- 退職金の運用方法について知りたい
- 定期預金のメリット・デメリットを理解したい
- 退職金を効果的に活用する方法を学びたい
退職金の運用法としては、定期預金を検討する方も多いだろう。普通預金より高金利で着実に資産を形成することができるからだ。
金融機関では退職金優遇の定期預金商品もあり、運用の第一歩として利用しやすくなっている。定期預金は古くから手堅く資産を増やす方法として親しまれており、安心感もあるだろう。
一方で、長引く低金利の影響で大きな利益は見込めない。
そんな定期預金を上手く利用するにはどうすればいいのか。
本記事では、退職金における定期預金と効率的な運用方法について解説する。
特に、弱点として指摘される低金利を補う方法についても記した。また、定期預金以外の運用方法も紹介している。
退職金の資産形成をさまざまな視点で検討したい方は、ぜひ参考にしてほしい。
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退職金運用に定期預金を活用する
定期預金で資産形成をするには工夫が必要だ。ここでは預金期間と分散投資について説明する。
適切な預金期間の選択と金利比較
定期預金は預入期間が自由に選択できる反面、中途解約しないかぎり預金を引き出せない。
そのため、預入期間については資金がいつまでに必要か考えた上で決定したい。
金融機関によっては、退職金を預け入れる際に金利を上乗せする特別優遇金利定期を設けているところもある。主な銀行の退職金を対象とした定期預金の金利は以下の通りだ。
銀行名 | 退職金金利優遇定期金利 |
---|---|
三菱UFJ銀行 | なし |
三井住友銀行 | 年2.0%(運用期間3か月限定) |
みずほ銀行 | 年3.0%~年6.0%(運用期間3か月限定) |
りそな銀行 | 年3.0%~年7.0%(運用期間3か月限定) |
通常の定期預金は年0.002%程度であるため魅力的な金利だ。地方銀行ではさらに高い上乗せ金利にしているところもある。
ただし預入期間が数か月と短期のケースが多く、満期完了後は通常の定期預金金利が適用となる点には注意したい。
預金保険制度とは
預金保険制度とは、万が一金融機関が破綻した場合に預け入れた金銭が保障される制度だ。ペイオフ制度とも言われる。
定期預金については1,000万円までの元本と利息が保護されている。1,000万を超える部分については、破綻した金融機関の財政状況によって支払いの割合が決定する。
債券や株式などとは異なり一定額が保障されているため、安心できる資産形成の手段だといえる。
組み合わせによる資産管理
定期預金は元本が保障され安全だが、金利が低く資産を増やすには効果が薄い。
より運用効果を高めるためには、定期預金だけではなくさまざまな金融商品を組み合わせたい。例えば、定期預金よりも運用成果が高い投資信託や株式への投資も行い、定期預金のリターンの低さを補う方法がある。
銀行によっては、投資商品の購入と同時に定期預金をすると金利を上乗せするといった商品もある。うまく活用し効率的に資産を増やしたい。
定期預金のメリット・デメリット
ここでは、定期預金の基本的な仕組みとメリット・デメリットについて説明する。
定期預金の基本的な仕組み
定期預金は金融商品の1つだ。一定の期間預け入れ、満期後に利子と併せて預金を受け取る。最初に預け入れる期間が指定できることから、自身の都合に合わせて運用できる金融商品といえる。定期預金にも以下の種類がある。
- 定期預金
- 1か月や1年など定期的な期間の中から選ぶ
- 期日指定定期預金
- 一定の期間後は自由に満期日を設定できる
- 積立定期預金
- 毎月決められた額を積み立て、指定した金額となったところで定期預金となる
- 大口定期預金
- 規程の金額以上の預け入れが対象で、金利が優遇される
定期預金のメリット:保証された利回りと元本保証
定期預金は元本割れリスクがなく破綻時も一定額の保障があることから、安心で利用しやすい。また、預入期間を自由に選べるので、自身の今後の目的やライフプランに合わせた運用が可能だ。
金利は預入時に決定しているため、将来的にどのぐらいの利益が生じるのか見通しがつく。
また中途解約でしか預金を下せないことから将来必要となるリフォーム資金、車の購入資金、孫への教育資金などをまとめて確保しておけるという利点もある。
定期預金のデメリット:低い利回りと預金期間中の制約
定期預金は投資性のある株式や投資信託などと比べて利益性が低い。
特に近年は低金利が続いている。老後資金を確保するためには、現在の定期預金の利率では難しい。
また、預金を下ろすには中途解約の手続きが必要で使い勝手が悪い。
中途解約の際には当初設定された利率よりも低い中途解約利率が適用になる点にも注意が必要だ。
インフレリスクも避けて通れない。物価が高騰すると現金の価値が下がってしまう。
元本が保障されるといっても、預金そのものの価値が減少してしまうおそれもある。
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退職金の効果的な運用方法とは?
定期預金のメリットとデメリットを押さえた上で、退職金の活用方法について見ていこう。
退職金を運用する目的と考慮すべきポイント
退職金の運用は「資産を守りながら増やす」という視点を持っておきたい。
近年、退職金の減少や物価の高騰に加え、平均寿命が伸びたことにより老後資金の適切な管理がより一層求められている。
市場ワーキング・グループの報告による、老後の30年間で約2,000万円が不足するという発表も記憶に新しい。
しかし、慌ててやみくもに投資をすればいいわけではない。まず退職金を次の3つの目的に分け適切な管理をする方法がある。
- 日々の生活費:現預金とし貯金しておく
- ライフイベントなど使う目的が決まっているお金:定期預金を利用する
- 当面使う予定のない余剰資金:投資商品で運用する
運用商品のリスクとリターンを理解する
運用商品にはリスクとリターンが必ず存在する。
リスクと聞くと損することというイメージが先行するが、本来は不確実性のことを指す。価格の振れ幅が大きく定まらない、将来的な利益が不安定である状態がこれに当たる。
リターンは、運用によって得られる利益のことだ。リスクとリターンは相関関係にあり、作用しあっている。そのためそれぞれのバランスについてよく検討する必要がある。
特に退職金は老後の資産と大きく関係することから、低リスクで確実性の高いものを選ぶべきだ。
運用期間や資産の分散によるリスク管理
リスクを低くするには長期投資を視野に入れておきたい。時間をかけることで全体の価格の振れ幅は小さくなる。着実に資産を育てるには、運用の目的を明確にし長期間ブレることなく続けることが大切だ。
また、定期預金や株式、投資信託などさまざまな金融商品を組み合わせることも、特定の商品の損失を補えるため有効だ。
どのような組み合わせでどのぐらいの運用が必要か迷ったときは、お金のプロであるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)に相談しアドバイスを受けるという方法もある。
IFAに相談して退職金運用を最適化
IFAとは独立系ファイナンシャルアドバイザーと呼ばれる資産運用の専門家だ。銀行や証券会社出身者が多く、豊富な知識と経験で資産形成の提案をしている。
IFAの役割とメリット
IFAは顧客のお金に関する相談を受け、資産分析や市場動向に関するアドバイスや商品提案を行う。金融商品の仲介者でもあるため、そのまま注文を受けることも可能だ。
特定の金融機関に所属していないことから、中立的な立場で個々の事情に合わせた提案ができる。
担当替えがなく継続的に顧客と共に資産を育てられることから、長期的な運用相談に適しているといえるだろう。
IFAによる退職金運用の最適化プロセス
IFAは金融商品のセールスではなく、資産全体のコンサルティングを担当する。したがって退職金の運用だけではなく、退職後の豊かな資産形成に対し、幅広く長期にわたってサポートが可能だ。
退職金は、その金額の大きさから効果的な運用法がわからないと戸惑う人も多いだろう。IFAは資産全体の洗い出しから、顧客の希望する生き方まで聞き取りをし、個別のニーズにあったポートフォリオを作成する。
IFAと共に考える定期預金以外の選択肢
定期預金も運用の1つだが、より豊かな資産形成のために他の選択肢も考えてみるのはいかがだろうか。
長く高金利が続いていた日本では、定期預金に馴染みがある人が多い。投資へ一歩踏み出すにはリスクが気になるだろう。
だからこそ、お金のプロに知識やデータに基づいたアドバイスをしてもらうべきだ。情勢不安が続き、先が読みづらい時代となった。1人よりプロと共に考えるのも、豊かな資産を形成していくための戦略の1つである。
定期預金との組み合わせで最適な運用を
本記事では、退職金の運用方法や定期預金のメリット・デメリット、活用方法を解説した。
定期預金と他の投資商品ではどちらが優れているかは、決めつけるものではない。
それぞれにメリットとデメリットがあることから、互いが補い合えるポートフォリオを組むことが運用成功の秘訣であると結論付けたい。
商品単体の是非よりも、どの組み合わせが良いのかに注力し考えていくべきだろう。
投資商品は莫大な数だ。特に豊かな老後を支える退職金の運用にあたっては、IFAに相談すること専門家の意見を取り入れながら運用法を検討できるだろう。
各運用商品の特徴、個別銘柄などについてアドバイスを得ることで自身の投資スキルも身に付くはずだ。
また、退職金運用に定期預金を活用する際にも、「退職金ナビ」で自分に合ったIFAを探し出し、相談することでより効果的な運用方法が見つかる可能性が高まる。
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