができる。
一方、デメリットとして挙げられるのは税制対策を打てない点だ。一時金が税制上で優遇されるのに対して、退職年金には優遇措置が適用されない。
毎年受け取る退職年金は「雑所得」として計算されるため、公的年金やアルバイト・パート代等の他の収入に加えて、税金・社会保険料がアップする恐れがある。
このように、一時金と退職年金にはそれぞれ異なったメリット・デメリットが存在する。いずれかを選択する際は、退職金を受け取った後の働き方や資金運用の有無等をふまえて比較検討すると良いだろう。
税金対策としての確定拠出年金(iDeCo)
退職金を受け取った後、いかに有益な税金対策を図るかによって退職金のメリットを最大限享受できる。
退職金の税金対策として有効な方法が、「個人型確定拠出年金(iDeCo)」だ。
個人型確定拠出年金(iDeCo)とは、個人が掛金を出して、自ら運用することで、老後資金を作る年金制度である。
本項目では、個人型確定拠出年金(iDeCo)の主なメリットについて解説しよう。
掛け金が全額所得控除され所得税・住民税が安くなる
まず、掛金を「小規模企業共済等掛金控除」の対象にすることが可能だ。そのため、所得から掛金全額を引いた課税所得が計算され、所得税と住民税を抑えることができる。
年末調整時に会社へ申請することで、この控除を利用することができる。
運用益に税金がかからない
確定拠出年金(iDeCo)の運用益には、税金がかからない。
定期預金や投資信託の利息や運用益には原則として20.315%の税金がかかるが、確定拠出年金(iDeCo)の運用益はこの課税対象外となる。
一時金・年金受取時の税金が安くなる
3つ目の節税効果は、確定拠出年金(iDeCo)を受け取る際の税金を抑えられる点である。
- 確定拠出年金(iDeCo)で一時金を請け取った場合:退職所得が控除される
- 確定拠出年金(iDeCo)で退職年金を受け取った場合:公的年金が控除される
確定拠出年金(iDeCo)で一時金、退職年金を受け取る際は所得税がかかるが、上記の控除を受けることができるため、所得税を軽減させることができる。
退職金に関する税金の計算方法
退職金における「所得税および復興特別所得税」という税金を計算するには、支給された退職金のうち課税対象となる金額(課税退職所得金額)を求める必要がある。
課税退職所得金額は、退職金額から勤続年数に応じた退職所得控除額を差し引いた残りの金額の半分を意味する。この金額を算出するための式は次の通りだ。
以上の課税退職所得金額に、所定の所得税率を乗じて控除額を差し引いた金額が所得税額となる。注意すべきは、使用する所得税率および控除額は税法で課税退職所得金額に応じて規定されている点だ。
- 退職金の所得税額=課税退職所得金額×所得税率-控除額
- 復興特別所得税の計算方法:上の計算式で算出された所得税額(基準所得税額)に2.1%の税率を乗じて算出
- 復興特別所得税額=基準所得税額(1)×2.1%
上記(1)と(2)を足した金額が、「所得税および復興特別所得税額」として納付すべき金額だ。課税退職所得金額を計算する時の「退職所得控除額」は、勤続年数が20年を境に計算式が異なる。
勤続年数 | 退職所得控除額 |
---|---|
20年以下 | 40万円×勤続年数 ※合計が80万円に満たない場合は80万円 |
20年超 | 800万円+70万円×(勤続年数-20年) |
なお、勤続年数に1年未満の端数がある場合は端数を切り上げ年単位とする。例えば、「10年と1ヵ月」の場合、端数切り上げで「11年」となる。
「住民税」は、課税退職所得金額に住民税率を乗じることで算出できる。住民税率は、都道府県民税が4%、市区町村税が6%の一律10%と定められている。下記は具体的な計算式だ。
なお、退職所得控除額および課税退職所得金額については、所得税の場合と同じ計算方法が適用される。従って、所得税の計算過程で算出した金額を、住民税の計算でも利用することができる。
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退職金を増やす方法と注意点
続いて、退職金を増やす具体的な方法と注意すべき点について詳しく解説していこう。
勤続年数と昇給の影響
一般的に、勤続年数の長さは退職金の大きさに比例する。
そもそも退職金は長年勤めた従業員に対する慰労の意を込めたボーナスのようなものであるため、一般的に勤続年数が短ければ短いほど、退職金の額面は小さくなる。
そのため、退職金を増やしたいのであれば、会社が就業規則内で定義している退職金の計算方法に基づいて、最低限積む必要がある勤続年数をあらかじめ把握することをおすすめする。
また、退職金の他にも昇給制度が敷かれている場合は両方のメリットを享受できる可能性がある。
長年勤めながら昇給を狙うことで、毎月安定した収入を得ながら給与額も上げることができる。さらに、いずれ退職時に受け取る退職金の額面も大きくすることができる。
いずれにしても、退職金の額面を大きくしたいのであれば、勤続年数の長さは原則必須だ。
労働組合や労働協定の役割
退職金の交渉を行う上で、労働組合は非常に重要な役割を担っている。具体的には、労働組合は賃金交渉を始めとして、労働者の権利を守るための役割が敷かれている。
労働組合に紐づいている企業で勤めている労働者は、退職金や企業年金を受け取る権利を平等に得ることができる。
万が一、賃金未払い等の不利益が生じた場合、労働者が労働組合に相談することで、未払いの残業代に関する会社への交渉を労働組合に任せることができる。
給与だけでなく、就業規則に退職金制度が敷かれている場合は退職金に関する交渉も一任することができる。
また、一時金の減額が合理的な理由なしに行われた場合、労働組合は会社に対して慎重な協議を申し出ることが可能だ。
さらに、労働組合は従業員が不利益な扱いを受けている場合、会社が適切な対応をしているか否かを確認する役割も果たしている。
集団的交渉によって、労働者と使用者の交渉力格差を解消し、より良い労働条件を獲得することが労働協定の目的である。
退職金以外の資金を増やすことも検討する
理学療法士はもらえる退職金の金額が少ないため、退職金以外の資金を増やす選択肢も視野に入れておくと良いだろう。
ここでおすすめしたいのが、2024年から新しい制度になる「NISA」だ。NISAとは「少額投資非課税制度」のことであり、NISAを通して投資信託を購入すれば毎年360万円までの投資による運用益が非課税となる。
NISAは最大1,800万円分を非課税で運用できる。金融庁が定める条件をクリアした金融商品のみ対象であるため、初心者でも安心して投資を始められるだろう。
前述した確定拠出年金(iDeCo)は積立可能な年齢が60歳までという制限があるが、つみたてNISAには年齢制限が敷かれていない。何歳からでも投資をスタートできる手軽さが人気のポイントである。
理学療法士の退職金相談はどこにするべきか
以上、理学療法士が退職金を受け取る際に押さえておきたいポイントについて解説した。
退職金はほとんどの場合、一生に一度しか手に入れられないものであるため、自己流ではなかなか運用をすることは難しい。
そのため、理学療法士の退職金について十分な知識を持ったプロの力を借りることを強くおすすめする。
本記事でおすすめしたいお金のプロフェッショナルは、お金にまつわるあらゆる知識と経験を持ち、フラットな目線で適切なアドバイスをくだしてくれるIFA(フィナンシャルアドバイザー)だ。
IFAとは
IFAは、金融機関から独立した、退職金運用に関する専門家である。
IFAにアドバイスを委ねることで、正確かつフラットな視点から見た適切なアドバイスを受けることができる。
ネット上でも退職金に関する情報は調べられるが、中には不適切な情報も存在する。正しい情報を得る上で、プロへアドバイスを求めることが最も正しい選択だ。
一人一人に合わせた退職金運用のプラン形成
IFAのメリットは、相談者一人ひとりにマッチしたオーダーメイド型のプランを提供できる点だ。
退職金にまつわる悩みは相談者が身を置く環境によってそれぞれ異なるため、IFAによる提案プランの幅広さは、満足度の高い退職金運用を実現できる可能性に直結する。
IFAは特定の金融機関に所属せず独立した専門家であるため、ノルマ等の影響を一切受けずにフラットな目線に立って相談者にとってベストなプラン提供が可能なのだ。
「退職金ナビ」で条件に合ったIFAを見つけよう
最後に、IFAへ実際に退職金について相談する際に必要な手順について解説しよう。
IFAへ相談する際は、「退職金ナビ」というサイトを通して自分に合ったIFAを検索すると良い。退職金ナビとは、名の通り退職金について悩みを抱える方とIFAをつなぐマッチングサービスだ。
年齢・金融資産・相談内容等を入力するだけで、自分に合ったIFAが自動判断される。面談を希望する際はそのまま申し込むことができるため、退職金に関する相談をスピーディーに行うことができる。
なお相談料は原則かからず、金融商品の取引が開始した段階で初めて手数料が発生する。
まずは悩み相談からスタートし、自分との相性が良い頼れるIFAを探してみると良いだろう。
まとめ
この記事では、理学療法士の退職金計算方法や税金対策、増額交渉のポイントなどを詳しく解説している。
退職金の計算方法や税金対策、増額交渉のポイントについての理解が深まったのではないだろうか。しかしすべてを1人で理解するのはむずかしいはずだ。
だからこそ、お金にまつわるプロの力を借りることで退職金に関する悩みを確実に解決し、満足度の高い資産運用のノウハウを見つけてみてほしい。
ひとえにお金にまつわるプロといっても様々なパターンが挙げられるが、本記事では独立系ファイナンシャルアドバイザーと呼ばれる「IFA」の力を借りることをおすすめする。
IFAは中立的な立ち位置で、相談者一人ひとりに寄り添ったマネープランが可能な存在だ。多角的な視点から相談者の悩みを一つひとつ紐解き、ベストな資産運用の方法を正しく教えてくれるだろう。
IFAがそれらを実現できる理由は、特定の金融機関に属さない独立したポジションに身を置いていること、そして長年培ってきたお金にまつわる確かな知識と経験値だ。
まずは、自分にベストマッチなIFAを探すためのプラットフォーム「退職金ナビ」を通して、お金に関するあらゆる悩みを話せる相談相手を見つけてみてほしい。退職金以外のことも含めて、将来的な資産運用について幅広く相談できるだろう。
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