- 役員退職金に関する情報を集めたい
- 役員退職金の相場について知りたい
- 企業や業界ごとの違いを把握したい
役員退職金は役員が退職するときに支給する退職金だ。退職金規定の有無にかかわらず、株主総会や取締役会の決議を経て支給することもできる。
役員退職金の支給は税制上のメリットが多く、うまく活用すれば高い節税効果が見込める。
効果的な退職金支給を実現するためには、役員退職金の相場を理解しておき、適正な金額の退職金を支給することが必要だ。
本記事では役員退職金の相場や適正金額の計算方法、退職金支給のメリットやデメリットなどを解説する。
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役員退職金の相場を知る
役員退職金の相場とは?
役員退職金は、企業の規模や売上、本人の会社への貢献度、在任年数、退任時の報酬月額などによって大きく変わる。
役員退職金額の基準は定められておらず、役員退職金はそれぞれの企業の退職金規定等に沿って支給される。そのため、役員退職金の幅がおのずと広くなるのが現状だ。
一方、税務面から役員退職金を考えると、適切な額の退職金を支払うことが必要となる。不当に高額な退職金を支給したと評価されると、損金に算入することができないためだ。
現実的には同業種の平均や事業規模、本人の勤続年数や役職などに応じて、適切な額を計算して支給することになる。
役職別の退職金の相場は?
エヌエヌ生命が2020年3月に実施したアンケート(全国の企業の役員・管理職10,000万人を対象)によると、「役位別の役員退職金の平均支給額」は下記のとおりだ。
社長:約2,476万円
取締役:約1,685万円
監査役:約1,150万円
退職金相場に影響する要因
退職金相場に影響する要因には、企業規模、学歴、勤続年数、退職理由、業種などが挙げられる。たとえば、多くの場合、大企業の退職金は中小企業よりも高くなり、高卒より大卒のほうが高額だ。
「令和3年賃金事情等総合調査(確報)」「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)」から、企業別の定年退職金を比較してみよう。
大企業 大学卒:22,304千円
中小企業 大学卒:10,918千円
大企業と中小企業の差は実に1,000万円以上にのぼる。企業規模が異なるので、資本金や従業員規模、売上が異なるのは当然だが、経営者や役員の退職金も一般社員の退職金と同様で、企業規模に影響される可能性は高いだろう。
- 「令和3年賃金事情等総合調査(確報)」は、資本金5億円以上かつ労働者1,000人以上の事業所(介護施設は労働者100人以上の社会福祉法人)を対象にした調査
役員退職金の計算方法
役員退職金の算出方法は各企業によって異なるが、一般的に広く用いられているのは「功績倍率法」だ。ここからは役員退職金の計算方法を解説する。
計算方法は主に2種類
役員退職金を計算するとき、主に使用されるのが「功績倍率法」と「1年当たり平均法」である。一般的に広く使用されているのは功績倍率法だ。
役員退職金=最終月額役員報酬×在任年数×功績倍率
役員退職金 = 類似法人の退職給与の1年当たり平均額×勤続年数
役員退職金と基本給&在職期間の関連性
功績倍率法は「最終月額役員報酬」を用いて算出するため、厳密には基本給とは異なるものの、月額報酬を考慮した仕組みだ。したがって、月額役員報酬が高く設定されていれば退職金額も増大する。
一方、功績倍率法、一年あたり平均額法、ともに在任年数、あるいは役員勤続年数を乗じるため、役員勤続年数が長ければ長いほど、退職金額が増える仕組みになっている。
それぞれの計算方法の注意点
最終報酬月額を用いて計算する「功績倍率法」は、役員の月額報酬が著しく低く設定されているとき、あるいは無報酬の場合、適切な計算をすることができない。
この場合、代わりに使用するのが一年あたり平均額法だ。一年あたり平均額法は、退職金額の算出に月額報酬額は必要ないため、無報酬でも退職金支給のための計算ができる。
ただし、一年あたり平均額法にも注意点がある。類似法人の退職給与を把握する方法だ。同業種の退職金データは入手しにくく、データ集などで客観的な情報を収集する必要がある。
税務調査などで退職金額が過大と指摘されないよう、データの出所を明らかにして退職金額の算出根拠が適切かどうか、税理士と確認しておくとよいだろう。
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役員退職金のメリット・デメリット
役員退職金のメリット
役員退職金を支払うことで、企業側にも役員側にもメリットが生じる。
企業側のメリットは、全額を損金に算入でき法人税の節税につながる点だ。また、役員退職金に関して、企業は社会保険料を納める必要がない。これもメリットといえるだろう。
また、退職金を受け取る側にもメリットがある。退職金は長年の功労に対する報償、老後の生活保障などの意味があるため、税制優遇がある。
退職金は他の所得とは分離され、退職所得控除の対象となる。さらに2分の1課税によって、所得税の負担が軽減される。
(収入金額-退職所得控除額)×1/2
ただし、役員としての勤続年数が5年以下の場合は2分の1課税は適用されないので注意が必要だ。
役員退職金のデメリット
役員退職金は一般の職員よりも大きな額の退職金が支給される。そのため、会社のキャッシュフローが一時的でも悪化する可能性がある。
また、損金算入する予定で役員退職金を支給したにもかかわらず、退職金額が過大と判断されると税務調査で否認される可能性が高い。
せっかくの節税のチャンスを逃さないように、法人保険などを活用して退職金を積み立てたり、役員退職金の支給に備えて退職金規定を整備しておくことが必要だ。
退職金制度を変更するときの注意点
時代の流れとともに、退職金制度を見直したいと考える経営者もいるかもしれない。
退職金制度を廃止、あるいは退職金の減額を検討している場合、労働条件の不利益変更に該当する可能性が高いので、変更や減額は慎重に行おう。
廃止・変更をするならば、原則として、その変更に合理性があること、従業員からの同意を得ることが必要だ。基本給やボーナスの増額など、代替の措置を講じておくのもひとつの方法だ。
退職金支給が負担にならないように、法人保険や確定拠出年金を活用した退職金準備の方法もある。掛け金を損金に算入できる場合もあるので節税にもつながりやすい。
共済制度などと組み合わせるときは、どのようなプランが効果的か、IFAなどに相談してみるのもよいだろう。
IFAが解決できる役員退職金の悩み
IFAとは、特定の金融機関に属さない「独立系ファイナンシャルアドバイザー」のことである。ほとんどのIFAが証券会社や銀行、保険会社の出身者で、さまざまなお金の問題に対応できるのが特徴だ。
退職金の最適な対策の策定
IFAは幅広い金融知識を保有しているため、さまざまなお金の問題をワンストップで解決できる。特に退職金など大きなお金が動くときは、経験豊富なIFAに相談して、さまざまな面から退職金の使い道を検討してみるとよいだろう。
多様な金融商品を提案できるIFAなら、顧客にとって適切な商品を提案することができる。特に法人保険や確定拠出年金で退職金を準備するときはIFAに相談するとよい。
加入者のリスク許容度に応じ、リスクとリターンのバランスを考慮した商品を提案してくれるだろう。
IFA分析による資産の見直し
確定拠出年金や法人保険で準備する退職金は、運用状況に応じて定期的な見直しをおこなうことがある。
特に、確定拠出年金制度で運用する投資信託は、市況の影響を受けて日々価格が変動する。高い運用成果が出せるよう、年1回程度はポートフォリオを見直して、ファンドの入れ替えをおこなうことも必要だ。
自分で見直しをする自信がないときは、迷わずIFAに相談するとよい。現状のポートフォリオを分析して、さまざまな角度からアドバイスをしてくれるので、自身の知識の向上にも役立つだろう。
専門的なアドバイスによる悩み解消
IFAは証券会社、銀行、保険会社の金融機関出身者が多い。そのため、なかには法人向けの提案業務を専門とするIFAも存在する。
法人向けのアドバイス業務は個人向けの資産運用業務よりも、幅広い知識が必要となる。そのため、専門的なアドバイスを受けたい場合は、IFAのバックグラウンドも一緒に確認しておこう。
いつでも相談できるお金の専門家がいると、企業経営のいろいろな場面で役立つことも多い。お金に関する困りごとはIFAに相談して早めに解消しよう。
IFAへの相談は「退職金ナビ」がおすすめ!
本記事では、役員退職金の相場、計算方法、メリットやデメリットについて解説した。
IFAは独自の分析により、企業規模や業界別の退職金相場を顧客にアドバイスできるため、相談者は役員退職金の相場を把握し、最適な対策を立てることができる。資産の見直しや退職金に関する悩みも解決可能だ。
IFAの検索には「退職金ナビ」を活用してみよう。全国のIFAを自分で検索できるので、安心して相談できるのがメリットだ。
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