- 自衛隊の退職金の計算方法を知りたい
- 自衛隊の退職金の手続きに関して知りたい
特別国家公務員である「自衛隊」は職務の性質上、精強性が求められるため、地方公務員や一般企業と比較して、退職時期が早い。
公的年金の受給開始は原則65歳〜となっており、自衛隊退職者の大半は、年金が受給されるまで期間を要する。
退職から年金の開始まで時間を有するため、退職金を適切に管理することが退職後の豊かな生活にとって欠かせない。
そのため、退職する前から「退職金の計画」をあらかじめ立てておくことが大切だ。
そこで今回は、自衛隊ならではの退職金制度について「概要」や「計算方法」、「受け取る手続き」などをわかりやすく解説していく。
自衛官を退職した後の生活設計を立てるために、ぜひ参考にしてみてはいかがだろうか。
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自衛隊の退職金制度とは
自衛隊は、特別国家公務員だ。
そのため、地方公務員や一般企業の社員へ支給される退職金とは、性質が異なる傾向にある。
自衛隊の「退職金制度」の概要について詳しく解説していくので、ぜひご覧いただきたい。
自衛隊は早い時期に定年を迎える
自衛隊の任務は、災害派遣や国の防衛、国際平和協力活動となっており、職務の性質上、精強性が求められる。
それにより、自衛隊に支給される退職金は、主に「若年定年制」と「任期制」の2種類で、地方公務員や一般企業に勤めている人と比較して早い時期に定年を迎える傾向にある。
退職金の対象となる自衛隊員の条件とは
多くの自衛隊は20代〜30代半ば、もしくは50代半ばで退職を迎えるが、階級が1佐よりも高い「将」や「将補」の定年年齢は60歳となっているなど、役職や職種によって異なるケースもある。
定年が60歳以上|自衛隊の役職・職種
定年年齢 | 役職・職種 |
---|---|
60歳 | 医師、歯科医師、薬剤師、音楽、警務、情報総合分析、画像地理、通信情報に携わる自衛官 |
60歳 | 陸将、海将、空将、陸将補、海将補、空将補である自衛官 |
62歳 | 総幕長、陸幕長、海幕長、空幕長の職にある陸将、海将、空将である自衛官 |
「若年定年制」の場合、定年時期は階級によって異なり、定年退職年齢は「54歳〜57歳」だ。
若年定年制|自衛隊の退職
自衛隊を「任期制」で退職する場合、任期満了後に「特例退職手当」が支給される。
任期制|自衛隊の退職
配属先 | 1任期 | 2任期 |
---|---|---|
陸上自衛官 | 2年 | 2年 |
海上自衛官・航空自衛官 | 3年 | 2年 |
出典:衆議院「防衛庁職員給与法」
自衛隊の退職金の支給時期
国家公務員の定年退職日は、60歳を過ぎた最初の3月31日だ。
しかし、特別国家公務員である自衛隊の場合、「定年退職年齢を迎える誕生日」が退職日となる。
若年定年制で自衛隊員が退職すると、退職後に得た所得額によって「若年退職者給付金」の支給額が変動する。
そのため、「若年退職者給付金」は、2回に分けて「一時金」として支給されるのだ。
若年退職者給付金の支給時期
支給回数 | 若年退職者給付金の支給時期 |
---|---|
1回目 | 政府令で定める退職した月の、翌月 |
2回目 | 退職の翌々年の、政府令で定める月 |
任期制の退職日は「任期が満了した日」となっており、毎年3月〜4月に集中している。
自衛官候補生として、任期制の勤務を行うと任期満了後に「特例退職手当」が支給される。
自衛隊退職金の計算方法
自衛隊の退職金は「国家公務員退職手当法」に基づいて、計算される。
続けてこの章では、自衛隊退職金の「計算方法」や「加算・減額要素」、「一般的な退職金額の例」を解説していく。
自衛隊を退職した後の生活を見据えて、ぜひ参考にしてはいかがだろうか。
基本給と勤続年数から自衛隊の退職金を算出
自衛隊の退職金を計算する際に、勤続年数に含まれるのは、入隊時から定年までの勤務を前提に採用される「非任期制」の期間である。
計算方法|自衛隊の退職金
基本給は自衛隊員の階級が上がるほど増額するため、それに伴い退職金額も高くなる。
自衛官の俸給月額
退職金の計算で使用する支給率は、勤続年数が長くなるほど高くなっている。
退職理由別・勤続年数別|自衛隊の退職金支給率
自衛隊退職金の加算要素と減算要素
退職理由により、加算されたり減額されたりする自衛隊の退職金。
自衛隊の退職金を計算する際に用いる支給率は、「退職理由」によって異なる。
具体的には、整理退職や定年は「加算要素」となるが、自己都合での退職は「減額要素」となる。
整理退職とは、職務上に関する制度や、定数の改正や廃止、予算の減少などにより官職を廃止するなどの事情で退職を余儀なくされることだ。
なお、自衛隊は勤続年数が長く階級が高いほど、退職金が加算される傾向にある。
また、「20年以上の勤続年数」で3曹以上の役職であれば、退職金に加え、若年退職者給付金が支給される。
なお、自衛隊退職金の減額要素として、「任期制の期間」が影響するため注意しよう。
なぜなら、任期制の期間は、退職金を算出する際の勤続年数に含まれないからだ。
自衛隊の一般的な退職金額の例
自衛隊鳥取地方協力本部の調査によると、自衛隊の退職金額は「全国平均で約1,792万円」だ。
なお、役職が高いほど、自衛隊の退職金額は多くなる。
自衛隊の退職金額
全国平均と役職等 | 退職金額 |
---|---|
全国平均 | 約1,792万円 |
幹部自衛官 | 約2,700万円 |
准曹自衛官 | 約2,100万円 |
若年定年制で退職する「勤続年数20年以上の自衛隊」には、退職金に加え「若年退職者給付金」が支給される。
自衛隊の若年退職者給付金は、約1,000万円〜約1,450万円だ。
自衛隊の若年退職者給付金
任期制の場合、任期が満了するごとに、約58万円〜約203万円の「特例退職手当」が支給される。
以下の表で示しているとおり、海上や航空、陸上などの区分によって「特例退職手当の金額」が異なるのだ。
区分・任期別|自衛隊の特例退職手当
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自衛隊退職金を受け取る手続き
自衛隊の退職金を受け取るには、事前に業務隊長へ書類を提出するなどの手続きを踏まなければならない。
次は、自衛隊の「定年退職と中途退職」や「退職金を受け取る手続き」、「受給する際の注意点」について、詳しく解説していく。
自衛隊の定年退職と中途退職
2022年度における自衛隊の定年退職者数は、若年定年制「約5,900人」、任期制の任期満了は「約2,900人」だった。
なお、自衛隊の中途退職者は、他の公務員と比較して多い傾向にある。
具体的には、2021年の自衛隊中途退職者は5,742人となっており、その割合は毎年の新規採用人数の約3分の1に相当する。
自衛隊を中途退職する理由として、もっとも多いのが「就職」だ。
中途退職者のうち、46.9%が就職により自衛隊を退職している。
自衛隊の中途退職原因
また、自衛隊中途退職者の大半は「在職期間が1年〜4年」となっており、その次に多いのが1年未満となっている。
勤続年数別|自衛隊の中途退職者数
自衛隊の退職による各種書類の準備
自衛隊は退職金を受け取るまでに、業務隊長等を経由し、資金前渡官吏に以下の書類を提出しなければならない。
- 退職手当の受給に関する申告書
- 退職所得申告書
なお、退職手当の受給に関する申告書は「所得税法」、退職所得申告書は「地方税法」に規定する。
若年定年制の場合、「若年定年退職者申出書」に必要事項を記入し、業務隊長等に提出する。
任期制で「特例退職手当」の支給を受けるには、部隊等の長が「特例の退職手当支給調書」を作成し証明の上、基地業務部隊等の長に送付しなければならない。
- 出典:防衛省・自衛隊「退職手当の支給手続等について」
- 出典:防衛省・自衛隊「若年定年退職者給付金に関する各種届出」
- 出典:防衛省・自衛隊「航空自衛隊退職手当支給規則」
- 出典:防衛省・自衛隊「陸上自衛隊退職手当支給規則」
自衛隊退職金を受給する際の注意点
自衛隊を退職すると、まとまった金額の退職金を手にすることになる。
その際に注意が必要となるのは、「退職金の使い道」だ。
自衛隊として勤務していた頃から、資産形成に関する専門知識を身につけ実践している人は少ない傾向にある。
なぜなら、自衛隊員は多忙であるため、金融に関する専門知識を身につけたり、資産形成を行う時間を確保したりするのが難しいという人が多いからだ。
金融庁が行った金融リテラシー調査によると、「金融や経済の正しい知識や判断力」がある人の割合は、わずか55.7%だった。
なお、この調査には、自衛隊以外の人や、金融や経済情報を全く見ない人、月1回〜ほぼ毎日見ている人も含まれている。
そのため、退職金の使い道を検討するときは、自分だけで判断する前に、まずは金融や経済に精通した「退職金の専門家」に相談してはいかがだろうか。
自衛隊の退職金活用はどこに相談するべきか
ここまで自衛隊の退職金制度の概要や退職金の計算方法・受け取り方法について解説してきた。
ただ、実際に退職金を受け取ってから、どのように退職金を利用すればいいか分からない、と悩む自衛隊の方も多いのではないだろうか。
そんな時は、退職金の専門家であるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)に相談してみるのも一つの悩み解決の手段となる。
- 退職金計算のサポート
- 退職金の手取り額を把握
- 将来設計における退職金活用方法
ここからは、「退職金の専門家」であるIFAと自衛隊退職金の関連性について解説していく。
ぜひ参考にして、退職金を有効に活用してもらいたい。
IFAが自衛隊の退職金計算をサポート
自衛隊を退職した後の生活について考えるには、退職金額を把握する必要がある。
特別国家公務員である自衛隊の退職金計算方法は、法律で定められているが、計算方法がやや複雑だ。
独立系ファイナンシャルアドバイザーであるIFAは、「退職金の専門家」で金融や経済の知識を備えている。
そのため、IFAに相談すると退職金計算のサポートを受けられるので、退職後の生活設計を立てやすくなる。
自衛隊退職金の手取り額の把握
自衛隊の退職金は、税金を差し引かれた後の額が支給される。
退職金の額が多いほど税率が高くなるため、退職金から多くの税金が引かれてしまわないように、まずは「退職所得控除」を行い、課税対象となる退職所得の額を低くするのだ。
IFAに相談すると、税負担がどの程度軽くなるのか知ることができるため、退職金の手取り額を把握しやすい。
自衛隊の将来設計における退職金活用方法
自衛隊は職務内容の特殊性により、他の公務員や会社員に比べ、退職時期が早い傾向にある。
そのため、退職してから年金が支給されるまでの期間が長いので、退職後の将来設計が重要だ。
退職金の専門家であるIFAに相談すると、自衛隊退職金の活用方法について、あなたの将来設計に沿ったアドバイスが受けられる。
とはいっても、「IFAに相談するにはどうしたらいいのか」と相談先に悩む人もいるだろう。
自衛隊の退職金について相談できるIFAを探すには、「退職金ナビ」がおすすめだ。
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検索後は、IFAに無料で相談できるので、ぜひ「退職金ナビ」を活用してみてはいかがだろうか。
まとめ
この記事では、自衛隊退職金の「若年定年制」や「任期制」、若年退職者給付金、退職金の計算方法、手続きについて解説した。
自衛隊の多くは、若くして退職を迎える傾向にある。
そのため、退職後の生活を見据えて「手取りの退職金額」を把握したり、自分の将来設計に沿った「退職金の使い道」について計画を立てたりすることが大切だ。
しかし、一人で退職金額を計算したり、使い道を選択したりするには専門知識が不可欠であるうえに、相談先がわからないという人もいるだろう。
そんな時は、「退職金運用の専門家」であるIFAに相談することをおすすめする。
IFAに依頼することで、将来設計における退職金活用方法など、自衛隊退職金に関する専門的な知識を活かしたアドバイスが受けられる。
また、信頼できるIFAをどうやって見つければいいのか、分からないという方も多いだろう。
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気軽に相談できるため、ぜひ活用してみてほしい。
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