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退職金の謎を解明!消防士が知るべき退職金の計算方法と増やすコツ

この記事で解決できるお悩み
  • 消防士の退職金の計算方法を知りたい
  • 退職金を増やすためのポイントを知りたい

消防士は地方公務員であるため、退職金は各地方公共団体の条例に基づいた計算方法で支給される

また、地方公務員としての退職金だけでなく、1963年に消防士の処遇改善のために創設された「退職報償金」も支給されるため、他の地方公務員と比べやや退職金額が高くなるケースもある。

本記事では「消防士の退職金の計算方法」「増やすコツ」についてわかりやすく解説していく。

消防士を退職した後の生活について計画を立てるために、ぜひ参考にしてみてはいかがだろうか。

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目次

消防士の退職金の基本的な計算方法

消防士の退職金の基本的な計算方法 退職金ナビ

消防士の退職金は、各地方公共団体の条例に基づいた計算方法で支給される。

基本的には、他の地方公務員と同様に「基本給」と「勤続年数」、「退職理由」に基づいて計算する

まずは、消防士の退職金の基本的な計算方法について解説していく。

勤続年数と基本給に基づく計算

消防士は地方公務員であるため、退職金は地方公務員法により「勤続年数」と「基本給」に基づき計算する。

消防士の退職金計算式

出典:総務省「地方公務員の退職手当制度について」

退職手当の計算のうち、基本額に足す「調整額」については、後述している「退職手当の調整額区分表の例」をご覧いただきたい。

退職手当の調整額区分表では調整月額を示しており、役職が高くなるほど金額が多くなっている

それにより、調整額を計算する際は、勤続年数のうち在籍していたときの役職が高く金額が多いものから60カ月分を合計する

なお以下の表は、消防士の退職金計算に用いる「支給率」を示したものだ。

消防士の勤続年数が長くなるほど、退職金額が多くなるように支給率が設定されている。

勤続年数・退職理由別|消防士の退職金 支給率

出典:総務省「地方公務員の退職手当制度について」

また、自己都合よりも、定年退職の方が支給率が高くなっており退職金額が多くなる傾向にある。

消防士の退職金計算で、基本額に加えられる「調整額」は、勤務先の地方自治体により異なり、一例は以下のとおりとなっている。

出典:人事院「退職手当制度の概要」

調整額の区分例

出典:人事院「退職手当制度の概要」
出典:総務省「地方公務員の退職手当制度について」

職位や役職による差異

地方公務員としての退職金に加え、市町村から退職する消防士に対し、長年の労苦に報いるための功労金として「退職報償金」が支給される

以下は、2023年に退職する消防士へ支給される「退職報償金」を示した表だ。

ご覧いただくとわかるとおり、消防士の職位や役職が高いほど、退職報償金の支給額が多い

階級別|2023年に退職する消防士へ支給される「退職報償金」

スクロールできます
階級名勤続年数5年以上10年未満勤続年数10年以上15年未満勤続年数15年以上20年未満勤続年数20年以上25年未満勤続年数25年以上30年未満勤続年数30年以上
団長23万9,000円34万4,000円45万9,000円59万4,000円77万9,000円97万9,000円
副団長22万9,000円32万9,000円42万9,000円53万4,000円70万9,000円90万9,000円
分団長21万9,000円31万8,000円41万3,000円51万3,000円65万9,000円84万9,000円
副分団長21万4,000円30万3,000円38万8,000円47万8,000円62万4,000円80万9,000円
部長20万4,000円28万3,000円35万8,000円43万8,000円56万4,000円73万4,000円
班長20万4,000円28万3,000円35万8,000円43万8,000円56万4,000円73万4,000円
団員20万円26万4,000円33万4,000円40万9,000円51万9,000円68万9,000円
出典:消防団員等公務災害補償等共済基金「退職報償金」

「退職報償金」市町村の条例に基づき、階級と勤続年数の算定により退職する消防士へ支給される

以下の表は2021年に退職した消防士へ支給された「退職報償金」を示しており、2023年の支給額と変わっていないことがわかる。

出典:総務省消防庁「報酬・手当について」
出典:総務省消防庁「令和元年版 消防白書」出典:消防団員等公務災害補償等共済基金「退職報償金」

退職金の支給時期と手続き

消防士の退職金は、地方自治法の規定により、勤務先の地方公共団体の条例で定められている。

各地方公共団体の条例では、特別な事情を除き、消防士が退職した日から1カ月以内に退職金が支給されることになっている。

退職日から1カ月以内に支給されない特別な事情とは、死亡などによる退職で、退職金を受け取る人が誰になるのかはっきりと知ることができないケースだ。

また退職する際は、退職金が支給される前に勤務先へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出しよう。

「退職所得の受給に関する申告書」を事前に提出しておけば、退職所得控除が適用され節税できるうえに、確定申告が不要となる。

提出し忘れると退職金の20.42%が源泉徴収されるため、自身で確定申告を行い所得税を精算しなければならない。

消防士の退職金増額のポイントと注意点

消防士の退職金増額のポイントと注意点 退職金ナビ

退職後の生活のために「退職金を増額させたい」と考える人は多い。

  • 昇任試験
  • 退職金制度の変更
  • 確定拠出年金

以上のポイントと注意点を抑えることで、消防士の退職金の増額が期待できる

昇給や昇格を意識する

消防士の、地方公務員としての退職金は基本給に基づいて計算するため、昇給により基本給が増えることで退職金が増額する傾向にある。

昇給を目指すには昇格する必要があるため、退職金の増額を目指す消防士の方は昇任試験を受けるといいだろう。

なお、昇任試験の内容や、受けられるまでの期間は各地方自治体ごとに異なり、筆記、論文、面接にそれぞれ合格しなければならない。

また「職位や役職による差異」で上述したとおり、消防士には退職金だけでなく、市町村から「退職報償金」も支給される

退職報償金は、勤続年数が長く役職が高いほど多く支給される傾向にあるため、「退職金を多くもらいたい」という消防士の方は昇任試験に合格して昇格を目指そう

退職金制度の変更に注意

消防士の退職金は、地方公務員の「退職金制度」に基づき支給される。

定年の引き上げや給与の変動があると、消防士の退職金額に影響するため、退職金の計算をする際は、退職金制度に変更がないか確認しよう。

消防士(地方公務員)の定年の現状は、以下のとおりだ。

出典:総務省消防庁消防・救急課「定年引上げに伴う消防本部の課題について」

なお、消防士の定年は次の表が示すとおり、2031年までに段階的に引き上げられることになっている。

出典:総務省消防庁消防・救急課「定年引上げに伴う消防本部の課題について」

確定拠出年金の活用

確定拠出年金は「iDeCo(イデコ)」とも呼ばれ、自分で掛金を支払い運用して、60歳以降に受け取る資金を準備するための制度だ。

以前は、公務員である消防士は確定拠出年金に加入できなかったが、2017年1月に法改正され加入できるようになった

退職後にできるだけ多くの資金を受け取りたい消防士の方は、確定拠出年金に加入してはいかがだろうか。

消防士の確定拠出年金のポイント
  • 掛金は月々5,000円~で、1,000円単位で自由に設定可能
  • 2024年11月まで、掛金の上限毎月1万2,000円(年額14万4,000円)
  • 2024年12月から、掛金の上限毎月2万円(年額24万円)
  • 運用商品は自分で決める
  • 運用で得た金額は、原則60歳以降に受け取れる
  • 受け取り方法は、一時金、年金、一時金と年金の併用から選べる

確定拠出年金の受給開始年齢

出典:iDeCo公式サイト「iDeCo(イデコ)の仕組み」

確定拠出年金の掛金は「全額所得控除」であるため節税になるだけでなく、本来なら運用益にかかる20.315%の税金が非課税となる。

また、受け取り方法が年金なら「公的年金等控除」一時金であれば「退職所得控除」が適用され、受取時に一定額まで非課税となるメリットがある。

そのため、2020年3月末〜2023年5月末までの3年間で、確定拠出年金の加入者は約139万人も増加した。

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消防士の退職金の税金対策と節税方法

消防士の退職金の税金対策と節税方法 退職金ナビ

税金対策や節税方法により、消防士の退職金の手取り額が異なる。

次は、退職金にかかる税金の計算方法や、税率について解説していく。

節税対策の基本

節税対策の基本は、消防士の退職金に対して退職所得控除を行うことだ。

なぜ、退職所得控除が節税対策に重要なのかというと、消防士の退職所得が多いほど税率は高くなるからだ。

そのため、まずは退職所得控除を行い消防士の退職所得を下げたうえで支払う税金を低減させて節税しよう。

勤続年数が20年以下の消防士の場合

40万円 × 勤続年数 = 退職所得控除の金額

もし、上記の計算方法で80万円に満たない場合は、退職所得控除の金額を80万円とする。

勤続年数が20年超の消防士の場合

800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年)=退職所得控除の金額

なお、消防士としての勤続年数が1年に満たない場合の端数は、切り上げて計算しよう。

一時所得としての税率

消防士の退職金を一括(一時金)で受け取る場合、一時所得としての税率が適用される。

具体的には、消防士が一括で受け取る退職金は「退職所得」となり、他の所得と分けて、退職所得に対して課税されるのだ。

一括で受け取る場合、退職金に多額の税金がかからないように配慮されており、以下のとおり退職所得が半分になるよう計算する。

消防士の退職所得 = (退職金一時金 - 退職所得控除の金額) × 1/2

一時金の退職所得にかかる詳しい税率は、次の「所得税と住民税の計算方法」で解説する。

所得税と住民税の計算方法

「消防士の退職金にかかる所得税や住民税」は、あらかじめ退職所得控除をした後の金額に対して課税される

消防士の退職金にかかる「所得税」は、以下の税額表と計算式に基づいて計算する。

消防士の退職金にかかる所得税 = 課税退職所得金額 × 税率 - 控除額

所得税の税額表|消防士の退職金

課税退職所得金額税率控除額
1,000円~194万9,000円5%0円
195万円~329万9,000円10%9万7,500円
330万円~649万9,000円20%42万7,500円
695万円~899万9,000円23%63万6,000円
900万円~1,799万9,000円33%153万6,000円
1,800万円~3,999万9,000円40%279万6,000円
4,000万円以上45%479万6,000円
出典:国税庁「退職金と税」

また、消防士の退職金にかかる住民税は、退職金額にかかわらず一律10%となっており、次の計算式で求められる。

消防士の退職金にかかる住民税=退職所得 × 10%

なお、住民税10%の内訳は、道府県民税(都民税)4%、市町村民税(特別区民税)6%となっている。

消防士の退職金計画の相談先はどこにするべきか

消防士の退職金計画の相談先はどこにするべきか 退職金ナビ

ここまで、消防士の退職金について解説してきたが、あなたは退職金の計画をきちんと立てているだろうか

厚生労働省によると、65歳の日本人の平均余命は、男性「約20年」女性「約25年」となっている。

退職後に長く続くであろう老後の生活に備えるには、退職金を活用した資産運用と資産形成が必要不可欠である。

ただ、資産運用と形成には、確定拠出年金などの制度や株式等金融商品に対する多種多様の専門知識が不可欠であり、一人で勉強して専門知識を得るには多大な時間や労力を要する。

これらの問題は、専門家に相談することで解決することが期待できる。

その中でもおすすめなのは、退職金運用の専門家であるIFAだ。

ここからはIFAが、消防士の退職金計画に役立つ理由について解説していく。

退職金計算の専門知識を持つIFA

自分や家族だけで退職金の計画を立てるのもいいが、疑問や悩みを解決していないまま決断してしまうと、あとで後悔する可能性が高まるため気を付けよう

以下のグラフは、公益財団法人生命保険文化センターが中高年の「金融や保険に関する知識量」を調査したもので、60代以上の人の正答率は13.4%〜56.4%という残念な結果となっている。

出典:公益財団法人生命保険文化センター「ライフマネジメントに関する高齢者の意識調査」

IFAは退職金の専門家で、独立系ファイナンシャルアドバイザーとも呼ばれている。

日本証券業協会による「証券外務員資格」を保有したうえで、「財務局の許可」「内閣総理大臣の登録」を受けないと、IFAにはなれない。

安心して退職後の生活を迎えられるように「退職金の専門家」であるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)消防士の退職金の計算を依頼したり、疑問や悩みを相談したりしてはいかがだろうか。

独自の節税対策やアドバイス

「退職金制度の変更に注意」や「 確定拠出年金の活用」で前述したとおり、税制や法改正をきちんと把握しなければ、節税対策をしたり退職金計画を立てたりすることは難しい。

IFAは、金融や経済の専門知識を備えた退職金の専門家で、他の専門家とは異なる特徴は以下のとおりだ。

IFA|他の専門家と異なる特徴
  • 特定の金融機関に所属していない
  • 転勤がない

そのため、IFAに退職金についての相談をすると、金融機関ごとに異なる営業方針の影響を受けることなく、相談者のニーズに寄り添った的確なアドバイスが受けられる。

また、IFAには転勤がないため、ライフスタイルの変化と共に生じるさまざまな悩みについて相談できる。

このように、IFAに退職金計画を相談すると、税制や法改定を踏まえた最新の節税対策や、金融や経済に精通した退職金の専門家としての視点ならではの役立つアドバイスが受けられるので、ぜひ活用してはいかがだろうか。

退職後のライフプランニングのサポート

以下のグラフは、厚生労働省が2021年に発表した「65歳の平均余命」を示している。

出典:公益財団法人生命保険文化センター「リスクに備えるための生活設計」

IFAに退職金計画について相談すると、長期的に資産運用を支援したり、中立的な立場で最適な金融商品を提案してもらえたりするなど、退職後のライフプランニングのサポートが受けられる。

ライフプランニングとは、生活について計画を立てることだ。

ライフプランニングと聞くとFP(ファイナンシャルプランナー)をイメージする人もいるだろう。

IFAはFPと異なり、ライフプランに合った金融商品を直接相談者に提案することができる。

退職後は、現役時代のように毎月まとまった給与を得ることが難しい傾向にある。

もし60歳で退職するなら、男性は約25年、女性だと約30年の余命があるため、老後を健やかに過ごせるように、IFAに相談して退職金の計画を立てておこう

消防士の退職金の計算節税対策運用方法について悩んでいる方は、退職金ナビの活用がおすすめだ。

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あなたのお住まいの都道府県と年齢を選択するだけで、1分ほど60秒であなたに合ったIFAを探せるので、ぜひ利用してみてはいかがだろうか。

まとめ

まとめ 退職金ナビ

本記事では、消防士の退職金の「基本的な計算方法」「増額のポイント」「節税対策」を中心に解説した。

消防士の退職金に関する制度は改定されることがあるため、自分に合った選択ができるように、計算方法や税制などについては定期的に確認するようにしよう。

退職金の活用には、専門家が必要である。

なぜなら、退職金の計算節税対策ライフプランに沿った運用方法を行うには、専門知識が不可欠だからだ。

専門家の中でも、退職金の相談先として特におすすめなのはIFAである。

IFAは特定の金融機関に属しておらず、転勤がないという特徴があるため、消防士の退職金運用を支える心強い味方になるだろう。

「退職金の専門家」であるIFAに相談することで、退職金の計算や節税対策といった金融や経済の専門家ならではの「専門的なアドバイス」だけでなく、退職後の人生設計に沿った退職金の使い道や運用方法のアドバイスなど「ライフプランニングのサポート」も受けられる。

退職金ナビでは、あなたに合ったIFAを探して無料で相談できるので、ぜひ利用してみてはいかがだろうか。

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執筆者

退職金の相談相手 検索サービス「退職金ナビ」を運営する。
「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンにIFA業界のプラットフォームとして、総合コンサルティング事業を展開している。

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