- 歯科衛生士の退職金を知りたい
- 退職金の計算方法を理解したい
- 退職金対策について知りたい
歯科衛生士の方々が転職や退職を検討する上でありがちな悩みの一つとして、退職金に関する疑問が当てはまるだろう。
「退職金は支払われるのか?」、「退職金の適正な相場はどの程度?」と、心配される方も多い。退職を検討する際には、後から後悔してしまわないようにしっかりと把握しておきたいところだ。
本記事では、歯科衛生士の退職金相場や受け取り時期など、様々な疑問について詳しく解説する。
歯科衛生士の退職金の現状

まずは、歯科衛生士がもらえる退職金の現状について詳しく解説していこう。
退職金とは
退職金とは、勤務先を退職する際にクリニックから従業員に支払われる金銭である。
クリニックが従業員に対して退職金を支払う主な目的は以下である。
- 退職金支給の対象となる期間はクリニックに留まってほしい
- 長期間クリニックに貢献してくれた感謝の気持ちを伝えるため
退職金は、最後の給与と同じタイミングで支払われるパターン、もしくは退職後の1〜2ヵ月以内に振り込まれるパターンが一般的である。
ただし、就業規則次第は退職後〜半年以内に支払われる場合もあるため、退職前に確認しておくことをおすすめする。
歯科衛生士の平均給与額
続いて、歯科衛生士の平均給与額について解説しよう。具体的には以下の通りだ。
平均年収:356万1,100円
月々の給与は各種手当込みで23万円から27万円程度、賞与・ボーナスは42万円〜65万円程度である。
なお、アルバイトやパートの場合、時給は一般的に1,500円〜2,000円程度だ。
業界の特徴と退職金制度
業界の特徴として、クリニックの規模感によって、退職金制度の有無も含めて、待遇面等の条件が大きく異なる点である。
歯科医院は資金力の高い大学病院、総合病院と院長によって資金力の差が大きく開く個人クリニックの2パターンが存在する。
前者の運営元は教育機関・研究機関付属、医療法人という大きな規模感であるため、一般企業と同様の就業条件を整えていることが多い。そのため、退職金制度に関しても一般企業と同様の条件を揃えていることが多い。
一方、個人クリニックの場合は開業医である院長が資金源となるため、待遇面の充実性に関しても院長の資金力、雇用に対する力の入れ方が大きく影響する。資金力がないところであれば、退職金制度がない可能性もある。
このような理由から、当業界の雇用条件は他の業界と比べて歯科医院の規模感によって大きく異なる。
退職金の計算方法を理解しよう

歯科衛生士の退職金の現状についてご理解いただけただろうか?この章では退職金の計算方法について以下の項目を中心に説明をする。
- 勤続年数と退職金の関係
- 支払い時期と手続き
- 退職金にかかる税金
わかりやすく説明をするので参考にしてほしい。
勤続年数と退職金の関係
ほとんどの場合、クリニックの勤続年数が3年以上であることが退職金の支給条件である。
ただし、ここで言う勤続年数とはクリニック一拠点のみにおける勤務期間を意味しており、歯科衛生士としての経験年数ではない。
なお、開業したばかりのクリニックの場合は、例え3年以上勤務しても退職金が支払われないケースもあるため、注意が必要だ。
ただし、事業が順調に運営されているクリニックであれば、勤務期間が短くても功労金等の形でボーナスを受け取ることができるケースもある。
支払い時期と手続き
退職金の支払いは退職日を起算日とし、特別な法的規制は敷かれていない。
企業が退職金制度を設置することはクリニックの自由だが、支払い時期は会社の裁量あるいは労使合意によるものとされている。一般的には退職日から1〜2か月以内に支給されることが多い。
ただし、歯科医院のような小規模事業所では、院長個人が手続きを行う場合もあり、支給が遅れるケースもあるため注意が必要だ。就業規則で「退職金の支給時期」が定められている場合は、そちらを確認しておこう。
なお、退職金共済の申請方法は以下の通りである。
- 退職金の金額が300万円以上の場合
- 印鑑証明書と個人番号カードの両面コピー、または通知カードのコピーを準備する必要
- +身元確認書類(運転免許証、パスポート、健康保険証、年金手帳のいずれか)や、マイナンバー入り住民票の原本と身元確認書類
- 退職金の金額が300万円未満の場合
- 住民票等と個人番号カードの両面コピー、または通知カードのコピー
支給が完了すると、振込明細や源泉徴収票が発行される。
退職金にかかる税金
退職金は基本的に「退職所得」として扱われるが、優遇された課税制度が設けられているため、実際の税負担は少なくなっている。
ここでは、退職金にかかる税金の計算方法と、実際の金額例を使って控除のイメージをつかみやすく解説する。
退職金の課税額は、以下の3ステップで計算される。
【STEP1】退職所得控除を差し引く
勤続年数に応じて、以下のように「退職所得控除」が適用される:
- 勤続20年以下:40万円 × 勤続年数(最低80万円)
- 勤続20年超:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)
【STEP2】控除後の金額を1/2にする
コピーする編集する課税対象額 =(退職金 − 退職所得控除)× 1/2
【STEP3】課税対象額に所得税率を適用
累進課税により、課税所得に応じた所得税率(5〜45%)がかかる。
📘【シミュレーション例】勤続30年・退職金500万円の場合
計算内容 | 金額 |
---|---|
勤続年数 | 30年 |
退職所得控除額 | 800万 + 70万×10年 = 1,500万円 |
退職金 | 500万円 |
課税対象額 | 0円(非課税) |
このケースでは、退職金が控除額以下のため、税金はかからない。
📘【別パターン】退職金2,000万円・勤続30年の場合
計算内容 | 金額 |
---|---|
退職所得控除額 | 1,500万円 |
退職金 | 2,000万円 |
控除後金額 | 500万円 |
1/2の課税対象 | 250万円 |
所得税率(例:10%) | 25万円(概算) |
このように、控除を超えた部分の1/2のみに課税されるため、実質的な税負担はかなり軽減される仕組みとなっている。
歯科衛生士の退職金相場

続いて、歯科衛生士が受け取ることができる退職金の相場について詳しく解説しよう。
一般的な退職金相場
歯科衛生士の退職金相場は、勤め先であるクリニックの規模感、勤続年数、年収等によって異なる。下記は一般的な計算方法である。
- 月給(基本給+特別手当)の1~4か月分
- 基本給×勤続年数
- 基本給×勤続年数×0.6~0.7
このように、一番小さいパターンでも月給一ヶ月分は退職金をもらうことができる。別のパターンとしては、勤続年数または基本給に応じて一定の金額を退職金として受け取ることができる。
総合病院や大学病院の場合は、一般企業と同様の計算方法で退職金が算出される場合も多く、規模の小さいクリニックよりも退職金の金額が多い場合がある。
「勤続年数×役職別」の退職金支給例を以下にまとめた。あくまで一例ではあるが、実際の歯科医院で見られる水準をもとにしているため、ぜひ参考にしてほしい。
勤続年数 | 一般職(常勤) | チーフ衛生士 | 副院長クラス |
---|---|---|---|
5年 | 約30万円 | 約50万円 | 約80万円 |
10年 | 約60万円 | 約100万円 | 約150万円 |
20年 | 約120万円 | 約200万円 | 約300万円 |
30年 | 約180万円 | 約300万円 | 約450万円 |
一般的に、勤続年数が長くなるほど金額は増えるが、「役職」による上乗せの影響も大きいため、日頃の評価や昇格の有無も支給額に影響する。
また、支払われる金額、条件、時期は病院やクリニックによって異なるが、一般企業と同様に病院やクリニック都合の退職の方が自己都合の場合よりも多くの退職金をもらうことができる。
雇用形態ごとの相場
歯科衛生士が退職金を受け取れるかどうかは、契約条件や企業の方針によって異なる。
しかし、ほとんどの場合は正社員の場合のみであり、アルバイト・パート・契約社員、業務委託等の非常勤は退職金を受け取ることができない。
歯科医院の雇用において、長期間勤めた歯科衛生士は、退職金を受け取る可能性が高くなる。
統計によると、歯科医院のうち46.5%が退職金制度を設けており、74.7%の常勤歯科衛生士が退職金を受け取っていることが明らかとなっている。
クリニックが法定の退職金制度を保有しており、かつクリニックが定める就業規則における退職金の対象条件を満たしている正社員のみ、退職金を受け取ることができる。
一方、前述したようにアルバイト・パート・契約者・業務委託を始めとする非常勤の場合は退職金を受け取ることはできない。
中には「寸志」という形でボーナスを支給してくれるクリニックも存在するが、ほとんどの場合は就業規則内でも寸志の支払いは確約せずに業績によって支払う場合がある、という形式である。
退職金制度はそもそも就業規則に含めていないことがほとんどだ。そのため、退職金は正社員のみの特権であるという認識を持っておいてほしい。
退職金がない企業もある?
中には、退職金制度をそもそも導入していないクリニックも存在する。
前述したように、歯科衛生士の勤務実態調査 報告書によると退職金制度を導入している歯科医院の割合は46.5%、つまり残りの53.5%は退職金制度を導入していないことが判る。
働き手にとって、退職金制度の有無は就業意欲の高さに直結する重要な要素の一つではあるが、実情として退職金制度を導入している歯科医院は全体の半分も満たしていない。
退職後も安定した生活を送るために、もしくは次の転職にむけた貯蓄を十分に蓄えたい人は、入社する前にあらかじめ入社先の歯科医院が退職金制度を導入しているか否かを確認することを強くおすすめする。
また、退職金の支給には、以下のような条件が設けられていることが一般的だ。
- 勤続年数が一定以上である(例:3年以上など)
- フルタイム勤務である(パート・アルバイトは対象外のことが多い)
- 自己都合退職よりも、定年退職や会社都合退職のほうが優遇される場合がある
また、「中退共(中小企業退職金共済制度)」に加入している医院もあり、その場合は中退共から退職金が支給されることがある。加入しているかどうかも、確認しておくと良いだろう。
歯科衛生士の退職金相談はどこにするべきか

これまで解説した内容を通して、歯科衛生士が受け取れる退職金の実情についてお分かりいただけただろうか。
総合病院、大学病院を除いて、他業界と比べて決して優遇された条件ではないが、退職金を有益に運用するための手段を選ぶことで、受け取った金額以上に得るものを大きくすることができる。
そのためのキーワードとなるのが、「IFA」だ。
IFAとは
IFAとは、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」の略称である。証券会社、メガバンク等でお金にまつわる豊富な知識、経験を培った人材のみが到達できる「金融のプロフェッショナル人材」である。
海外では、生涯に渡って豊かな生活を送るために必要不可欠なプロフェッショナルの一つとしてIFAを掲げるほど、価値が高い仕事である。
IFAを活用するメリット
IFAは、複数の企業と業務委託契約を取り交わせるフリーなポジションである。
特定の証券会社が取り扱っている金融商品だけでなく、他社の商品も含めた様々な金融商品を組み合わせ、顧客にとってベストな金融商品を提案してくれるメリットがある。
さらに、IFAは特定の企業に所属していないため、ノルマに追われることがなく、フラットな目線で本当に顧客のためになる提案を行ってくれる。
豊富な専門知識を持ったプロフェッショナルが顧客の要望に合わせた商品を提案してくれることは、IFAならではの醍醐味と言えるだろう。
安心した老後生活の可能性
IFAの力を上手く借りて退職金の資産形成をできれば、安心した老後生活の実現に近づくことが可能だ。
現在、少子高齢化に伴って将来貰える年金が減少すると言われている「年金問題」を始めとして、今現在精力的に働いている若者層の老後生活は、決して明るい兆しとは言えないのが現状だ。
安心した老後生活を送りたいのであれば、「稼ぐ力」だけではなくお金を「育てる力」が必要不可欠な時代である。
IFAは、今の世の中の現状を踏まえて、あなたにとって最も最善な資産形成を提案、サポートしてくれるだろう。しかし、ご自身に合ったIFAを見つけるのは意外と難しい。
なぜならIFAは日本ではまだまだ普及しているとは言いがたいからだ。
そこでおすすめなのは「退職金ナビ」を利用することだ。
「退職金ナビ」には、全国の優秀で様々なIFAが登録をしており、ご自身に合った IFAを見つけることができるはずだ。退職金ナビはインターネットで簡単に利用ができるので、ぜひ利用をしてみて欲しい。
まとめ

本記事では、歯科衛生士の退職金の相場、計算方法、業界の特徴を解説している。
歯科衛生士の退職金についての理解が深まったのではないだろうか。しかし、すべてを自分1人で理解するのは難しいはずだ。
IFAに相談することで、歯科衛生士の退職金に関する悩みを専門的な知識で解決できる。またIFAのサポートにより、退職金を活用した資産形成が円滑に行える可能性が高まるはずだ。
IFAは豊富な知識と経験があり、原則一生涯担当してくれるため、人生のパートナーとして非常に有益な存在になる。
しかし、世の中にはたくさんのIFAがいる。ご自身に合ったIFAを見つけるのは意外と難しい。「退職金ナビ」を活用するのがよいだろう。
「退職金ナビ」には全国の優秀なIFAがたくさん登録している。ご自身に合ったIFAを見つけることができるだろう。
「退職金ナビ」を利用して安心してIFAに相談し、適切な老後対策を立てていただければ幸いだ
「退職金ナビ」では、IFAに相談することで安心して退職金に関する不安や疑問を解決できる環境を提供しているのでぜひ参考にしてほしい。