- 国家公務員の退職金の計算方法を知りたい
- 退職金の受取時期や条件が知りたい
- 退職金を最大限に活用する方法を知りたい
退職金は、長年にわたる職務の履行に対する感謝の印として退職時に支払われる手当だ。
退職金の額は勤続年数や職務内容に応じて異なるが、国家公務員においても同様に適用される。
本記事では、国家公務員の種類や勤続年数に応じた退職金の金額差異について徹底解説していく。
国家公務員を目指しているが退職金の概要までは知らない方、国家公務員として働いているが将来どのような条件で退職金をもらえるか不安な方は、ぜひ一読していただき退職金にまつわる不安要素をクリアにしてほしい。
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国家公務員の退職金とは?基本概念を理解しよう
まずは、国家公務員の退職金にまつわる基本概念について理解していこう。
国家公務員の種類と退職金の違い
国家公務員について
国家公務員になるには、各省庁で運営される試験に合格し、採用候補者名簿に登録される必要がある。また、官庁訪問と呼ばれる面接をクリアすることも必要である。
国家公務員は、大臣や国会議員、裁判官・裁判所職員、防衛省職員・自衛隊員等が該当する特別職と、行政職や外交官、税務署職等の一般職の2つに分かれている。
なお退職手当は、特別職・一般職の区分にかかわらず、「司法・立法・行政全ての国家公務員のうち、常時勤務に服することを要する職員及びこれに準ずるもの」に適用される。
令和5年度の国家公務員は約59万人(特別職29.8万人、一般職29.2万人(令和5年度末予算定員))という人数配分である。
退職金の違い
国家公務員が受け取る退職金は、国家公務員の退職手当法に基づいて支払われる。
退職金の支払い額は、基本金額に調整金額を加えたものである。基本金額は、退職者の俸給月額に退職理由、勤続期間別に定められた支給率をかけて算出される。
そのため、勤続年数が長いほど支給率が増加する。ただし、勤続43年以上の退職者は支給率は全員に一律で47.709となる。
また、退職理由によって支給率は変動する。
自己都合退職の場合、他の理由よりも支給率が低くなる。
平均的な退職金額は、31年以上の勤続期間でおよそ2300万円、35年以上になると2500万円以上と言われている。
一方、同じ勤続年数で民間企業を退職した場合は退職金として約2000万円とされている。
国家公務員は、特別な理由がない限り自己都合退職でも必ず退職金が支払われるため、金銭的に特別な待遇を受けていると言えるのだ。
退職金の計算方法
内閣官房のホームページでは、国家公務員の退職金は以下の計算式で一律に算出できるとある。
退職手当=基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続年数別支給率)+調整額
国家公務員の給与に関する法律においては、「俸給表」として定義されている。
このように定義されている背景としてあるのは、国家公務員の給与は税金を財源としているため、恣意的に支払われてはならないという考えである。
退職金支給の対象となる退職事由
国家公務員の退職金は退職手当法により、退職金が規定されている。民間企業と異なり、勤続年数が1年以上あれば退職手当の支払い対象となる。
別軸で「退職理由別の支給率」というものがあり、これは退職理由や勤続年数の長さに応じて退職金を調整するための割合である。
支給率は下記図で示されており、自己都合で退職した場合には定年・勧奨に比べて支払額が低くなる。
勤続年数 | 自己都合(%) | 定年・勧奨(%) |
1年 | 0.5022 | 0.837 |
5年 | 2.511 | 4.185 |
10年 | 5.022 | 8.37 |
15年 | 10.3788 | 12.9735 |
20年 | 19.6695 | 19.6695 |
25年 | 33.75 | 28.0395 |
30年 | 41.25 | 34.7355 |
上記の規定により、調整額は退職前に所属した役職区分に基づき算定され、退職金の調整に利用される。
自己都合による退職の場合、勤続年数が9年以下の場合には調整額は支給されない。勤続年数が10年から24年の場合は、調整額の支給が半額となる。
公務員の場合、9年以上の勤続年数があれば、自己都合による退職でも退職金の支給がある。
ただし、定年退職する場合と比較すると、支給される退職金は大幅に減額される。
退職金の受け取り時期や条件を把握しよう
続いて、退職金の受け取り時期や退職金を受け取れる条件等について解説していこう。
退職金の受け取り時期
国家公務員が退職金を受け取れるタイミングは、退職後の翌月中である。
例えば、3月31日に退職した場合は、4月中に退職金の支払いが行われる。
公務員が退職する際には、所定の法律によって決定された規則に従って退職金が支給される。
国家公務員の場合、退職金の支払いは「国家公務員退職手当法」、地方公務員の場合は「地方自治法」によって規定されている。
受け取り条件
国家公務員が退職した場合は、勤続年数1年以上あれば退職金を受け取ることができる。ただし、勤続年数1年未満の場合は、自己都合で退職された場合には「退職時の棒給月額×0.5022」の割合が支払われる。
また、在職期間に1年未満の端数がある場合は、6ヶ月未満は切り下げ、6ヶ月以上は切り上げて計算される。
そのため、正確には在職期間が6ヶ月以上あれば、勤続年数が1年として退職金を受け取ることができる。なお、この計算方法に関して在職年数の除算期間は考慮されていない。
退職金の非課税限度額と課税方法
退職時には、勤続年数に応じて、退職所得控除が適用される。
この控除額は、勤続年数が1年未満の場合でも1年として計算される。
勤続20年までは年間40万円、21年目からは年間70万円ずつ退職所得控除が積み上げられ、勤続10年であれば控除額は800万円、勤続30年であれば1,500万円となる。
退職金の額が退職所得控除額の範囲内に収まる場合は非課税となるが、退職所得控除額を超過した場合は、超過分の半分が課税対象となる。
この課税される退職所得金額には所得税率が適用され、退職所得控除額を差し引いた金額が所得税として課せられる。
課税退職所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円から1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円から3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円から6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円から8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円から17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円から39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
また、所得税額の2.1%が復興特別所得税として課される。住民税は課税所得に対して一律10%という数値が定められている。
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退職金を最大限活用する方法
国家公務員の退職金に関する概要や、計算方法についてわかってもらえただろうか。
では、受け取った退職金を有効活用するにはどうしたら良いのだろうか。この章でポイントを解説していくので理解を深めていこう。
資産把握と資金計画の策定を行う
安定した老後の生活を送るために、所持する資産状況を正しく把握することは必要不可欠な取り組みだ。
さらに言うと、資産状況の把握はあくまで必要最低限のスタートラインであり、資産状況を正しく把握した後は資産運用のプランニングを行い、実行する必要がある。
リスク分散を行うために複数の運用方法を取り入れることの他、運用金を複数の金融商品へ分散させる等、専門性の高いテクニカルなアクションが必要となる。
税金対策の重要性
税金対策も、退職後の生活設計において重要な役割を担っている。
支払わなければならない税金を正しく把握した上で税金対策を行うことで、無駄な税金を払ってしまい、後々後悔してしまう状況を避けることができる。
例えば所得控除や税額控除等を活用することで、法律を厳守しながら節税効果を狙うことができる。
また、効率的な資産運用を行うこと、節税効果のある年金制度や非課税投資制度を上手に活用することも有効な手法の一つである。
退職金活用のプロに相談する
退職金制度の専門家は、退職金制度の活用において貴重なアドバイスや指導を提供してくれる。
退職金制度の種類や、それぞれのメリット・デメリットを理解する手助けをしてくれるはずだ。
世の中にはお金にまつわる様々なプロが存在するが、今回おすすめしたいのはIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の力を借りることだ。IFAは、あらゆる投資方法と活用法について理解するための手助けをしてくれる存在である。
国家公務員の退職金相談はどこにするべきか
ここまでの話を通して、国家公務員が受け取れる退職金の概要、計算方法、受け取り時期等のポイントがお分かりいただけただろうか。
国家公務員も民間企業と同様に、勤続年数や年収、退職理由等によってもらえる退職金の金額は変動する。
その大原則は変わることがないが、退職金を受け取った後の資産運用のポイントや注意点は今後の金融市場の状況によって変動するものだ。
だからこそ、自己判断でむやみに動かず、金融のプロの力を借りることを強くおすすめする。
それが、後悔のない資産運用の最短ルートとなるだろう。本記事がおすすめしたい金融のプロとは、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と呼ばれるIFAだ。
IFAとは
IFAは、あなたにとって安定したライフプランを将来的に実現するために、退職貯蓄口座、社会保障制度、その他の財源を利用すべきかどうかを正しく判断する手助けをしてくれる存在だ。
さらに、税金対策等に関するアドバイスも強みとしており、いわばお金にまつわるあらゆる相談ができる金融のプロフェッショナルだ。
IFAのメリット
前述したように、専門家に相談することで退職金に関する理解を深めることができる。それと同時に、税金対策等に関しても理解が深まり、結果として資産運用全般に関して理解度を上げることが可能だ。
理解が深まることで、適切な税金対策の取捨選択等も自然とできるようになる。
もしくは、頼りにしている専門家に相談しながら慎重に手段の取捨選択を図るのも一つの手だろう。
安心して退職金問題を解決できる
専門家からアドバイスを仰ぐことで、退職金問題を解決でき、退職後の計画を安心して立てることができるだろう。
正しい知識を得て理解を深めることで、退職金に関する最善策を選択することが可能だ。退職金にまつわる情報はネットや本でも調べることができるが、インプット・アウトプットする時間的工数を考えるとやや効率が悪い。
また、ネットの場合は誤った情報も多くはびこっているデメリットも存在する。効率面と信頼性の高さをふまえても、専門家に直接相談する方法がもっとも良いと考える。
IFAに相談するメリットの1つ目は、IFAが持つ金融に関する豊富な知識と経験値の信頼度の高さだ。
IFAは、証券会社かメガバンク等で長年経験を積み、金融にまつわる豊富な知識を得た者しか到達できないプロフェッショナル領域だ。
証券会社、メガバンク等の特定の領域にのみ属したプロに相談する場合より、知識と経験の引き出しが圧倒的に違うと言える。IFAは、金融に関する相談において、適切な情報を提供できるスキルを持つプロフェッショナルなのだ。
また、IFAは証券会社、銀行等の特定の場所に身を置かない独立したアドバイザーである。
そのため、営業ノルマ等に左右されることなく、相談者の悩みに沿ったベストな提案をフラットに提供できる強みがある。
豊富な知識と経験値に基づいて、相談者の悩み解決にもっとも高いオーダーメイドなマネープランを提案できる存在である。
IFAの探し方
IFAを選ぶ方法は、知人・友人からの紹介やSNS等、様々な方法が挙げられる。
気軽な方法も取捨選択しやすい時代ではあるが、ここで考えてみてほしいのがIFAの力を借りる最終ゴールである。
IFAは、あなたの安定した将来を実現させるために長期間付き合い続けることになるパートナーだ。知識、経験の豊富さはもちろん重視したいが、あなた自身との相性の良さも重視したいポイントではないだろうか。
個人個人によって資産状況、年齢、性格は全く異なるため、「ミスマッチのないIFA探し」が非常に重要なポイントであると認識してほしい。
その上で、本記事ではIFAと相談者をつなぐマッチングサービス「退職金ナビ」の利用を強くおすすめしたい。
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まとめ
以上、国家公務員が受け取れる退職金の概要について幅広く解説した。
国家公務員の退職金は民間企業と同様に、勤続年数・給与・退職理由等によって変動し、退職金をもらえるタイミングに関しても原則として退職日の翌月末である。
国家公務員がもらえる退職金は民間企業と比べてもやや高水準であるため、退職金をもらった後、いかに後悔のない資産運用を行うか否かが満足度の高い生活を送れるかを左右するだろう。
だからこそ、金融のプロであるIFAの力を借りることを一つの選択肢として前向きに検討してみてほしい。
IFAに相談することで、退職金に関する疑問や不安をスピーディーに解決することができる。
IFAに依頼することで、年金選択や税金対策を適切に行うことができるため、退職金を後悔のないかたちで最大限活用できるだろう。
IFAは、お金にまつわる相談を無料で受け付けてくれている。まずは相談をしてみて、今抱えている疑問や不安を解決してみてはいかがだろうか。その一歩が、あなたの安心した将来を形づけていくための大きなヒントになるだろう。
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