- 零細企業での退職金相場を知りたい
- 退職金計算の方法が分からない
- 退職金に関する専門的な知識が欲しい
零細企業の退職金の相場は業種によって大きく異なる。この記事では、零細企業の退職金相場や、退職金の計算方法、退職金の運用に関する悩みを解決する方法について解説していく。
今の勤務先で退職金がどれくらい受け取れるのか?退職金を運用するにはどうしたら良いか知りたい方は、ぜひ最後までお読みいただきたい。
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零細企業における退職金制度の概要
零細企業がどれくらいの割合で退職金制度を用意しているだろうか?またどのような退職金制度を用意しているのだろうか?
零細企業における退職金制度の概要を紹介する。
零細企業の定義と特徴
資本金がいくらか?従業員数が何名か?など零細企業に法律上の明確な定義は存在しない。しかし一般的には、中小企業基本法で定められている小規模企業者が零細企業と解釈される。
中小企業基本法によると、小規模企業者は、常時使用する従業員の数がおおむね20人以上(商業またはサービス業に属する事業を主たる事業として営む者は5人)以下の事業者を指す。
国内に存在する企業約359万社のうち、小規模企業は約305万社。国内企業の約85%が小規模企業に該当する。
また全従業員数、約4,679万人に対して、小規模企業の従業員数は約1,044万人。おおよそ全従業員の5人に1人が小規模企業に勤務していることになる。
- 出典:中小企業庁事業環境部調査室 市区町村別中小企業数、・都道府県・大都市別企業数、常用雇用者数、従業者数(2023年6月調査)
退職金制度の種類と基本原則
退職金の支払いは、法律で定められているわけではない。しかし新型コロナ禍から経済が回復傾向にある中、零細企業は深刻な人材不足の課題を抱えている。
優秀な人材の採用や、従業員の離職を防ぐためにも退職金制度を充実させる零細企業は、今後増えていくだろう。
零細企業における退職金制度の現状
零細企業の退職金事情について見ていこう。
企業の規模別 退職金制度準備状況
従業員数 | 集計企業数(社) | 退職金制度あり(社) | 退職金制度なし(社) | 無回答(社) |
---|---|---|---|---|
従業員数 | 集計企業数(社) | 退職金制度あり(社) | 退職金制度なし(社) | 無回答(社) |
10~49人 | 642 | 415(64.6) | 226(35.2) | 1(0.2) |
50~99人 | 225 | 186(82.7) | 38(16.9) | 1(0.4) |
100~299人 | 145 | 123(84.8) | 22(15.2) | – |
出典:東京都産業労働局 中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)Ⅲ.集計表 第7表 退職金制度(2023年6月調査)
退職金制度ありと答えた企業向け 採用している退職金制度
従業員数 | 退職金ありと回答した企業数(社) | 退職一時金のみ | 退職一時金と退職年金の併用 | 退職年金のみ |
---|---|---|---|---|
10~49人 | 415 | 330(79.5) | 72(17.3) | 13(3.1) |
50~99人 | 186 | 141(75.8) | 34(18.3) | 11(5.9) |
100~299人 | 123 | 54(43.9) | 58(47.2) | 11(8.9) |
出典:東京都産業労働局 中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)Ⅲ.集計表 第7表 退職金制度(2023年6月調査)
零細企業の退職金相場を知る
次に零細企業の退職金相場はいくらくらいなのか?業種別、勤続年数別に見ていこう。
業界別の退職金相場の傾向
まずは業界別の退職金額の相場を紹介する。一般的に大学卒が最も退職金が多い傾向があり、とりわけ大学卒の中でも金融業、運輸・郵便業、建設業の退職金額が多くなっている。
業種別退職金(定年退職の場合)
(単位:千円)
業種 | 高校卒 | 高専・短大卒 | 大学卒 |
---|---|---|---|
調査産業計 | 9,940 | 9,832 | 10,918 |
建設業 | 11,334 | 11,427 | 12,203 |
製造業 | 9,996 | 10,309 | 10,685 |
情報通信業 | 9,418 | 9,161 | 11,929 |
運輸・郵便業 | 11,428 | 10,651 | 13,323 |
卸売業・小売業 | 10,361 | 10,103 | 11,329 |
金融業・保険業 | 10,736 | 9,064 | 14,422 |
不動産業・物品賃貸業 | 5,136 | 7,394 | 10,128 |
学術研究・専門・技術サービス業 | 10,261 | 11,246 | 9,648 |
生活関連サービス業・娯楽業 | 7,169 | 6,926 | 8,469 |
医療・福祉 | 3,323 | 3,121 | 3,424 |
その他サービス業 | 9,958 | 8,153 | 9,044 |
勤続年数別の退職金相場
次に勤続年数別の退職金相場を見ていこう。一般的に勤続年数が長い程、退職金額が多く、自己都合退職よりも会社都合退職のほうが、退職金額が多くなる傾向がある。
勤続年数別退職金(大学卒の場合)
(単位:千円)
勤続年数(年) | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
---|---|---|
1 | 95 | 132 |
3 | 238 | 338 |
5 | 470 | 641 |
10 | 1,121 | 1,498 |
15 | 2,129 | 2,658 |
20 | 3,431 | 4,147 |
25 | 4,906 | 5,782 |
30 | 6,536 | 7,542 |
33 | 7,760 | 8,762 |
定年※ | – | 10,918 |
出典:東京都産業労働局 中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)Ⅲ.集計表 第8表 モデル退職金(2023年6月調査)
役職や給与による退職金相場の違い
退職金の計算方法は一般的に、退職金算定基礎額に一定の支給率を乗じて、さらに役職や功績に応じた特別加算倍率を乗じて、あるいは特別加算額を加算して算出する。
退職金算定基礎額の計算に退職時の基本給(給与)が関連している企業は、退職一時金を導入している企業689社のうち、318社。
さらに役職や功労加算を用意している企業は689社中、266社となっている。
このように退職金計算をする際、退職金は業種や勤続年数の他に、企業での功績や、役職次第でも増加する企業があることを知っておこう。
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退職金の計算方法をマスターする
企業によって導入されている退職金制度が異なり、各退職金制度によって計算方法が異なる。ここでは主な退職一時金の種類と、退職金の計算方法について解説する。
定額制の退職金計算方法
退職金の計算方法でもっともわかりやすいのは定額制を採用している場合だ。定額制は退職金規定に10年勤務の場合は300万円、15年勤務の場合は500万円など、勤続年数別に金額が定められているため、確認してみよう。
企業内規に基づく退職金計算方法
定額制以外の退職一時金制度は少々計算が複雑になる。定額制以外の主な退職一時金制度の種類と、それぞれの制度の計算方法、および計算例を紹介する。
退職一時金の計算方法
基本給連動型 | 勤続年数と退職時の基本給を基に計算 退職時の基本給✕支給率✕退職事由係数 【例】 ・退職時の基本給60万円 ・勤続年数20年(支給率8.0とする) ・自己都合退職のため退職事由係数は0.8 60万円✕8.0✕0.8=384万円 |
ポイント制 | 勤続年数や退職時の基本給、役職、退職理由等をポイント換算して計算 退職金ポイント✕ポイント単価✕退職事由係数 【例】 ・勤続年数20年(200ポイント) ・役職ポイント100 ・ポイント単価10,000 ・自己都合退職のため退職事由係数は0.8 (200+100)✕10,000✕0.8=240万円 |
別テーブル方式 | 勤続年数と退職理由別基準額を定め、役職や社内で定めた倍率等を乗じて計算 【例】 ・2等級の金額 60万円 ・勤続年数20年(支給率8.0とする) ・自己都合退職のため退職事由係数は0.8 60万円✕8.0✕0.8=384万円 |
退職金計算の注意点と確認事項
退職金制度は上記で紹介した退職一時金のみ採用しているとは限らない。退職一時金と企業型確定拠出年金(DC)や確定給付年金(DB)と併用しているケースも考えられる。
特に企業型確定拠出年金は従業員自身がどのような運用をするかで受取額が変わってくるため、定期的に運用状況をチェックしておきたい。
IFAと相談して退職金の最適解を見つける
自身が受け取れるおおよその退職金額がわかったら、退職金の効率的な運用を考えてみよう。
ここではIFAに退職金相談をするメリットや活用方法を紹介する。
IFAに相談するメリット
IFAとは独立系ファイナンシャルアドバイザーのことを言う。IFAは、株式や債券、投資信託といった金融商品の紹介、仲介をすることを主な業務としている金融商品のプロフェッショナルだ。ただこれだけでは、一般的な証券会社の営業と変わらない。
IFAの特徴は特定の証券会社に所属しておらず、業務委託契約を結んだ証券会社の商品を取り扱うことができる。
そのため特定の証券会社の販売方針や、社内のノルマにとらわれることなくIFAの経験や知見などをもとにした商品販売が可能というメリットがある。
IFAが提供する専門的な知識とアドバイス
IFAの提案内容は金融商品に関するものばかりではなく、資産運用全般に関するアドバイスも受けられる。
金融商品はリターンが大きい商品はリスクも大きくなるため、ただ大きく増える可能性がある送品を選べば良いというものではない。
IFAに相談をすれば、顧客の資産状況、投資に対する考え方、投資の目的などを考慮した適正なリスク・リターンが期待できる金融商品の提案が受けられるだろう。
IFAと協力して退職金問題を解決する方法
退職金運用は、まず自社の退職金制度を理解し、実際に計算をしてみないとおおよその金額さえ把握できない。
IFAに相談をすれば、まず退職金制度の確認方法や、計算方法のアドバイス。
算出された退職金や、顧客のニーズや老後のライフプランを踏まえた適切な資産運用、及び金融商品の提案を受けることが可能だ。
まとめ
本記事では、零細企業の退職金制度の概要、退職金相場、計算方法を詳しく解説した。
IFAに相談することで、零細企業の退職金相場や計算方法に関する専門的な知識が得られるため、退職金に関する不安や悩みを解消し、安心して退職金計算ができるだろう。
このように退職金問題をスムーズに解決するには、IFAのアドバイスを活用することが有効だ。
IFAの検索サイト「退職金ナビ」は、信頼できるIFAと連携しており、安心して相談できる環境が整っているため、ぜひお問い合わせをしてはいかがだろうか?
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