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退職金と企業年金を理解する〜完全ガイドで悩み解消〜

この記事で解決できるお悩み
  • 企業年金と退職金の違いを知りたい
  • 退職金の仕組みについて理解したい

退職金、企業年金は混同されがちだが、仕組みと種類、もらえる条件等も大きく異なる。

よく混同されがちな制度であるため、自分の退職金や企業年金の内容を具体的に把握している人は限られるのではないだろうか。

そこで本記事では、勤務先等からもらえる企業年金、退職金の種類、それぞれの違いについて分かりやすく解説したい。

企業年金と退職金の違いを知って将来への不安をなくしたい、退職金や企業年金の資産運用を検討している、そのような方にこそぜひ一読してほしい。

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目次

企業年金とは何か

まずは、企業年金とは何か、具体的な種類、仕組み等について詳しく解説していこう。

企業年金の仕組み

企業年金とは、退職後も従業員が安定した生活を送るために、公的年金に上乗せして会社や個人が負担する形で年金を支給する制度である。この制度は、「私的年金」とも呼ばれる。

一方、国民年金や厚生年金は「公的年金」として知られている。国民年金は、日本に在住している20歳以上60歳未満の国民全員が加入が義務付けられている年金である。厚生年金は、会社員や公務員が国民年金と共に加入する年金だ。

公的年金は加入が義務付けられた年金である一方、企業年金は会社や個人が自由意志で公的年金に上乗せして加入する私的年金制度であり、加入義務の違いがある。

企業年金の種類

企業年金は下記4つのパターンごとに分けられる。具体的な違いは以下の通りだ。

確定給付企業年金

企業と従業員が合意した規約に基づき、給与水準や加入期間などを考慮して、退職後に従業員が受け取ることができる給付額があらかじめ決められた企業年金制度を指す。

規約型は企業が年金規約を作成し、厚生労働大臣の承認を受けて実施する形式であり、続いて基金型は厚生労働大臣の認可を受けた法人である企業年金基金が運用する形式である。

主なメリットは、給付額が安定しているため投資に関する知識が要らないことだ。

続いてデメリットは、積立不足によって会社の補てんが発生した場合は業績や給与への影響が懸念される点だ。

確定拠出年金(企業型)

確定拠出年金も企業年金として提供される場合がある。確定拠出年金は、企業が従業員のために掛金を拠出して、従業員がその運用を個人で行う年金制度である。

企業は毎月の掛金拠出を行うが、将来従業員が受け取る金額に対する責任を負う必要はない。

これにより、企業は運用リスクを回避することが可能となる。また、従業員は退職前に受け取ることができる金額が明確であるため、金額差が生じる等のリスクを回避することができる。

また、「iDeCo(イデコ)」を代表とした個人型の確定拠出年金も存在しており、主に自営業者、企業年金のない企業へ勤める方が個人型の確定拠出年金として新たに加入することが多い。

厚生年金基金

企業が厚生労働大臣の承認を受けた法人である「厚生年金基金」を個別に設立し、その法人を通じて公的年金である「厚生年金」の支払いと管理を母体と独立して行う仕組みを指す。

この仕組みによって、企業が独自に加算した年金を上乗せして支払うことが可能となる。

しかし、経済状況の悪化によって制度破綻が起こったため、2014年時点で既に廃止されている。

また、「厚生年金」と「厚生年金基金」は名称が似ているものの、前者は公的年金、後者は私的年金に値するため、混合させてしまわないように注意が必要である。

中小企業退職金共済制度・特定退職金共済制度

「中小企業退職金共済制度(通称:中退共)」と「特定退職金共済制度」は、経済産業省が定めた退職金給付制度の2つである。

中退共は、独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営し、中小企業が社員の退職金給付を実現するために利用できる。

中退共の主なメリットは、運用利息が発生する点だ。加入24ヶ月目以降になれば掛金総額の100%を受け取ることができ、さらに加入後3年7ヶ月以上経過すれば掛金納付額以上の退職金を手に入れることができる。

続いて主なデメリットとして挙げられるのは、短期間で退職した場合は退職金が全く手に入らない場合がある点である。メリットで掲げた運用利息を手に入れるためには、最低3年7ヶ月以上は勤続する必要がある。

続いて特定退職金共済制度は、商工会議所等の組織が設立した共済団体が、地域の中小企業において退職金を給付する制度である。両制度ともに従業員の退職金に不安のある中小企業をサポートする役割を果たしている。

特定退職金共済制度の主なメリットは、一定期間以上加入すれば掛金以上の退職金を受け取れる点だ。

さらに中退共との併用も可能なため、それぞれのメリット・デメリットを踏まえながらリスク分散も可能である。

続いて主なデメリットは、退職理由によって退職金を減額できない点だ。

特定退職金共済制度の退職金は、加入期間と掛金の口数によって決定される。従業員が退職する際は、自己都合・会社都合等の理由にかかわらず、特定退職金共済制度の退職金は一律で計算される。

企業年金受給の条件

企業年金を受給するには、以下の条件が必要だ。

  • 勤務先が企業年金制度を導入している
  • 勤続期間が1ヶ月以上経過している

企業年金は、国民年金の受給資格である勤続期間10年間を経過している必要がない。

ただし、年金の受給が代行年金の場合は、国の老齢厚生年金の受給資格が必要となる。

「代行年金」とは、平成26年3月までに解散した厚生年金基金に加入していた方に連合会から支給される年金のことを指し、厚生年金基金から中途脱退した受給者に支払われる年金を「基本年金」と呼ぶ。

なお確定給付企業年金の加入者も原資を移換することで年金を受給できる。

退職金の概要と仕組み

企業年金の詳細に続いて、退職金の概要と仕組みについて詳しく解説していこう。

退職金の目的

退職金とは、退職した社員が安定した生活を送れるようにするために、また長年勤めたことによる慰労の意を含めて支払われるものである。

原則として分割で支払われるものではなく、退職後1〜2ヶ月間後に指定口座へ一括で振り込まれる。

退職金制度は法律によって義務付けられているものではないため、退職金制度の有無、退職金の計算方法等は企業によって大きく異なる。

退職金の計算方法

一般的に知られている退職金の算出方法は、勤続年数×退職時の賃金をかける方法だ。

ただ、退職金の計算方法は企業によって大きく異なるため一概には言えない。また、独自の退職金規定を制定して独自の計算式を用意している企業も存在する。

また、勤続年数だけでなく退職理由(自己都合か会社都合か)によっても変動する。

例えば定年退職の場合は、退職金額に係数を設定して1.0倍を適用することが一般的である。勤続年数20年以上で退職金が2,000万円と定められている場合は、定年退職をした従業員には2,000万円が支給される。

一方、退職理由が自己都合の場合は係数を1.0倍よりも低い0.8倍等に設定して計算する。

自己都合退職の係数が0.8倍の場合、退職金額は1,600万円と1.0倍を割る金額となる。多くの場合、退職金の算出方法は勤続年数や退職理由ごとに定められた係数で計算されることが多い。

退職金の支給時期と手続き

支給時期に関しても企業によって異なるため一概には言えないが、退職から1~2カ月後に退職金が支払われるのが一般的だ。

しかし、退職金制度の内容や退職時の状況に応じて支払いに時間がかかる場合があり、中には退職から6カ月後に振り込まれるケースも存在する。

退職金制度は法律で定められたものではないため、支給時期等はルール化されていないのだ。

従業員が行う退職手続きはそれほど複雑ではなく、所得税と住民税の源泉徴収が行われるため、原則として確定申告も必要ない。

退職金の受け取りには、「退職所得の受給に関する申告書」を提出する必要がある。

この書類によって他の所得とは分離され、所得税(所得税+復興特別所得税)と住民税が課税対象となる。

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企業年金と退職金の違い

企業年金、退職金の詳細はお分かりいただけただろうか。

次に、企業年金と退職金の目的、支給条件、税制上の違いについて詳しく解説していこう。

企業年金と退職金の目的の違い

簡単にまとめると、退職金制度とは退職時に必要となる資金を調達するために導入された制度である。

続いて企業年金制度とは、在職中から少額の積立を行い、退職時に準備した資金で退職金を支払える制度である。

退職金規程のみで退職金のルールを設けている場合、必要な支払額を事前に計画的に積み立てる義務は発生しない。

企業年金と退職金の支給条件の違い

企業年金の場合は、勤続期間が1ヶ月以上経過していれば受給資格を得ることが可能だ。な

お、企業年金は終身年金のため、本人が存命である限り、生涯に渡って年金を受け取ることができる。

退職金は、従業員が一定の年齢に達して定年退職を迎えた場合、もしくは会社が規定する退職金が受け取れる条件(例:勤続年数〇年以上)を満たすことで受け取ることができる。

税制上の違い

企業年金に関しては、定期的に受け取る公的年金等は「公的年金等に係る雑所得」に値するため、所得税の対象となる。

公的年金等の受け取りに際しては、源泉徴収によって所得税と復興特別所得税が差し引かれ、一律5.105%が適用されるため、確定申告の必要はない。

退職金の場合は、一定の手続きが完了している場合に源泉徴収されるため、原則として確定申告は必要ない。

なお、退職金は所得税、復興特別所得税、および住民税が通常源泉徴収される。

企業年金や退職金の運用はどこに相談するべきか

以上、企業年金と退職金の違い、企業年金の概要、退職金の計算方法等について詳しく解説した。

企業年金とは従業員が将来安定した生活を送るために長期間に渡って積み立てる年金であり、退職金は長年勤めた社員に対して企業から支払われる慰労の意を込めた給付金である。

それぞれの目的・資産運用の方法が異なることから、どのような資産運用の方法を選択するかが満足度の高い資産形成のために重要なポイントとなる。

しかし、資産運用の難しい点は知識と経験がなければ正しい見極めが難しい点だ。

日本の教育ではお金に関する勉強をする機会が非常に少ないため、自身で勉強する機会をつくらない限り、資産運用の知識・経験を積むことは困難に近い。

だからこそ、「餅は餅屋」という言葉があるように、金融のプロフェッショナルに相談する道をおすすめしたい。

本記事でおすすめしたい金融のプロフェッショナルとは、「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」である。

IFAとは

IFAとは「Independent Financial Advisor」の頭文字を取った略語であり、資産運用アドバイスを行う専門家だ。

メガバンク、証券会社等での経験を通して、資産運用の提案からサポートまで幅広く手掛ける知識と経験を持ち合わせた優秀な人材しか就けない専門職である。

アメリカでは「人生をより良いものにするためには医師、弁護士、IFAの3人を味方につけるべき」という格言が存在するほど、社会的地位が高い金融系のプロフェッショナルである。

IFAに相談するメリット

IFAとは特定の金融機関に所属していない独立系ファイナンシャルアドバイザーである。

そのため、公平かつフラットな目線に立って、顧客に寄り添った提案、サポートを提供できる。また、原則として担当者変更がないため、信頼できるIFAを見つけた後は長い間信頼関係を構築できる点もメリットである。

退職金、企業年金は従業員が数年間に渡って積み重ねていく将来にむけた資金だ。

だからこそ、資産運用を工夫するか否かによって、退職後に受け取るであろう資産の大きさは大きく変わる。

その数年間の中でIFAの力を借りることで、適切な資産運用のアドバイス、資産状況の把握を適切に受けることができ、結果的に満足度の高い資産形成が可能となるであろう。

老後生活に向けた資産形成のサポート

2019年には、従来の年金受給のみでは老後生活に備える資金が不足するという声が挙がったことで「老後2000万円問題」が大きな話題となった。

そのため、若いうちから将来の生活に不安を感じる人が増加している。自分はどの年金制度に属しておりいくらもらえるのかをシミュレーションし、老後に向けた資金形成を早いうちから行うことは、極めて重要性が高いキャリアプランニングの一つである。

そのような社会情勢だからこそ、金融のプロフェッショナルの力を借りることが将来の不安をなくすための解決の糸口となる。

IFAは、相談者の資産管理(資産運用の状況把握)、状況に応じた資産運用の提案・アドバイスを中長期的に渡って行うことができる。

その時々の金融市場の状況をいち早くキャッチアップし、相談者の資産運用を引き続き継続するべきか、方向転換するべきかを正しい目で見極める力を持つ存在だ。

あなたが将来に対する漠然とした不安を抱え込んでしまうことがないよう、お金にまつわるあらゆる悩みを的確に紐解いてくれるお金のプロフェッショナルといえる。

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相談したい内容をあらかじめ入力することもできるため、退職金や企業年金について相談したい旨を入力すると良い。退職金、企業年金について特に精通したIFAとのマッチングが果たせるだろう。

まとめ

退職金と企業年金の違いについて本記事では様々な観点から解説した。

退職金は長年勤務した社員に対して支払われるボーナスのようなものであり、その性質上、退職するまでの間は資金を手に入れることはできない。

税制上では所得税、復興特別所得税、および住民税等として源泉徴収された後に支払われるため、確定申告は不要である。

一方、企業年金は会社もしくは従業員が負担して積み重ねる、将来にむけた貯金のようなものである。勤続期間が1ヶ月間以上経過すれば受給資格を得ることができる。

税制上においては、公的年金等の1年間の収入が400万円以下で、かつその年の公的年金以外の所得が20万円以下の場合は確定申告は必要ない。

前述した通り、退職金と企業年金は仕組みそのものが大きく異なるため、資産運用の方法も一緒くたにできない点は注意が必要だ。

後悔のない資産運用を実現したいのであれば、金融のプロの力を借りることをおすすめしたい。

金融のプロの中でも、最も相談者目線に立ってフラットなアドバイスをしてくれる「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」の力を借りることをおすすめしたい。

IFAは特定の証券会社、メガバンク等に所属せずに様々な金融商品の提案を可能とする独立した存在である。その立ち位置から、ノルマ等に左右されることなく顧客目線に立った適切なアドバイスが可能なのだ。

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執筆者

退職金の相談相手 検索サービス「退職金ナビ」を運営する。
「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンにIFA業界のプラットフォームとして、総合コンサルティング事業を展開している。

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