- 確定拠出年金と退職金の違いや受け取り方法を知りたい
- 受け取り方の最適な選択を知りたい
- 両方受け取ることができるかどうかを確認したい
老後の生活に直結する「確定拠出年金」と「退職金」。
退職後に再就職しても、現役時代より収入が減少する傾向にあるため、「確定拠出年金」と「退職金」を両方受け取れるのかは確認しておいたほうがいい。
また、受け取り方やその後の資産管理の方法についても、ポイントを知りたいと思っている方は多いのではないだろうか。
そこで本記事では「確定拠出年金」と「退職金」の受け取り方法や、最適な選択の見極め方について詳しく解説していく。
「確定拠出年金」と「退職金」に関する正しい知識は、退職後に充実した生活を営むための糧となるため、ぜひ参考にしてほしい。
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確定拠出年金と退職金の基本を理解しよう
まずは、確定拠出年金と退職金について、仕組みや受け取り方法を解説する。
自分に合った受け取り方を選択するために、ぜひご覧いただきたい。
H3 確定拠出年金の仕組みと受け取り方法
確定拠出年金の別名は「掛金建て年金」だ。
確定拠出年金(掛金建て年金)は、以下のとおり2種類ある。
【確定拠出年金の種類】
- 企業型
- 個人型
個人型確定拠出年金は、個人が自分で掛金を拠出して、運用するのが特徴だ。
一方、企業型確定拠出年金は毎月の掛金を「企業が支払い」、運用の選択は社員が行う。
「より多くの掛金で運用したい」場合、企業が支払った掛金に自己資金を上乗せする「マッチング拠出」もある。
2023年3月に発表された企業年金連合会の調査によると、55.2%の企業がマッチング拠出を導入している。
企業型確定拠出年金に加入している半数以上の人は、退職後の将来に備えて自分で運用資金を上乗せしているのだ。
なお、確定拠出年金の受け取り方法は、以下の3つとなっている。
【確定拠出年金の受け取り方法】
- 退職時に一括で受け取る
- 退職後に年金として受け取る
- 退職時と年金受け取り時の両方
退職金の仕組みと受け取り方法
退職金の支給条件や支給額は、企業が自由に定めることができる。
なお、東京都産業労働局の調査によると、退職金制度を設けている企業は71.5%だ。
28.3%の企業は退職金制度が設けられていないため、老後の計画を立てるためにも、事前に勤めている会社の退職金の有無を確認しておくようにしよう。
退職金の受け取り方法は、次の4つとなっている。
両者の違いを把握する
「確定拠出年金」と「退職金」の違いは、次のとおりだ。
個人型確定拠出年金 | 企業型確定拠出年金 | 退職金 | |
---|---|---|---|
資金や掛金を出す人 | 個人 | 会社 (個人で掛金を上乗せできる場合もある) | 企業 |
受給額 | 拠出金に基づく、運用実績次第 | 拠出金に基づく、運用実績次第 | 社内規定による |
運用方針を決定する人 | 個人 | 個人 | 企業 |
退職金の受給額や運用方針は、企業によって定められている。
それに比べ確定拠出年金は、個人がどのような運用選択をするかによって受給額が異なるのが特徴だ。
両方の受け取り方法を比較する
次は「確定拠出年金」と「退職金」の受け取り方法について解説する。
確定拠出年金の受け取り方法
確定拠出年金は、個人型、企業型とも、加入期間が10年以上あれば60歳〜75歳までの間に給付請求ができる。
なお、加入期間が10年に満たない場合の受け取り開始年齢は、61歳〜65歳だ。
確定拠出年金の受け取り方法は3つあり、次のとおりとなる。
確定拠出年金の受け取り方法 | 特徴 |
---|---|
年金 | 分割して受け取る(年金受給年齢から) |
一時金 | 一括で受け取る(退職時) |
年金と一時金の両方 | 一部を一時金、残りを年金で受け取る |
退職金の受け取り方法
退職金の受け取り方法は、次のとおりだ。
退職金の受け取り方法 | 特徴 |
---|---|
年金 | 分割して受け取る(年金受給年齢から) |
一時金 | 一括で受け取る(退職時) |
年金と一時金の両方 | 一部を一時金、残りを年金で受け取る |
前払い | 給与や賞与に上乗せで受け取る(在職中) |
退職金は、社員の生活をケアするために企業側が設けた福利厚生の1つである。
そのため、法律で「退職金は必ず支払わなければならない」とはされておらず、受け取り方法についても企業側に委ねられている。
同時受け取りのメリットとデメリット
「確定拠出年金の一時金」と「退職金」を同時に受け取るメリットは、まとまった資金が手元に入ってくることだ。
しかし、その一方で同時受け取りは、税金面でデメリットが発生することがあるため注意しよう。
なぜなら、2022年4月に確定拠出年金の課税ルールが改定されたからだ。
確定拠出年金|2022年4月から改定内容
改定前であれば、60歳で退職金、75歳で確定拠出年金を受け取ったとしても、退職所得控除期間を重複利用することができた。
しかし、2022年4月から制度が改定されたため、60歳で退職金、75歳で確定拠出年金を受け取る場合、退職所得控除期間を重複利用できなくなったのだ。
そのため、同時に「確定拠出年金の一時金」と「退職金」を受け取ると、退職所得が大きくなるため、それに伴い税額が増える可能性がある。
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最適な選択を見極めるためのポイント
ここまで、退職金と確定拠出年金の仕組みや受け取り方法について解説してきた。
「確定拠出年金」や「退職金」の最適な受け取り方や運用方法を見極めるには、次のポイントを抑えておく必要がある。
- 税金や手続き
- ライフスタイルや将来設計に合わせた選択
- 資産運用
ここからは、確定拠出年金と退職金の、受け取り方や運用方法を見極めるためのポイントについてわかりやすく説明していく。
税金や手続きの観点から考慮すべきこと
確定拠出年金と退職金は、受け取り方により税金が異なる。
【受け取り方別|確定拠出年金と退職金の税金】
- 一時金・・・退職所得
- 年金・・・雑所得
退職所得は退職金や確定拠出年金の一時金に対して課税されるが、雑所得はその他の所得と合計した総所得に対して課税される。
それにより、税金により手取り額に差が出る傾向があるため、手続きの前にどのような受け取り方を選択するのか熟考しておこう。
なお、企業型確定拠出年金や退職金は、勤務先の企業規約により受け取り方が定められているケースもある。
老後のプランを立てやすくするために、事前に企業規約を確認しておこう。
また、前述したとおり、確定拠出年金や退職金に関する税制は改定されるケースもある。
そのため、受け取り方を決めるときは、最新の税制について専門家に相談してみよう。
ライフスタイルや将来設計に合わせた選択
退職金や確定拠出年金の最適な受け取りを行うには、ライフスタイルや将来設計に合わせた選択が必要だ。
「 同時受け取りのメリットとデメリット」で前述したとおり、確定拠出年金と退職金を同時に受け取る場合、2022年4月に制度が改定されたことから、退職所得控除の重複利用ができない期間が変化した。
これまでは、14年以内の同時受け取りでなければ、退職所得控除の重複利用が可能だったが、2022年4月以降はその期間が19年以内に改定されたのだ。
そのため、確定拠出年金と退職金に対し、退職所得控除の重複利用を行いたい場合は、退職金の受け取りから20年以上経って確定拠出年金を受け取る必要がある。
つまり、55歳で退職金を受け取り、75歳で確定拠出年金の一時受け取りをするのであれば、退職所得控除の重複利用が可能となるのだ。
この場合、退職金受け取り後から20年経って確定拠出年金の一時金が受け取れるため、その間に「退職金をどのように運用するか」や「家具家電の買い替え、冠婚葬祭、介護など」の出費を見据えて退職後の計画を立てておくことが大切だ。
- 出典:郵便局「手紙・はがき」
資産運用の観点から考慮すべきこと
確定拠出年金や退職金を、ライフスタイルや将来設計に活かすためは、どのような資産運用を行うかが重要となる。
身近なところとして、物価や消費税は、将来設計に大きな影響を与えるため、退職金や確定拠出年金を受け取った後の運用先を検討する際に理解しておいたほうがいい。
日本は20年前と比べ、物価が約25%上昇し、消費税は5%から10%に引き上げられた。
なお、生活のためモノやサービスを購入するには、消費税を含めた金額を支払わなければならない。
それにより、消費税も考慮すると「20年間で物価は約30%上昇した」ことになる。
直近の10年間において例を挙げると、郵便はがきの値段は2014年3月末まで50円だったが、現在は63円となっており、26%も値上がりしている。
このような現状から、確定拠出年金や退職金を、超低金利の預貯金だけにまわしてしまうと、家計の資産は物価上昇によって目減りしやすくなる。
以下の図は金融庁によるもので、退職後に使う傾向のあるお金やおすすめの運用先を示しているため、参考にしてみてはいかがだろうか。
確定拠出年金や退職金の相談は誰にするべきか
上述したとおり、確定拠出年金や退職金の最適な選択をするには、物価上昇や税制などを踏まえたうえで、市場動向や経済状況を見極めなくてはならない。
ただ、確定拠出年金をどう積み立てるか・退職金をいつもらうべきかといったことを一人で考えていくことは、非常に困難である。
そんな時には専門家に相談するのも一つの手であろう。
専門家の中でも特におすすめなのが、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)である。
IFAは、年金や退職金運用の専門家で、銀行や証券会社などの特定の金融機関に属していない。
そのため、「会社からのノルマ」や「営業成績」など、顧客にとって足枷となるようなしがらみがないため、相談者にとって最適な選択をプロの目線でアドバイスできる。
ここからは、IFAが退職金運用にもたらす役割・選ぶ際のポイントについて解説する。
IFAが提供するアドバイスの内容
IFAが提供するアドバイスの内容は、多岐にわたる。
市場動向や経済状況などの専門的な見解も踏まえたうえで、相談者のライフスタイルや将来設計に沿ったアドバイスを行うのだ。
ライフスタイルや将来設計は人それぞれ異なるため、IFAは相談者に対してオーダーメイドの運用計画を提案する。
そのため、気になることや疑問に感じることなど、どんな些細なことでも構わないので、遠慮せずIFAに聞いたほうがいい。
また、あなたの理想とする生活や将来の夢などをIFAに伝えることで、どのような運用方法が最適なのか具体的なアドバイスをもらえる。
IFAを利用するメリット
IFAは、年金や退職金運用の専門家で、銀行や証券会社などの特定の金融機関に属していない。
そのため、「会社からのノルマ」や「営業成績」などのしがらみに影響されることなく、相談者にとって最適な選択をプロの目線でアドバイスできる。
また、IFAには他の金融機関と異なり転勤がないため、相談者と長い付き合いができることもメリットだ。
「担当者が転勤になってしまい、新任者との相性がよくない…」といった悩みを抱えることなく、ライフスタイルの変化と共に訪れる悩みをIFAに相談することができる。
信頼できるIFAを選ぶためのポイント
生活の糧となる、確定拠出年金や退職金についての相談をするときは、信頼できるIFAを選ばないといけない。
しかし、日本には数多くのIFAがいるので、その中から自分に合った人を見つけるのは大変だろう。
そこでおすすめしたいのが、検索プラットフォーム「退職金ナビ」だ。
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まとめ
確定拠出年金と退職金の最適な選択を見つけるには、金融や税制、経済情報など専門的な知識が必要だ。
そのため、受け取り方法や運用先を検討する際、専門家に相談するとあなたにとって最適な選択をすることが期待できる。
専門家の中でもおすすめなのは、独立系ファイナンシャルアドバイザーであるIFAだ。
IFAは特定の金融機関に所属していないため、金融機関ごとの営業方針に左右されることなく、相談者のニーズに沿った最適なアドバイスをすることができる。
また、転勤がないので、年月の経過と共に変化する相談者の悩みに合わせてアドバイスをすることも可能だ。
そのうえ、IFAに確定拠出年金や退職金の相談をすると、税金や手続きなどの詳しいアドバイスを受けられる。
ライフスタイルや将来設計に沿ったオーダーメイドの相談ができるので、最適な選択をしたい方はぜひIFAに相談してみよう。
安心して相談できるIFAをお探しの方には、希望条件を入力することで、最適なIFAを探し出すマッチングサイトである「退職金ナビ」がおすすめだ。
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