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公務員の退職金の正確な計算方法とシミュレーションの手順

この記事で解決できるお悩み
  • 公務員退職金の計算方法を知りたい
  • 退職金のシミュレーションをしたい

公務員を退職した後の生活について計画を立てるには、退職金額を知っておく必要がある。

そこで本記事では、公務員の退職金額の「基本知識」や「正確な計算方法」、「シミュレーションの手順」について詳しく解説していく。

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目次

公務員退職金の基本知識と重要ポイント

公務員退職金の基本知識と重要ポイント 退職金ナビ

公務員退職金の正確な計算方法を知るために、まずは「退職金の基本知識」と「重要ポイント」を抑えておこう。

ここからは、公務員退職金の「民間企業との違い」「退職金制度の特徴」「退職金額に影響する要素」について詳しく解説していく。

退職金とは?公務員と民間企業の違い

公務員は「全体の奉仕者」と呼ばれている通り、社会への奉仕が仕事となっているため、営利目的である民間企業の退職金と計算方法が異なる。

また、公務員と民間企業の退職金の違いは、「法律で定められているか」だ。

民間企業の場合、退職金の有無は企業側の規定や就業規則によって決められている。

その一方で、公務員の退職金は法律で定められているため、退職金の支給条件を満たす限り退職者に対して退職金が支払われるのだ。

公務員の退職金制度の特徴

公務員の退職金制度の特徴は、民間の基本給に相当する「俸給月額」、官民格差を改めるための「調整率」、在職期間中の貢献度によって加算される「調整額」によって退職金額が算出されることだ。

なお、俸給月額は、公務員の勤続年数と職務階級によって異なる

また、調整率は、退職理由や勤続年数に関わらず、全ての公務員の退職金計算において適用される。

退職金額へ影響する主要要素

公務員の退職金額へ影響する主要要素として、「退職理由」と「勤続年数」がある。

公務員も一般企業と同様に、自己都合退職よりも定年退職の方が退職金額が多い

また、公務員という職務上、民間企業のように仕事の評価を数値化することが難しいとされる。

そのため、勤続年数が長くなるにつれ俸給月額が増えていき、それに伴い退職金額が多くなるという年功序列の傾向がある

公務員退職金の計算方法をマスター

公務員退職金の計算方法をマスター 退職金ナビ

退職を検討している方や、定年が近い方は「公務員の退職金額」が気になるのではないだろうか。

そこで、次は公務員退職金の計算方法について詳しく解説していく。

基本給と勤続年数から退職金額を算出

公務員の退職金は主に、「基本給」と「勤続年数」をもとに算出する。

基本給の算出には、「給与月額」「退職理由・勤続年数別の支給率」「調整率」を用いる。

地方公務員の平均給与月額

出典:総務省「令和4年地方公務員給与実態調査結果等の概要」

公務員の退職金|勤続年数・退職理由別の支給率

出典:総務省「国家公務員退職手当制度の概要」

加算・減算要素を考慮した詳細な計算手順

公務員退職金の加算要素となるのは、「退職時の年齢」と「調整額」だ。

具体的には、勤続年数20年以上で退職する公務員の場合、退職日の年齢が59歳以下であれば退職金は増える傾向にある。

以下の表は、公務員の「退職日と年齢」によって異なる退職金の割増率を示している。

出典:人事院「退職手当制度の概要」

公務員の退職金計算に用いる「調整額」は、退職者の状況に応じて「加算」と「減額」の両方の要素を兼ね備えている。

通常、調整月額の60月分(5年分)の調整額が加算されるが、以下のケースだと支給されなかったり、減額されたりする。

公務員退職金の調整額|減額されるケース

勤続期間と退職理由調整額
「9年以下」…自己都合支給されない
「1年以上4年以下」…自己都合以外半額
「10年以上24年以下」…自己都合半額

公務員の退職金|調整月額

出典:内閣官房「給与・退職手当」

以上を踏まえたうえで、公務員の退職金計算手順は次のとおりだ。

STEP
退職日給与月額×退職理由別・勤続年数別支給率×調整率=基本額
STEP
調整月額のうち、多額のものから60カ月分を合計した額=調整額
STEP
基本額+調整額=退職手当額

退職金計算の例題解説

ここからは、公務員の退職金計算を例題で解説していく。

公務員|退職金計算例
  • 退職理由:定年
  • 勤続年数:35年 
  • 退職日給与月額:400,000円
  • 職員の区分:区分7の期間が24カ月
  • 職員の区分:区分8の期間が36カ月

上記の場合、5回の計算を経て「公務員の退職金」を求めることができる。

前述した表をご覧いただくとわかるとおり、「勤続年数35年で定年退職する」場合の支給率は59.28だ。

退職金は、基本額+調整額で計算するので、まずは「基本額」を算出していく。

① 退職日給与月額400,000円×退職理由別・勤続年数別支給率59.28×調整率83.7%=基本額19,846,944円

次に、基本額に加算する「調整額」を、前述した調整月額表をもとに計算する。

調整額を求めるために、在籍していた職員区分のうち、多額のものから60カ月分を合計する。

② 区分7の調整月額43,350円×勤務していた期間24カ月=調整額1,040,400円

③ 区分8の調整月額32,500円×勤務していた期間36カ月=調整額1,170,000円

④ 調整額1,040,000+調整額1,170,000=調整額の合計2,210,000円

⑤ 基本額19,846,944円+調整額の合計2,210,000円=公務員の退職金22,056,944円

このように5回の計算を経て、退職金額は22,056,944円となる。

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シミュレーションで退職金額を予測

シミュレーションで退職金額を予測 退職金ナビ

ここまで、公務員の退職金計算方法について解説してきたが、仕事やプライベートが多忙で自分で計算する時間がない方もいるのではないだろうか。

そんな時は、シミュレーションツールを使って、公務員の退職金額を予測しよう。

ここからは、退職金シミュレーションの「目的や活用法」「使い方手順」、「退職金計画の立て方」について詳しく解説していく。

シミュレーションの目的と活用方法

シミュレーションで退職金額を予測すると、退職金を受け取った後の生活設計に役立てることができる。

公務員の退職金の計算方法は、一般企業とは異なりやや複雑な傾向にある。

また、退職を検討していたり、定年が近かったりしても「仕事が忙しくて、もらえる予定の退職金額を計算する暇がない」「疲れていて、自分で計算するのが面倒」という方もいるのではないだろうか。

シミュレーションツールを活用することで、「公務員に支給される予定の退職金」のおおよその金額を確認できる

シミュレーションツールの使い方

退職金額を予測するのにおすすめなのは、電卓や時計などの製造販売を手掛けるカシオ計算機株式会社による、地方公務員の退職金計算シミュレーションツールだ。

使い方は簡単で、仕事やプライベートが多忙な方でも手軽に退職金の計算ができる。

地方公務員|退職金計算シミュレーションツールの使い方手順

STEP
「退職理由」を選択する
STEP
退職日の「給与月額」を入力する
STEP
「勤続年数」を入力する
STEP
「職員区分」を選択する(自動で調整額が表示される)
STEP
職員区分の期間が「合計60カ月」になるように入力する
STEP
「早期退職加算」を選択する(50歳~59歳、無しのいずれか)
STEP
「計算」をクリックする

以下は、地方公務員の退職金計算シミュレーションツールを使用した結果の一例となっている。

地方公務員|退職金計算シミュレーション例

出典:カシオ計算機株式会社「地方公務員の退職金の計算」

ここまで、地方公務員の退職金額を算出するための、シミュレーションツールの使い方について解説してきた。

公務員は、勤務先によって退職金額が異なる傾向にある。

なぜなら、公務員の退職金手当の「調整額」に関わる職員区分の適用については、市町村ごとの規則等により定められているからだ。

そのため、上記で紹介したシミュレーションツールは、あくまでも退職金の概算金額を算出するための方法として利用するようにしよう。

シミュレーション結果を活用した退職金計画の立て方

シミュレーションを行いおおよその退職金額を確認できたら、退職後の生活を見据えて退職金計画を立てよう。

人生100年時代とされる現代において、無計画で退職金を手にしてしまうと「こんなはずではなかった」という使い方をしてしまう恐れがあるからだ。

以下に、公務員が「退職金計画を立てるときの手順」を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてはいかがだろうか。

退職金計画の立て方手順

  • 「生活費が1カ月でいくらくらい」かかっているのか確認する
  • 退職後「2年以内で使う予定」の金額を確認する(旅行、家具家電買い替え等)
  • 退職後「10年以内に使う予定」の金額を確認する(冠婚葬祭、リフォーム等)
  • 退職後「10年以上先で使う予定」の金額を確認する(介護、住み替え等)
  • 「短期」「中期」「長期」に使う予定の資金別で、退職金の運用先を検討する

専門家に相談して退職金計画を最適化

専門家に相談して退職金計画を最適化 退職金ナビ

ここまで、公務員の退職金額シミュレーションについて解説してきた。

退職金は老後の生活を送るうえで大切なものであるため、将来を見越したうえで活用方法の計画を立てるようにしよう。

とはいっても、退職金の活用法はさまざまで、種類も多い。

重要なのは、退職後のあなたのライフスタイルに合っているかリスクとリターンのバランスは取れているかだ。

次の項目では、専門家に相談する「メリット」「アドバイス例」「注意点」について解説する。

専門家のアドバイスがもたらすメリット

専門家から得られるメリット「自分に合った退職金の活用方法」をアドバイスしてもらえることだ。

いまや情報化社会となっているので、パソコンやスマホで検索するとさまざまな情報が得られる。

しかし、数多くの情報の中から最新で正しく、あなたのニーズに沿ったものを見つけるのは困難を極めるだろう。

たとえば、退職金の活用方法の1つとして投資信託があるが、一般社団法人投資信託協会の調査によると、2023年4月末時点の全ての投資信託を合わせると「1万4,444種類」もある

専門家に相談すると、数多くの退職金活用方法の中から、あなたのライフスタイルに沿ったリスクとリターンのバランスが取れた退職金計画を立案してもらえる

具体的な相談内容とアドバイス例

例えば、「リスクは取りたくないので、退職金は全て預貯金に預けておこうかと思う」という公務員の方がいたとしよう。

この場合、専門家からのアドバイス例は次のとおりだ。

すでに「ミドルリスク ミドルリターン」や「ハイリスク ハイリターン」の運用をしている場合

  • 預貯金は、退職金運用のローリスク ローリターンの分類に入りますので、すでにある程度のリターンを見越した運用をされているのであれば、退職金を預貯金で運用するのもよいと思います。」
  • 金融機関ごとに預貯金の金利が異なるため、〇〇様のライフスタイルに合った預貯金を取り扱っている金融機関をご紹介いたします。」

退職金以外の資産も、全て預貯金に預けている場合

  • 「数十年前までは預貯金だけの運用で資産形成ができていましたが、現在は超低金利時代で物価高が長らく続いております。そのため、預貯金だけの運用では、物価高の影響で資産価値が下がってしまう恐れがあります。
  • メガバンクの普通預金の金利は0.001%ですので、たとえば退職金の1,000万円を1年間預けたとしても1年で得られる利益は約100円となっています。さらに言えば、預貯金の利益に対して税金が20.315%差し引かれるため、実質1年で80円ほどしか増えません。」

このように、専門家からの退職金運用のアドバイスは、あなたが保有している資産のリスクとリターンの状況や、金融市場の動向に応じて異なる

専門家への相談方法と注意点

公務員の退職金運用について専門家に相談するには、銀行や証券会社などの金融機関や、IFAを利用するという方法がある。

銀行や証券会社に相談すると、それぞれ取り扱っている退職金運用に適した商品を提案してもらえる。

金融機関へ退職金について相談する時の注意点は、会社ごとの営業方針に左右される傾向があることだ。

その一方で「独立系ファイナンシャルアドバイザー」であるIFAは、退職金の専門家で特定の金融機関に属していない。

そのため、IFAに相談すると、さまざまな運用先の中から相談者のニーズに合った退職金の運用方法のアドバイスが受けられる

なお、IFAは専用の窓口を通して探すことができる。

注意点は、自分に合ったIFAを見つけられるかによって相談者の満足度が異なることだ。

自分に合ったIFAを探すには退職金ナビが役立つ。

退職金ナビ」は、お住まいの都道府県と年齢を選択するだけで、60秒ほどであなたに合ったIFAを検索できるサービスだ。

IFAへの相談は無料となっているため、公務員の退職金計算シミュレーションを行う際などに、ぜひ活用してみてはいかがだろうか。

まとめ

まとめ 退職金ナビ

この記事では、公務員の退職金制度や計算方法シミュレーションの手順について詳しく解説した。

基本給や勤続年数などを考慮した計算方法や、シミュレーションツールを活用すると、退職金額を予測できる。

しかし、公務員の退職金手当の「調整額」に関わる職員区分の適用については、市町村ごとの規則等によって定められているため、勤務地や所属先により公務員の退職金額は異なる傾向にある。

そのため、より正確な退職金計算や、最適な退職計画を立てるには専門家に相談するといいだろう。

退職金ナビIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)を探せるサービスだ。

運用目的や性格などに合わせて、「あなたに合ったIFAを自動診断」してもらえる。

IFAのプロフィールや経歴、得意分野などを確認したうえで相談するかどうか決められるうえに、相談費用は無料だ。

また、何度でも相談できて、相談方法は対面だけでなくWebでも可能となっている。

公務員の退職金について「疑問を残したまま」時間だけが過ぎてしまっては、もったいない。

ぜひ、退職金ナビ」であなたに合ったIFAを見つけてみよう

どんな些細なことでも大丈夫なので、退職金の専門家であるIFAに「わからないこと」や「気になること」を聞いてみてはいかがだろうか

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執筆者

退職金の相談相手 検索サービス「退職金ナビ」を運営する。
「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンにIFA業界のプラットフォームとして、総合コンサルティング事業を展開している。

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